2013-10-28

古代の美術工芸の粋!『第65回 正倉院展』@奈良博

古代の美術工芸の粋!『第65回 正倉院展』@奈良博

今年も『第65回 正倉院展』を拝見してきました。例年よりもやや渋めな内容でしたが、華やかなお香の台座「漆金薄絵盤」、布に雄鹿を染めた正倉院らしい文様の「鹿草木夾纈屏風」などため息が出ます。初出品16件を含む計66件が出陳されていますので、ぜひご覧ください!


奈良の秋は正倉院展!大変な賑わいでした

今年の秋も、奈良国立博物館で『第65回 正倉院展』が開催されています(2013年10月26日(土)~11月11日(月)までの全17日間)。正倉院展の期間中は、奈良市内は秋の観光のピークを迎え、たくさんの人出で賑わいます。

私たちも会期3日目となる月曜日(いつもは月曜は休館日ですが、正倉院展の期間中は開館しています)に行ってきました。入館したのは15時半ごろ、閉館の18時ギリギリまで居ましたが、思わず時の経つのも忘れてしまいますね!さすがに奈良博の他の展示よりも混んでいましたが、ゆったりと拝見できました。

メインスポンサーである読売新聞さんの特設ページ「第65回正倉院展 : 正倉院展 : YOMIURI ONLINE」からは、現在の待ち時間も見られます。情報も充実していますので、あらかじめチェックしておくといいですね。


第65回正倉院展@奈良国立博物館-01

奈良の秋の恒例イベント『第65回 正倉院展』(2013年10月26日(土)~11月11日(月)まで)。今年のメインビジュアルは、23年ぶり2度目の出陳となる「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」。仏さまの台座のように見えますが、これは仏前にお供えするお香の台座(香印坐)です。贅沢!

第65回正倉院展@奈良国立博物館-03
特設のチケット売り場にも、大きな行列は見られず。後述しますが、年間に何度も奈良博(と京博や東博・九博)を利用する方は、購入したその日から1年間有効の「奈良国立博物館パスポート」を購入するのもオススメですよ!

第65回正倉院展@奈良国立博物館-04
奈良博の脇には特設のテントが張られ、飲食店やお土産物の販売スペースが登場しています。正倉院展期間中の限定メニューなどもありますので、時間がない方でも安心ですね

第65回正倉院展@奈良国立博物館-05
ちゃんと無料の「手荷物預かり所」も完備されています(100円リターン式)。身軽になって拝観できるので便利ですね。ただし、ロッカーの台数に限りがありますので、混雑日はここでも待ち時間が発生してしまうかもしれません


漆金薄絵盤・平螺鈿背円鏡・鹿草木夾纈屏風!

第65回となる正倉院展ですが、初出品16件を含む計66件が登場しています。

出陳内容は正倉院宝物の全体像がうかがえる構成となっていますが、とりわけ23年ぶり二度目の出陳となる漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)をはじめとする仏具の優品、聖武天皇ご遺愛の平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)と屏風がまとまって出陳されるのが注目されます。このほか、楽器や伎楽面(ぎがくめん)、貴族の遊びの道具、腰飾りや刀子(とうす)などの装身具、宮中の年中行事にかかわる道具、奈良朝の人々の暮らしを伝える文書などが出陳されます。

本年の特徴の一つに、宝物を守り伝えてきた人々の努力がうかがえる品が多い点が挙げられます。宝物は点検と曝凉(ばくりょう)(虫干し)、厳重な管理、そして修理などを通して今日に伝えられてきました。今回は弘仁二年(811)に行われた北倉の宝物点検の報告書が出陳されます。また平螺鈿背円鏡は、保存の良い一面、鎌倉時代の盗難で割られてしまった一面、そして明治時代に修復した一面、の三種類が並び、宝物を伝えてきた人々の足どりを見ることができます。また、櫃(ひつ)に納められていた裂(きれ)のかたまりを延ばし、修理したことで聖武天皇ご遺愛品であることが判明した屏風(びょうぶ)なども出陳されます。


●ハスの花をかたどったきらびやかなお香の台座「漆金薄絵盤」
●ヤコウガイとラピスラズリを使った美しい鏡「平螺鈿背円鏡」
●左右対称に雄鹿を染め出した、正倉院らしい文様の「鹿草木夾纈屏風」
●聖武天皇遺愛のキジの羽根を使った屏風「鳥毛帖成文書屏風」
●セミクジラのヒゲから作った美しい僧具「鯨鬚金銀絵如意」など

どれもとても素晴らしいものでした。やはり会場でひときわ目を惹かれたのが、今回の主役「漆金薄絵盤」です。陳列棚の床が鏡張りになっているため、美しい蓮弁の細工がくっきりと見て取れました。中国風・インド風・和風、色んな要素が入り交じっているようで、見れば見るほど不可思議ですね。間近から(ガラス越しですが)じっくり見られました。

日本固有の楽器「檜和琴」などそれぞれ素晴らしい品々ですが、ここ数年と比較してやや渋めの印象だったのも事実です。美しい装飾の太刀やきらめくガラス用品など、目立つものが少ないような気がしました。

しかし、ホームページにさりげなく紹介されているものたちも、どれもこれも実際には素晴らしいものばかりです。ただの布の切れ端にしか見えないような「花喰鳥刺繍裂残片」など、実物の美しさに息を飲むでしょう。

また、一部で「ポッキーみたいだ」と話題(?)になっている小刀「白牙把水角鞘小三合刀子」もぜひご注目ください。全長13.8cmの三本組の小刀ですが、刀・のこぎり・槍鉋(やりがんな)の三本組の十徳ナイフ的なもので、その外見は熱で溶けてくっついてしまったポッキーに見えます(笑)


第65回正倉院展@奈良国立博物館-07

会場前にある読売新聞社さんのブースから(奈良博の館内はもちろん撮影禁止)。美しいポスターが張られています。ここではさまざまなカタログ類がいただけたり、物販やゲームのコーナーがあったりします。拝観前に立ち寄っておくといいですね

第65回正倉院展@奈良国立博物館-08
聖武天皇ご遺愛の美しい鏡「平螺鈿背円鏡」(へいらでんはいのえんきょう)。螺鈿や琥珀で背面をきらびやかに飾っていて、目がくらむよう!花と葉の文様の中に、可愛らしい4羽の鳥が隠れています。鎌倉時代に盗難にあった末に割られてしまった鏡の破片も同時に出陳されています

第65回正倉院展@奈良国立博物館-09
仏に献納する品々を載せた華麗な台机「彩絵長花形几(さいえのちょうはながたき)」。上にはテーブルクロス状の布を敷いてあります。天板の側面と8つの脚(華足)には、見事な装飾文様が描かれていて、とても千年以上も前のものとは思えない美しさでした

第65回正倉院展@奈良国立博物館-10
ちなみに、今回出陳されている矢を投げて壺に入れる遊び「投壺」(とうこ)の体験もできます。古代中国で宴席の余興として行われたゲームだとか

第65回正倉院展@奈良国立博物館-11
投壺がプラスチック&ゴムで再現されています。実際にやってみると、意外と難しいんですね。天平衣装のお姉さんに相手をしていただけて楽しかったです!なお、ここで遊んだ「投壺セット」は、ここで予約販売を受け付けていました。お値段は「18,000円(税込)」。今も昔も貴族の遊びなんですね(笑)

第65回正倉院展@奈良国立博物館-13
読売新聞さんのブースでは、正倉院関連の書籍やグッズなども販売しています。手前に見える機会「読売メモリーBOX」は、誕生日を入力するとその日の新聞紙面がプリントアウトされるというもの(A4サイズ両面印刷で500円)。お孫さんとかへのお土産にいいのかもしれませんね


混雑を避けるためには「遅めの時間帯」で

なお、正倉院展は毎年の混雑ぶりで話題になったりしますが、夕方近い時間帯になると空いてきますので、出来るだけ遅めの時間に入館してみてください。快適に拝観するためのちょっとした小ネタを書いておきます。


●閉館の1時間30分前より販売される当日券「オータムレイトチケット」を使用すると、一般入館料1,000円のところ700円で入れます。通常の閉館時間は18時、土日祝は19時で、このチケットが利用できる時間帯は間違いなく空いていますので、これを利用するのもいいですね。

●奈良博には「奈良国立博物館パスポート」という制度があります。購入日から1年間有効で、料金は「一般 3,000円、学生 2,000円」など」。奈良博と、東京・京都・九州の国立博物館でも使用可能で、各館の特別展など合計6展覧会まで拝観可能です。購入したその日から使用できますので、何度も奈良博へ通う方はこちらを購入しておいてもいいですね。最大のメリットは、常設の『なら仏像館』に何度でも入れること!気軽に何度でも仏さまと対面できます。

●全国に多数の視聴者を持つテレビ番組「NHK 日曜美術館」。正倉院展の特集しますが、今年の放送は「11月3日(日)」です。これを見た方たちが押し寄せるためさらに混雑すると言われていますので、お早めにどうぞ。


繰り返しになりますが、オススメは「遅めの時間帯」です。週末の早い時間帯は、団体客なども押し寄せて大変な混雑になりますが、時間帯をずらせばいくらかは落ち着くものです。正倉院展の期間中は、奈良県各地で色んなイベントを開催していますから、そちらを回ってから……というのもパターンがベターでしょう。


『正倉院正倉』はまだ修復工事中です

なお、本来であれば正倉院の宝物が収められていた建物「正倉院」(正確には正倉院正倉)も合わせて見学して欲しいところですが、現在は整備工事中のためまったく見られません。2014年度には終了する予定ですので、もうしばらくの辛抱ですね。



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■奈良国立博物館

HP: http://www.narahaku.go.jp/index.html
住所: 奈良県奈良市登大路町50番地
電話: 050-5542-8600(NTTハローダイヤル)
休館日: 月曜日(休日の場合は翌日休み)
開館時間: 9:30 - 17:00
観覧料: 平常展 大人500円、大学生250円、高校生以下は無料(特別展の料金はその都度決定)
駐車場: 周辺の有料駐車場を利用
アクセス: JR・近鉄「奈良駅」から、市内循環バス外回り(2番)「氷室神社・国立博物館」バス停下車すぐ(近鉄奈良駅から徒歩約15分)


●第64回 正倉院展

会期: 2013年10月26日(土)~11月11日(月)
休館日: 正倉院展の会期中は無休
開館時間: 9:00 - 18:00(金土日祝は19時まで)
拝観料: 大人 1,000円、大学生・高校生 700円、中学生・小学生 400円

※閉館の1時間30分前から販売する割安の当日券「オータムレイト」などもあります(大人 700円など)。詳しくは ホームページ でご確認ください。


■参考にさせていただきました

正倉院 - Wikipedia
奈良倶楽部通信 part:II: 「第65回正倉院展」*自分流鑑賞記


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