2013-05-03

二十五菩薩の来迎!久米寺練供養『久米レンゾ』@橿原市

二十五菩薩の来迎!久米寺練供養『久米レンゾ』@橿原市

橿原市の『久米寺』で、毎年「5月3日」に催される『久米寺練供養』(久米レンゾ)を観て来ました。菩薩面も衣装もきらびやかで美しいものですが、檀家さんや地元の方も参加したのんびりとした雰囲気が特徴です。最後には来迎橋から福餅まで撒かれて、荘厳ながらとても楽しい法要でした!


聖徳太子の弟「来目皇子」ゆかりのお寺です

橿原市久米町にある真言宗寺院『久米寺(くめでら)』。聖徳太子の弟「来目皇子(くめおうじ)」の開基とされ、今昔物語集に収められら「久米仙人」のエピソードでも有名です。また、春先には見事なアジサイとツツジが咲き誇る花の寺としても親しまれています。


そんな久米寺では、毎年「5月3日(祝)」の日に、「久米寺練供養」(二十五菩薩来迎練供養会式。または久米レンゾ)と呼ばれる法要が催されます。


<参考>YouTube動画『久米寺「二十五菩薩練供養」』


普段は静かな境内も、境内には来迎橋がかかり、ツツジも満開。この日ばかりは華やかに賑わっていました。とはいえ、良い場所を取るために押し合いになったりするほどの混み方でもなく、地元の方たちが集まっているような、のんびりとした雰囲気が伝わって来ました。

私たちは友人たちと多宝塔の前あたりに陣取っていましたが、散華を撒いたりする時以外は特に窮屈な思いもしませんでした。撮影がメインの方であれば、ちょっとした脚立があれば重宝するかもしれません。


久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-01

橿原市久米町の『久米寺』。普段は静かなお寺ですが、毎年5月3日に催される『久米寺練供養』(久米レンゾ)の日は大変な賑わいになります。後から知ったのですが、法要の最後に「福餅」のお餅まきがありましたので、それを目当ての方もいらっしゃったんでしょうね

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-02
お練りは、仁王門から近い「護国道場」から出発して、約100メートルの来迎橋を渡り、本堂へと向かいます。練供養は基本的に15時から始まりますが、30分前でもまだこんなのんびりした感じでした

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-03
久米寺の練供養の時期は、境内にツツジが咲き誇っています

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-04
本堂の脇には、お釈迦さまの誕生日をお祝いする「灌仏会(花祭り)」の用意もありました。右手を天高くあげた釈迦誕生仏に、甘茶をかけてお祝いします。4月8日、もしくは5月上旬に行うお寺さんが多いようです


練供養は15時から。散華なども撒かれます

久米寺の練供養は、15時くらいから始まります。檀家さんたち、御詠歌を歌う女性たち、そして女性の山伏の方や雅楽を奏でる方、僧侶の方々、お稚児さんなどが続きます。

そして、僧侶の方々が来迎橋の中央(多宝塔よりも少し本堂寄りくらい)に止まり、読経なさいます。その場で「散華(さんげ)」を撒かれますので、ありがたい散華が欲しい方は、覚えておくといいですね。押し合って怪我などしないようにご注意ください。


久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-06

来迎橋を渡る練供養は15時から始まります。ほら貝の音も鳴り響きますが、檀家さんやお稚児さんなど、地元の方々のお祭りということが伝わってくるような、のどかな雰囲気で進みます

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-07

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-08

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-09

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-10
こんな位置取りでの読経が終わると、僧侶の皆さんが散華を撒いてくださいます。仏さまを供養するお花の代わりになる有りがたいものですので、押し合って怪我などしないようにゲットしてみてください

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-11
私の友人たちが手に入れた散華を集めて記念写真を撮ってみました!素敵なデザインですね


阿弥陀仏と二十五菩薩。荘厳ながらのんびり

続いて、いよいよ二十五菩薩が登場します。

奈良の練供養会式というと、葛城市・當麻寺のもの(紹介記事)が有名です。こちらは中将姫を二十五菩薩が来迎する場面を再現したもので、千年を超える歴史を持ちます。しかし、久米寺のものは、同じように来迎橋がかけられ、西方浄土から如来さまが二十五菩薩とともに来迎に来るという事情は同じですが、やや形式が違います。


春の農繁期前の祭典。通称、『久米レンゾ』(久米会式)と呼ばれる会式が、近在の老若男女を多数集めて開かれます。(奈良盆地の農村地域では、春の一日を農休みの日と決め、村で楽しむ風習があり、これを「レンゾ」と呼んでいました。)

久米会式が近づくと本堂から護国道場まで約100mの掛け橋が架けられます。これは、現世(娑婆)と浄土をつなぐ来迎橋を示し、この橋を二十五菩薩が渡っていきます。これは、西方極楽から阿弥陀仏が二十五菩薩を従えて迎えにくることを示しています。
当日は、大般若経の典読があり、檀信徒・仙人講・詠歌隊・僧侶、住職、稚児行列が行われ、続いて薬師如来像を先頭に二十五菩薩が介添え人に導かれて長い橋を練り渡り、金堂に赴きます。


仏さまが座る蓮華座を掲げて上下動をしながら前進する、先頭の観世音菩薩(通称:すくいぼとけ)。當麻寺の場合は「行き→からっぽ、帰り→仏さまになった中将姫像」が乗せられており、阿弥陀仏に中将姫が来迎されたことを表しています。しかし、久米寺の場合は、行きも帰りも同じ仏さまが乗っていらっしゃるようでした。


久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-12

読経の最中にも、すでに菩薩さまたちの姿は見えていました。一番前にいらっしゃるのが「観世音菩薩」さま。手には阿弥陀如来像を持っています

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-13
先頭の観音菩薩さまは、通称「すくいぼとけ」と呼ばれます。一度体を沈み込ませて、手の中の阿弥陀像を左右に高く掲げるという動作を繰り返します。なかなかハードな動きです(當麻寺では、その後に「おがみぼとけ」が続きますが、その役の方はいませんでした)

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-14

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その後を勢至菩薩・薬王菩薩・薬上菩薩・普賢菩薩など、二十五菩薩の方々が続いて歩きます。衣装が真新しくて、どれも本当にキレイでした!

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菩薩役の方は、地元の方から希望者を募集なさっていたようです。お隣を歩く介添人の方は、そのご家族でしょう

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赤ちゃんを抱いたお母さんも。実は、この前に小さな男の子が二人歩いていました。菩薩に扮した方のご家族なんでしょうね。微笑ましい光景ですし、最高の記念になりますね!

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二十五菩薩が来迎橋を渡り終えると、本堂はこんな大混雑でした!

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本堂での読経の後、来迎橋を渡って護国道場へと戻られます。西方浄土からやってきた阿弥陀仏と菩薩さまたちが、また浄土へと帰っていくことを表しています

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-26

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-27


激しい争奪戦!最後には「餅まき」もあります

これで終わりかと思っていたのですが、16時過ぎ、世話役の方たちがありがたい「福餅」を持って登場して、来迎橋からの餅まきが始まります!それを知っている常連の方々は、ビニール袋を持ってきたりと準備万端でした。私も中に混じってみたのですが、押し合いへし合いでかなりヘビーです。早々に逃げ出しました(笑)

かなり後ろの方にも飛んできますので、すぐ間近よりもやや離れた場所の方がチャンスはあるかもしれませんね。また、足元にも落ちますから、上を見るよりも下を見ておく…というのも作戦かもしれません。

なお、小さいお子さんは別エリアに集められていましたので、おそらく安全だと思います。縁起物ですから、ぜひお近くの方は参加してみてください!


久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-28

世話役の方々が、大量の福餅を持って登場!本堂前など、かなり広いエリアで餅まきを行います

久米寺練供養(久米レンゾ)@橿原市-29
最中の様子。私は途中で逃げ出したので一個も取れませんでしたが、友人から分けてもらってお餅をいただきました。美味しいお餅でしたよ!



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■久米寺

HP: 参考サイト(かしはら探訪ナビ)
住所: 奈良県橿原市久米町502
電話: 0744-27-2470
宗派: 真言宗御室派
本尊: 薬師如来
創建: 不明
開基: 来目皇子(聖徳太子の弟。寺伝による)
拝観料: 境内無料。本堂拝観:400円 (アジサイ園:400円)
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 無料駐車場あり(10台分)
アクセス: 近鉄「橿原神宮前駅」から徒歩5分

※「久米寺練供養」(久米レンゾ)は、毎年5月3日15時~開催されます
※無料駐車場もありますが、練供養の当日は混雑するため、近くの「橿原神宮駐車場」(普通車500円)を利用するといいでしょう


■参考にさせていただきました

久米寺 - Wikipedia
久米寺 練供養 - 奈良の探訪 - Yahoo!ブログ
二十五菩薩 - 奈良の探訪 - Yahoo!ブログ


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