2016-10-24

天平時代の技術に感動!『第68回 正倉院展』@奈良博

天平時代の技術に感動!『第68回 正倉院展』@奈良博

奈良国立博物館で開催中の『第68回 正倉院展』を拝見してきました(11月7日まで)。美しい文様に包まれた聖武天皇ゆかりの水瓶「漆胡瓶」や、聖武天皇の一周忌斎会で使用された「大幡残欠」などの美しい宝物、当時の写経所の様子が伝わってくる「写経司解司内穏便事」など、見どころ豊富です。今年もじっくりと楽しませていただきました!


奈良の秋の風物詩。賑わってます!

第68回 正倉院展 @奈良博-01
今年の秋も、奈良国立博物館で『第68回 正倉院展』が始まりました(2016年10月22日(土)~11月7日(月)までの全17日間)。奈良の秋の一大イベントとして、毎年たくさんのかたが奈良へ訪れます

第68回 正倉院展 @奈良博-02
奈良博の周辺も、いつもののんびりした雰囲気とは違い、コインロッカーが増設されたり(無料で使用できます)、食事スペースが登場したり。この時期ならではの賑やかさに包まれます

第68回 正倉院展 @奈良博-03
スポンサーである読売新聞社さんのブースでは、毎年さまざまな体験型の催しが行われます。今年は竹工・金工・漆芸・木工の4分野の工芸技術に親しむ体験コーナーを日替わりで開催しています(詳しくはこちら)。正倉院の倉にも使われる「校木」の展示などもあります

第68回 正倉院展 @奈良博-04
会期3日目の月曜日、14時半ごろ到着したところ、10分ほどの入場待ちの行列が発生していました。週末などの混雑しそうな日であれば、夕方くらいからの遅めの時間が狙い目です。日中よりも空いていて、じっくりと観られます

第68回 正倉院展 @奈良博-05
ロビー部分の様子。平日の午後ながら、館内もそこそこ混雑していました。とはいえ、東博や京博のような、信じられないほどの待ち時間が発生したりするほどではありません。この日もそれほどのストレスもなく拝観できました


聖武天皇ゆかり「漆胡瓶」の美しさ!

第68回 正倉院展 @奈良博-06

2016年の『第68回 正倉院展』の感想を手短に。

今回は、見た瞬間に誰もがハッとするような色鮮やかな宝物(例えば「紫檀木画槽琵琶」とか)などは見当たりませんが、見応えのある素晴らしい内容でした。

メインビジュアルの「漆胡瓶(しっこへい)」は、聖武天皇ゆかりの品。まじまじと観察すると、あらゆるところに装飾が施してあって、本当に見事でした!

複雑な形ですが、「テープ状にした木の薄板を巻き上げる巻胎技法によって素地を成形」しているというのですから驚きです。全体に黒漆を塗り、山や鹿などの獣が描かれています。取っ手や土台の部分にまで文様が入っていて、その職人芸に驚き、それが今なおこれほど美しい状態であることにも驚きました。

実際に聖武天皇が愛用していたことはおそらく間違いないですから、当時の国家元首の生活の優雅さを想像できますね。


テーマごとに見どころたっぷりです

第68回 正倉院展 @奈良博-07

●聖武天皇の一周忌斎会で使用された「大幡残欠(だいばんざんけつ)」も圧巻でした。縦長の旗のような布製の「幡(ばん)」ですが、当時は全体で13~15メートルもあったのだとか!展示されているものもかなり大きく、迫力があります。それでいて細部の文様がしっかりと確認できる部分もありました。

●また、幡の本体だけではなく、脚・脚先の飾りなども合わせて展示されていました。華やかな催しの光景が目に浮かんでくるようでした。

●今回は小さなテーマごとの展示が多かったのも良かったです。象牙・鯨の骨・木と素材の違う3種類の笏(しゃく)、大小の楽器、竽(う)と笙(しょう)、さまざまな飾りが施された鈴たちなど。会場で実物を見比べることで理解が深まりますね

●象牙を染めて作った、小さな鳥形の飾り「撥鏤飛鳥形(ばちるのひちょうがた)」。実物を見るとびっくりするくらい小さいのですが、色鮮やかで可愛らしいものでした。同じ正倉院宝物で、紅色が美しい「紅牙撥鏤尺」(象牙製の飾りの尺)と同じ技法を使っているかと思うと、技術の幅広さに驚きます。

●この他、銅銭「和同開珎」15枚、「神功開宝」1枚なども展示されていました。この時代の古銭は、埋められていたものが出てくるものがほとんどのため、傷んでいるものが多いのですが、正倉院で大事に保管されていたものは完全な状態の美品です。また、こうしたものの原料となった「アンチモン塊」という金属の塊も合わせて並んでいます。

●正倉院文書では、有名な「写経司解司内穏便事」が見られたのが嬉しかったです。写経を行う天平のサラリーマンによる待遇改善要求の下書きで、食事の改善、酒やおやつの支給を求めたりと、リアルな悩みが伝わってきます。きらびやかな宝物から下級役人のメモ書きまで、幅広く観られるのが正倉院展の楽しさですね!


第68回 正倉院展 @奈良博-08

この時期にしては暑い日だったためか、奈良国立博物館「なら仏像館」前の池に、鹿たちが入っていました。夏にはよく見た光景ですが、10月末になってもやるんですね!


平城宮跡資料館「地下の正倉院展」もぜひ

また、正倉院展の時期に合わせて、秋の奈良の博物館・美術館では、興味深い展示が数多く企画されています。

「平城宮跡資料館」の、この時期恒例となった『秋期特別展「地下の正倉院展 式部省木簡の世界―役人の勤務評価と昇進―」』など、ぜひ合わせてご覧ください。


来年の奈良博・東博の特別展も必見

第68回 正倉院展 @奈良博-09
正倉院展の時期には、全国の国立博物館の来年の企画展示の情報が公開され、チラシが並び始めます。2017年には、奈良と東京で慶派の展示が連続して開催されます!

第68回 正倉院展 @奈良博-10
2017年の奈良国立博物館は、4月8日~6月4日に「特別展 快慶 -日本人を魅了した仏のかたち-」が、7月15日~9月3日には「1000年忌特別展 源信 -地獄・極楽への扉」が開催されます。どちらも個人的にどストライク!今から楽しみで仕方ありません!

第68回 正倉院展 @奈良博-11
また、東京国立博物館では、2017年1月17日~3月12日に「特別展 春日大社 千年の至宝」が、9月26日~11月26日には特別展「運慶」が開催されます!奈良の至宝が続々と東京へご出陳となり、大きな話題になりそうですね



■奈良国立博物館

HP: http://www.narahaku.go.jp
住所: 奈良県奈良市登大路町50番地
電話: 050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
休館日: 月曜日(休日の場合は翌日休み)
開館時間: 9:30 - 17:00
駐車場: 周辺の有料駐車場を利用
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から、市内循環バス外回り(2番)「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ(近鉄奈良駅から徒歩約15分)

※奈良国立博物館「なら仏像館」は、2014年9月より、建物内外の改修工事のために休館しています(2016年3月まで予定)。


●第68回 正倉院展

HP: http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2016toku/shosoin/2016shosoin_index.html
会期: 2015年10月22日(土)~11月7日(月)
休館日: 正倉院展の会期中は無休
開館時間: 9:00 - 18:00(金土日祝は20時まで)
観覧料: 大人 1,100円、大学生・高校生 700円、中学生・小学生 400円

※閉館の1時間30分前から入場できる割安の当日券「オータムレイト」などもあります(大人 800円など)。詳しくは ホームページ でご確認ください。


■参考にさせていただきました

正倉院展:読売新聞(YOMIURI ONLINE)


■関連する記事








" width="480" numposts="5" colorscheme="light">


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ