2017-10-30

聖武天皇の祈りが感じられた『第69回 正倉院展』@奈良博

聖武天皇の祈りが感じられた『第69回 正倉院展』@奈良博

奈良国立博物館『第69回 正倉院展』を、招待日に拝見してきました(~11月13日)。オリエンタルな雰囲気の「羊木臈纈屏風」、深緑色のガラスの器「緑瑠璃十二曲長坏」など、ため息が出るほどの美しい宝物が、計58件出陳されています。聖武天皇と光明皇后の華やかであり、厳かである生活の一端が間近に感じられて、今年も感動しました!


今年は「招待日」に拝観できました

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-01
この秋も、奈良国立博物館で『第69回 正倉院展』が始まりました(2017年10月28日~11月13日までの全17日間)。奈良の秋の一大イベントであり、正倉院展が開催される半月ほどの間は、たくさんの観光客が奈良を訪れます

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-03
私たちは今年ご縁をいただきまして、会期初日の前日に行われる「招待日」に参加させていただきました。ありがたいことです!

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-04
招待日の受付の行列。もっとのんびりした雰囲気なのかと思いきや、館内は意外と混雑していて驚きました。とはいえ、待ち時間などもありませんし、貴重な宝物とじっくりと向き合うことが出来ました!


ペルシア風であったり、民藝を感じたり

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-05
『第69回 正倉院展』のチラシ。メインに使用されているのは「羊木臈纈屏風(ひつじきろうけちのびょうぶ)」です。巻角のヒツジ、背後の木には2匹の猿が描かれています。構図などはサザン朝ペルシアの美術に由来し、それを参考として国内で制作されたものだとか。会場では鷹を描いた「熊鷹臈纈屏風」も隣に並んでいて、どちらも見事でした!

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-06
今年の正倉院展もたくさんの見どころがありましたが、もっとも目を惹かれたのが「碧地金銀絵箱(へきじきんぎんえのはこ)」でした(以下、画像は図録より)。仏への献物のために、東大寺法華堂の近くにあった千手堂で使用されていた箱だとか。表面の淡い青も、内側も鮮やかな文様も美しい限りで、細部まで一切の緩みもなく作られた最高の工芸品ですね。仏への崇敬の念が伝わってくるようでした

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-07
ガラスの杯「緑瑠璃十二曲長坏(みどりるりのじゅうにきょくちょうはい)」。吸い込まれそうなほどの濃い緑色も、半円形のひだがついたような不思議な形も、オリエンタルな雰囲気を醸し出しています。西方のデザインを取り入れた中国製だとか。脇の部分にウサギがいますので、ぜひじっくりと見てみてください

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-08
こちらは「金銅八曲長坏(こんどうのはっきょくちょうはい)」。先の「緑瑠璃十二曲長坏」と同じくペルシア風のデザインですが、こちらは国産で、実際にお酒を呑むさかづきとして使用されていた様子が伺えるのとか。こうした形が似ているものを間近で見比べられるのは、本当に楽しいです!

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-09
驚いたのが「花籠(けこ)」2種。法会で花びらをまく散華の際に、花びらを盛った籠です。浅いもの・深いものの2タイプあって、755年に東大寺で営まれた藤原宮子の一周忌斎会などに用いられたのだとか。どちらもまったく傷みもなく、作られたばかりかと思うほどです!こうした花籠は、正倉院に600以上も伝わっているというのですからすごい!

第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-10
こちらは経巻をつつんだ「竹帙(じす)」というもの。細く切った竹を並べ、さまざまな色の絹糸で幾何学文様を描いています。まじまじと眺めても、まさかこれが千年以上も昔に作られたものだとはとても思えませんでした!あらためて正倉院宝物の幅広さに驚かされました


天平時代の美の数々。感動的でした

これら以外にも、鳥獣の美しい文様が見られる大きな鏡、古代の音色を奏でる楽器、大仏開眼供養の日に使用された伎楽面、小さいながらも細部まで装飾を施した刀子など、見どころは多数あります。

毎年思うことですが、長い時を越えて、これだけの宝物が美しい状態を保ったまま伝えられているというのは、奇跡としか言いようがありません。聖武天皇と光明皇后の華やかであり、厳かである生活の一端がリアルに蘇ってきて、今年も感動させていただきました!

また、これは【自分用メモ】として。公式ページにある「出陳宝物一覧」(PDF)に「前回出陳年」の記載があります。たとえば「羊木臈纈屏風」であれば、前回は2007年に出陳されていたことがわかります。要チェック!


第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-02

奈良国立博物館の周辺では、鹿たちがのんびりと草を食んでいました。正倉院展が始まるとまたたくさんの観光客がやって来ます。鹿たちも奈良の観光大使(?)みたいなものですから、張り切ってお出迎えしてくれるでしょう(笑)


室生寺の国宝「釈迦如来坐像」も公開中

また、正倉院展の会期中は「なら仏像館」で、室生寺の国宝「釈迦如来坐像」、重文「弥勒菩薩立像」が特別公開されています(一覧:名品展 珠玉の仏たち【彫刻】)。

●【参考記事】<正倉院展>なら仏像館 見所たっぷり 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

このお釈迦さまは、普段はお堂の奥にいらっしゃるのを遠目にしか拝見できませんが、今は間近でじっくりと観察できます。凛とした表情も素敵ですし、全体的に鷹揚な雰囲気ながら、緻密に描き出された衣紋の表現など、本当に素晴らしいです!貴重な機会ですので、ぜひなら仏像館も拝観してみてください。

もちろん、この他にも美しい仏さまがたくさんいらっしゃいますよ!


第69回 正倉院展 @奈良国立博物館-11

夕暮れの奈良国立博物館「なら仏像館」。正倉院展でたっぷりと時間を使いたいところですが、ぜひこちらを拝観する時間も残しておいてください。また、この一角にある「青銅器館(坂本コレクション)」(紹介記事)も驚愕の美しさですから、こちらもぜひ!


2018年の奈良博の特別展チラシなど



■奈良国立博物館

HP: http://www.narahaku.go.jp
Twitter: @narahaku_PR

住所: 奈良県奈良市登大路町50番地
電話: 050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から、市内循環バス外回り(2番)「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ(近鉄奈良駅から徒歩約15分)


●第69回 正倉院展

HP: http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2017toku/shosoin/2017shosoin_index.html
会期: 2017年10月28日(土)~11月13日(月)
休館日: 正倉院展の会期中は無休
開館時間: 9:00 - 18:00(金土日祝は20時まで)
観覧料: 大人 1,100円、大学生・高校生 700円、中学生・小学生 400円

※閉館の1時間30分前から入場できる割安の当日券「オータムレイト」などもあります(大人 800円など)。詳しくは ホームページ でご確認ください。
※待ち時間や館内の混雑状況は「YOMIURI ONLINE 正倉院展特設サイト」で見られます。


※実際に拝観したのは「2017年10月27日」でした。


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