2015-10-26

モノグラム似の琵琶も出陳!『第67回 正倉院展』@奈良博

モノグラム似の琵琶も出陳!『第67回 正倉院展』@奈良博

奈良国立博物館で開催中の『第67回 正倉院展』を拝見してきました。某有名ブランドの文様に似ていると話題の四弦の琵琶「紫檀木画槽琵琶」を筆頭に、聖武天皇が身につけた袈裟、ものさし各種、筆、アクセサリなど、バラエティに富んだ63件の宝物が出陳されています。グッズ類も充実していましたし、やはり正倉院展は楽しいですね!


正倉院展は遅めの時間なら空いてます

今年の秋も、奈良国立博物館で『第67回 正倉院展』が開催されています(2015年10月24日(土)~11月9日(月)までの全17日間)。正倉院展が始まると「奈良に秋が来た」と実感しますね。

メインスポンサーである読売新聞さんの特設ページ「正倉院展 : 正倉院展 : YOMIURI ONLINE」からは、現在の待ち時間も見られます。情報も充実していますので、あらかじめチェックしておくといいですね。


第67回 正倉院展 @奈良博-01

第67回目を迎えた『正倉院展』。今年もまた、会期3日目の月曜日(通常は月曜は休館日ですが、正倉院展の期間中は開館しています)に行ってきました。毎年の秋のお楽しみになっていますので、これからもずっと通い続けるんでしょうね(笑)

第67回 正倉院展 @奈良博-02
奈良博脇の通路の様子。15時半くらいに到着したら、行列などもありません。会期中の最初の平日ということで団体客も多く、それなりに混雑していましたが、それも16時くらいまで。毎年言われることですが、遅めの時間であれば待ち時間も発生しませんし、館内でもゆったりと動けます。閉館2時間前くらいが狙い目ですよ!


「紫檀木画槽琵琶」の螺鈿細工が見事!

2015年の正倉院展は、メインビジュアルに使用されていた「紫檀木画槽琵琶(したんもくがそうのびわ)」が主役でした。

チラシなどでも美しい裏面が登場し、これが有名ブランド「ルイ・ヴィトン」のモノグラムに似ていると話題になっていました。Wikipediaによると、この文様は「万国博覧会で目にした日本の家紋に触発されている」とのことですから、まったく無関係なわけでもなさそうです。

実際に間近で拝見すると、細かな細工が施してあり、とにかくきらびやか!「象牙や染角(緑色に染めた鹿角)、ツゲ、黒柿などを組み合わせ3種類の小花文を斜格子風に配している」とのことで、素材ごとの良さをしっかりと把握して使い分けているんですね。また、背面の美しさに目が行きますが、ネックの部分などの美しさも息を呑むほど。これだけ贅を尽くした楽器が、これだけ美しい状態で遺されていることに、今さらながら驚いてしまいます。

第67回 正倉院展 @奈良博-15
今年のチラシより。四弦の琵琶「紫檀木画槽琵琶」の裏面です。演奏中は人から見えない裏側にこれだけの豪華な細工を施すんですから、驚きますよね!表面にも山水人物画が描かれています


楽器やものさし、筆など貴重な宝物も

正倉院展の展示品は、その年の最新の調査成果を反映した内容が見られるなど、年ごとに特色があります。今年の傾向として、見た瞬間に歓声が上がりそうな極彩色の美しい宝物は少なめでしたが、特定のテーマに沿った面白い展示物もありました。

●石でできた管楽器「彫石横笛」(ちょうせきのおうてき)、「彫石尺八」(ちょうせきのしゃくはち)は、表面に美しい文様が刻まれています。紫檀木画槽琵琶と同じく東大寺伝来の、初出陳となる「漆鼓」(うるしのつづみ)とともに、渋い楽器コーナーとなっていました

●美しい紅色に染められた象牙を用いた「紅牙撥鏤尺」(こうげばちるのしゃく)。飾りようのものさしで、この美しさには何度見ても息を呑みます。今年は同時に、目盛りが入って実用できる「斑犀尺」(はんさいのしゃく)、「木尺」(もくしゃく)も出陳されていました。並べて見比べて見たかったので満足です!

●間近で見て感動したのが「筆」でした。正倉院中倉に実用的なものが17管も伝わっているうちの3管が出陳されています。もっとも豪華なものは、本体部分が天然の斑紋が入った竹、両端に象牙の細密な飾りを付けています。これが超絶の細かさと見事さ!奈良時代すごい!

●刺繍を施した細い帯「間縫刺繍羅帯残欠」(まぬいのししゅうらのおびざんけつ)。胸の下あたりに巻いた細い帯ですが、金銀の彩色と美しい刺繍の両方を駆使してあります。細かい丁寧な仕事ぶりに、思わず見入ってしまいました。魚型の琥珀がついたアクセサリー「琥碧魚形」(こはくのうおがた)とセットで使用していたとか。

などなど、挙げていくときりがありません。今年見られた宝物は、またしばらくはお目にかかれないですから、一期一会のつもりでしっかりと目に焼き付けておきたいですね。


第67回 正倉院展 @奈良博-16

正倉院展のチラシの裏面より。「紅牙撥鏤尺」や「彫石尺八」などが紹介されています。一番上に見えるのが、聖武天皇が実際に身につけたであろう袈裟「七条褐色紬袈裟」(しちじょうかっしょくのつむぎのけさ)。間近で見ても美しい状態のまましっかりと保存されていることが分かりました。布製品が千年以上も伝わるなんてすごいことですよね

第67回 正倉院展 @奈良博-17
同じくチラシから。フェルトの敷物「花氈」、美しい小塔「磁塔残欠」、琥珀の魚型の飾りがついたアクセサリー「琥碧魚形」など。正倉院展の公式ページにも紹介が載っていますので、ぜひご覧ください


グッズ類も充実。雑貨好きな方は必見!

第67回 正倉院展 @奈良博-08
正倉院展はグッズコーナーも充実しています。「紫檀木画槽琵琶」のモノグラム似の文様を活かしたクリアファイルとチケットフォルダ、また「紅牙撥鏤尺」の模様のものなどもお土産に購入してきました。この両者は現代でも十分に通用するデザイン性ですから、いろんなグッズが作られていました。この文様のマスキングテープも販売されてましたよ!

第67回 正倉院展 @奈良博-09
自分自身へのお土産として、今年は出陳されていませんでしたが、デザインが大好きな「鹿草木夾纈屏風」モチーフの手ぬぐいを購入しました(千円くらい)

第67回 正倉院展 @奈良博-10
広げるとこんな感じ。なお、こちらは正倉院展の会場のグッズ売り場では見当たらず、地下のミュージアムショップで購入しました。品揃えが少し違ったりしますのでご注意ください


読売新聞ブースで動物の毛筆の体験も

第67回 正倉院展 @奈良博-05
奈良博の隣に設置された読売新聞さんのブースでは、いろんな動物の毛でできた筆で試し書きができる、というコーナーがありました。今年の正倉院展では、敷物や筆など、動物の毛を使った宝物が多く出陳されていたため、それに合わせています。羊・たぬき・うさぎ・鹿・馬と、5種類の毛を触って感触を確かめられます

第67回 正倉院展 @奈良博-06
それぞれの毛を使った筆が用意してあり、水を使って試し書きができます。どの毛が硬いとか書きやすいとか体感できて、とても楽しい企画でした。もちろん無料で利用できますのでぜひ立ち寄ってみてください

第67回 正倉院展 @奈良博-13
正倉院展を見終わって外へ出ると、美しい月が登っていました。日が落ちると急に冷え込んできますので、暖かい格好でお越しください


奈良博の来春は「信貴山縁起絵巻」全巻公開

第67回 正倉院展 @奈良博-11
今後の奈良博の企画展の内容も発表になっていました。春の特別展は「国宝 信貴山縁起絵巻 ~朝護孫子寺と毘沙門天信仰の至宝~」(2016年4月9日~5月22日)。ファンタジックでユニークな信貴山縁起絵巻(Wikipedia)が、全三巻全場面が同時公開されるとか!もっとも長い「尼公の巻」が14mちょっと。それが三巻並ぶとなると大迫力ですね。楽しみです!

第67回 正倉院展 @奈良博-12
そして、夏の特別展は、生誕800年記念となる「忍性(にんしょう)」展です。忍性(Wikipedia)は、鎌倉時代の真言律宗の僧で、現在の三宅町出身。弱者の救済に尽力した名僧です。まだ詳細は不明ですが、縁の西大寺や額安寺、鎌倉の寺院などの寺宝が出陳されるのでしょう。どんな内容になるのかこちらも楽しみです!

第67回 正倉院展 @奈良博-14
また、奈良文化財研究所 平城宮跡資料館では、恒例の「地下の正倉院展」が開催されています(~2015年11月29日)。酒や酢の醸造をつかさどる役所「造酒司(ぞうしゅし)」関連の木簡568点が、一括して重要文化財に指定されたことを記念した内容です。無料で拝見できますので、合わせてどうぞ!



■奈良国立博物館

HP: http://www.narahaku.go.jp
住所: 奈良県奈良市登大路町50番地
電話: 050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
休館日: 月曜日(休日の場合は翌日休み)
開館時間: 9:30 - 17:00
駐車場: 周辺の有料駐車場を利用
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から、市内循環バス外回り(2番)「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ(近鉄奈良駅から徒歩約15分)

※奈良国立博物館「なら仏像館」は、2014年9月より、建物内外の改修工事のために休館しています(2016年3月まで予定)。


●第67回 正倉院展

HP: http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2014toku/shosoin/2014shosoin_index.html
会期: 2015年10月24日(土)~11月9日(月)
休館日: 正倉院展の会期中は無休
開館時間: 9:00 - 18:00(金土日祝は19時まで)
観覧料: 大人 1,100円、大学生・高校生 700円、中学生・小学生 400円

※閉館の1時間30分前から入場できる割安の当日券「オータムレイト」などもあります(大人 800円など)。詳しくは ホームページ でご確認ください。


■関連する記事










  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ