2008-02-05

真剣に『東大寺』巡り <1.大仏殿編>

東大寺(大仏殿)-奈良の大仏

日本一の規模を誇る大寺院『東大寺』には、これまでも何度も足を運んでいます。しかし、奈良県民の悲しさというか、他県からいらっしゃった方のように、時間をかけて丹念に見ていくということはあまりしておらず、ちょっと空いた時間に大仏殿だけ拝観して・・・というパターンばかりだったんですよね。

しかも、自分の場合は、それが「なら燈花会」の日だったりするものですから、あまり昼間の大仏さんも見た記憶が無かったりして・・・。そこで今回、朝から早起きして、東大寺を丹念に見て回ることにしました。

・・・とはいえ、やはりあれだけのスケールのお寺ですから、全ては無理だとして、「大仏殿」から「正倉院」、東側の「二月堂」「三月堂(法華堂)」「四月堂(三昧堂)」などから見ていきます(「戒壇院」「転害門」や公開日が限定されているものは別の機会に)。



■真剣に『東大寺』巡り
<1.大仏殿編><2.二月堂編><3.三月堂など><番外:鹿のいる風景>

東大寺巡りは「南大門」から!

東大寺巡りの最初はもちろん「南大門(国宝)」から始まります。鎌倉時代に大仏殿を再建したりと、東大寺の再興の祖として知られている「俊乗坊重源」が伝えた建築様式を用いているそうです。この門の内部は吹き抜け(?)のようになっていて、天井が貼られていないため、最上部まで見渡せるというちょっと珍しい構造です。

左右を固める金剛力士像はもちろん国宝で、高さ8.4m。「阿形は快慶作、吽形は運慶作」と習っていたのですが、解体修理によって発見された資料から、それが少し違っていたことが分かっているのだそうです。いずれにしても力強く迫力のある像で、じっくり見ていても飽きませんね。「阿形・吽形が向かい合っている」「右に吽形・左に阿形と、普通とは逆」というのもここの特徴です。

こんなすごい建築物と仏像の脇で、鹿が観光客を追い回して盛大にフンをしているんですから、何だか不思議な光景ですね(笑)

東大寺(大仏殿)-南大門
運慶・快慶作の「金剛力士立像(国宝)」で有名な「南大門(国宝)」。台風で倒壊した後、鎌倉時代に再建されたものです

東大寺(大仏殿)-南大門の斗きょう
東大寺南大門の「斗きょう(ときょう)」。軒先を支える組木のことで、ここのものは前に6段も張り出す「六手先」という珍しいスタイルなのだとか。門の内部も吹き抜け風(?)で、ちょっと面白い感じになっています

東大寺(大仏殿)-吽形
向かって右手に「吽形(うんぎょう)」。湛慶などが指揮をとって制作されたそうです。大きすぎて、写真を撮るのが難しい被写体ですね(笑)

東大寺(大仏殿)-阿形
左手の「阿形(あぎょう)」。運慶が製作総指揮で快慶も参加(異論は色々あります)。間近で見ると、並外れた力強さを感じますね

東大寺(大仏殿)-吽形の足
吽形の足元。筋骨隆々でアンクレット(?)がカッコイイ!


「金堂(大仏殿)」は大きいだけじゃない!

南大門からさらに進むと、朱色の「中門」、そこで拝観料を払って入場すると、いよいよ「金堂(大仏殿)」です。これだけの巨大建築物というだけでも圧倒されてしまいますが、背後に見える若草山や広々とした緑地など、遠目から見ていてもいいんですよね。また、建物の細工も素晴しくて、ジ~ッと見ていても飽きることがありません。

中学生時代に修学旅行で来た時には、そんなありがたみはサッパリ分かりませんでしたが、よ~く見てみるとすごい建築物なんだと、今さらながら気付きました(笑)

東大寺(大仏殿)-中門
大仏殿の手前にある「中門(重文)」。2階建ての楼門で、江戸時代に再建されたもの。まだ朱塗りが鮮やかに見えますね

東大寺(大仏殿)-大仏殿1
東大寺の「金堂(国宝)」。通称の大仏殿という名前の方が有名ですね。間口57.01m、高さ48.74mで、自由の女神像も収納できるサイズ。2度の火災から再建されています

東大寺(大仏殿)-八角灯籠
金堂前の「八角灯籠(国宝)」。大仏殿に目が奪われてしまいますが、コチラも天女の細工などが美しいものです

東大寺(大仏殿)-大仏殿2
下から大仏殿を見上げた図。左下にある窓は、「なら燈花会」などの際に開放されて、遠目からでも大仏様の顔が見られるようになります


奈良の大仏さん、いつ見てもデカっ!

大仏殿の中にいらっしゃいますのは、もちろん奈良の大仏さんこと「盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)」です。もうとにかく「デカっ!」としかいい様がありませんね。これは中学生の時も、それから20数年経った今でも一緒です(笑)

脇侍の「虚空蔵菩薩」さんも「如意輪観音」さんも素晴しいのですが、やはりご本尊の迫力に押されてます。いずれも、比較的、制作年代が新しいこともあってか、見て楽しい仏像的なインパクトは薄めかもしれません。特に、このところ艶かしい如意輪観音さんに出会ってきているので、やや物足りない感が・・・。

しかし、この日は平日でまだ観光客が少なめでしたし、修学旅行シーズンからも外れているのでまだ静かなものでしたが、それでも「大仏さんの鼻の穴」辺りは賑やかでしたね。アジア方面からの団体さんも多かったのですが、やっぱりここが一番盛り上がるようです。信仰心とは全く関係ない話ですが、こんな娯楽性があってエンターテイメントを感じるのも東大寺の良さなのかもしれませんね。

東大寺(大仏殿)-盧舎那仏像1
ご存知「奈良の大仏さん」。正式には「盧舎那仏像(るしゃなぶつぞう)」で、もちろん国宝。752年の開眼ですが、ほとんどが後に補修されていて、当時から残っている部分はほとんどないそうです

東大寺(大仏殿)-盧舎那仏像2
大仏さんはさすがに大きすぎて、細部を眺めて楽しむものでもありませんし、つい畏怖の念を覚えてしまいます。光背にいる仏さんまで大きいですからね!

東大寺(大仏殿)-虚空蔵菩薩坐像
大仏さんの向かって左側の脇侍が、木造の「虚空蔵菩薩坐像(重文)」。ずっと昔からここにいらっしゃったのかと思いきや、1752年の作なんだそうです。裾の部分の処理が飛鳥風に見えます

東大寺(大仏殿)-如意輪観音坐像
向かって右側の脇侍は「如意輪観音坐像(重文)」。こちらは1738年の作だとか。拝観順路の一番最後になるので、ややスルーされやすい存在かもしれません(笑)

東大寺(大仏殿)-広目天像
金堂の西側を守る「広目天像」。こちらもなかなかの大きさで、このサイズの仏像さんがこれだけ間近に見られるのもなかなか珍しいかもしれません

東大寺(大仏殿)-多聞天像
四天王のお一人「多聞天像」さん。目の前にはお馴染みの「大仏さんの鼻の穴」があるので、落ち着いて見ていられません(笑)

東大寺(大仏殿)-ご朱印
東大寺金堂でいただいたご朱印です。華厳宗大本山なので「華厳」。乾かし方が足らなくて、汚れちゃいましたよ・・・


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



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■東大寺

HP: http://www.todaiji.or.jp/
住所: 奈良県奈良市雑司町406-1
電話: 0742-22-5511
宗派: 華厳宗大本山
本尊: 盧舎那仏(国宝)
創建: 8世紀前半
開基: 聖武天皇
拝観料: 大仏殿:500円、三月堂(法華堂):500円、戒壇院:500円
拝観時間: 8:00 - 17:00(季節・施設により変動します)
駐車場: 有料駐車場あり(一日1,000円程度)
アクセス: JR奈良駅・近鉄奈良駅より、市内循環バス「春日大社大仏殿前」下車、徒歩5分






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