2014-04-25

仏様をじっくりお参り『東大寺大仏殿』<仏像編>@奈良市

仏様をじっくりお参り『東大寺大仏殿』<仏像編>@奈良市

東大寺の『大仏殿』には、ご本尊・奈良の大仏さまはもちろん、様々な仏像が安置されています。八角燈籠の音声菩薩、大仏殿前の賓頭盧尊者像、脇侍の虚空蔵菩薩坐像・如意輪観音坐像など、さらにはお線香立ての台座の邪鬼や、八本足の蝶まで!大仏さまの迫力に忘れられがちですが、改めて注目してみるとより楽しめます。


大仏さまだけじゃない『大仏殿』のすごさ

奈良の大仏さまがおわす国宝建築物『東大寺大仏殿』。修学旅行生などにとっては、大仏殿を参拝した際には、大きな大仏さまを見上げて写真を撮って、背後の柱の穴をくぐって出てくる……というようなイメージかもしれません。

しかし、大人になってから細部までじっくりと見ていくと、とても興味深い点がたくさん見つかります。簡単にご紹介していきます。


東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-01

東大寺の『大仏殿』。春になると、大仏殿の前の桜が咲き誇ります。春の数日間しか見られない光景ですね(この記事でご紹介しています


国宝『金銅八角燈籠』の音声菩薩さま

大仏殿のすぐ前に『金銅八角燈籠』(国宝)があります。

基本的には奈良時代の東大寺創建当初のもので、総高は464cm。8面ある「火袋」というパーツは、東西南北の扉面には獅子が、その他の4面の羽目板面には、音楽を奏でる「音声菩薩」が浮き彫りで表現されています。この音声菩薩さまが、とても優しい表情をなさっていますから、ぜひ注目してみてください。

4面ある羽目板のうち、当初のものが取り付けられているのは、西北面・西南面の2面です。大仏殿は南向きに建てられていますので、向かって左手の2つですね。

東北面(向かって右手奥)の羽目板は、1962年に盗難に遭い、周囲が破損したたため、現在は複製品が取り付けられています。オリジナルのものは「東大寺ミュージアム」で展示されていますので、そちらでご覧ください。


東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-03

東大寺の国宝『金銅八角燈籠』。総高464cmという大きな燈籠で、何度も戦禍に見舞われた大仏殿の前にありながら、ほぼ創建当初の奈良時代の姿を残しているそうです。4面は扉で開閉できるようになっていて、残り4面は羽目板です

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-04
別角度から。頂の宝珠、屋根部分の飾りなども美しいですね。この写真の正面に写っているのが西南面。向かって左側の西北面のものとともにオリジナルのまま残っています

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-05
音声菩薩さまをアップで。ふくよかで優しい表情をなさってますね。間近で拝見すると、繊細な細工ぶりがよく分かります。何度も修理されているとはいえ、ずっと屋外にあってこれだけの美しさを維持しているのですからすごいですね


お線香立ての邪鬼や賓頭盧尊者も

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-08
中門の前にある、大きなお線香立ての足元には、3名の邪鬼がいます。腰高の可愛らしい姿ですね

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-09
こちらは、大仏殿の前にあるお線香立ての邪鬼。片手で仕事をして、空いた片手は腰に。かっこいい!

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-11
大仏殿の向かって右手におわす「賓頭盧尊者像(びんずるそんじゃぞう)」。いわゆる「おびんずるさん」ですね。自分の体の悪いところと同じ部分を撫でると治ると言われていますので、ぜひ撫でてください。お釈迦さまの弟子のひとりで迫力がありますが、お酒好きで失敗したりと、ゆるめのエピソードをお持ちの方です(笑)


大仏さまの頭部は江戸時代、体は鎌倉時代

東大寺大仏殿のご本尊である「奈良の大仏さま」(国宝・銅造盧舎那仏坐像)。高さ約14.7mという大きな坐像です。

聖武天皇の発願により、745年に制作が開始され、752年に開眼供養会が行われました。戦禍のため、2回焼失していますが、時の権力者の支援もあり再興されてきました。このため、奈良時代に制作された部分は、台座・右脇腹・大腿部などの一部で、頭部は江戸時代、体部の多くは鎌倉時代に補修されたものです。


東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-14

大きな大きな奈良の大仏さま。高さ約14.7mあります。当初は全身を金で覆われていましたから、キラキラと輝いていたのでしょう

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-15
改めてじっくりと見てみると、お顔の部分が新しくて光沢があるのが分かります。これは、頭部が江戸時代、体の大部分が鎌倉時代の補作のためです

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-16

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-17

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-18
あまりにも高いところにいらっしゃるので実感できませんが、大仏さまクラスとなると、光背の化仏(けぶつ)も大きいのでしょうね

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-19
背後から光背を見たところ。しっかり厳重に固定されているのが分かります

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-20
大仏さまの足元にある台座の「蓮弁」。華厳経の世界を表す絵図が、細やかな線刻で描かれています。緻密な描写に驚かされます


脇侍の虚空蔵菩薩・如意輪観音も重文です

大仏さまの脇侍(わきじ。またはきょうじ)として「虚空蔵菩薩坐像」と「如意輪観音坐像」(ともに重文)が両隣におわします。

どちらも江戸時代の作で、大仏さまとは違って木造です。ご本尊が大きすぎるためあまり感じませんが、いずれも大仏さまの半分くらい、7mを超える巨像です!この方たちが単独でどこかのお堂にいらっしゃったとしたら、とんでもない迫力でしょうね。そんなことを想像しながらお詣りしてみてください。


東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-21

大仏さまに向かって左側に位置し、左手を上げているのが「虚空蔵菩薩坐像」(重文)。像高710.0cmという大きさで、江戸時代の1752年に完成しました

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-22
虚空蔵菩薩坐像のアップ。ふくよかなお顔です。虚空蔵菩薩は無限の知恵を持つとされ、記憶力がアップする功徳があるとか。しっかりとお詣りしておきましょう

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-23
虚空蔵菩薩坐像を真横から仰ぎ見たところ。台座や裳裾の彫刻も見事ですし、大きな空間にいらっしゃるお姿も美しいですね

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-24
大仏さまに向かって右側に位置し、右手を上げているのが「如意輪観音坐像」(重文)です。像高722.5cmと、虚空蔵さまよりもわずかに大きいとか。造像時期もやや早く、1738年頃に完成したそうです

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-25
如意輪観音坐像のお顔は、虚空蔵さまとそっくりで、ほぼ左右対称形です。如意輪観音さまは、六臂(腕が6本)の姿で表されることが多いので、このお姿だけを見ると別の仏さまと思ってしまいそうですね


変則的な二天形式の広目天像・多聞天像も

東大寺大仏殿には、北西に「広目天立像」、そして北東に「多聞天立像」がおり、大仏さまを守護しています。

どちらも四天王の一員であり、「東・持国天、南・増長天、西・広目天、北・多聞天」という方角を護りますが、残りの2躯は頭部しか残っていません。四天王のうちの2躯のみが登場する「二天」という表現もありますが、ここに広目天が入ることは少なく、ちょっと珍しい形になっています。

この両像については、調べてみてもなかなか詳しい資料が見つかりませんが、「増長天」と「持国天」は頭部のみが大仏殿に展示されています(多聞天立像の脇)。ここには「寛政十一年(1799年)広目天の御衣木加持(みそぎかじ)が行なわれ、多聞天像とともに完成したが、持国・増長の二天は素木の頭部のみが残った」とあることから、この時期の造立でしょう。

江戸時代に大仏殿が再建されたのは1708年のこと。戦禍で焼失してしまう前は、運慶らの慶派仏師たちによる四天王像が鎮座していましたが、90年以上も四天王像は不在のままで、さらには二天の体部は造られなかったようです(理由は不明です)。

いずれも像高約5mという大きく迫力のある像ですし、すぐ近くからカメラで撮影もできます。邪鬼やお腹部分の獅噛(しがみ)の部分など、じっくり見てみたら面白いですね。


東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-26

大仏殿の北西にいらっしゃる「広目天立像」。大仏殿をお護りしているだけあって、かなり大きな像です。この辺りは人が少ないので、じっくりと拝見できるのがいいですね

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-27
制作年代は分かりませんが、パーツが欠損しているような部分もほぼ見当たらず、鎧の装飾がよく見られます

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-28
お腹のベルト部分から垂れる「獅噛(しがみ)」がかっこいいですね!

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-30
どこか満足気な表情の邪鬼。邪鬼も大きいので、迫力があります

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-31
大仏殿の「多聞天立像」。すぐ近くに「大仏殿の柱くぐり」ができる、穴が開けられた柱がありますので、いつも混雑していてなかなか近づけません


8本足の蝶など、見どころいっぱいです!

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-33
大仏さまに向かって右手、大きな蓮を入れた花瓶を模したものがあります。ここには不思議な造形の蝶がとまっていますが……

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-32
よーく見てみると、足が8本あります!不思議!

東大寺大仏殿<仏像編>@奈良市-35
奈良の大仏さまの左手の実物大の模型。これは以前に近鉄奈良駅のビル内にあった『なら奈良館』(紹介記事)にあったものでしょう。その当時は掌の上で記念写真を撮れたりしましたが、大仏殿では触ることは出来ません



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■東大寺

HP: http://www.todaiji.or.jp/
住所: 奈良県奈良市雑司町406-1
電話: 0742-22-5511
宗派: 華厳宗大本山
本尊: 盧舎那仏(国宝)
創建: 8世紀前半
開基: 聖武天皇
拝観料: 大仏殿-500円、法華堂-500円、戒壇院-500円など
拝観時間: 8:00 - 17:00(季節・施設による)
駐車場: 近隣に有料駐車場あり(一日1,000円程度)
アクセス: JR奈良駅・近鉄奈良駅より、市内循環バス「春日大社大仏殿前」下車、徒歩5分

※実際にお詣りしたの「2014年3月28日」でした


■参考にさせていただきました

東大寺 - Wikipedia
東大寺盧舎那仏像 - Wikipedia

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