雪に覆われた2つの国宝三重塔。大雪の『當麻寺』@葛城市
日本全国で記録的な大雪となったこの日、自宅から近い葛城市の『當麻寺』で雪景色を撮影してきました。二上山の麓もすっぽりと雪に覆われ、まるで水墨画のような世界に。塔頭・西南院の庭園から東塔・西塔、2つの三重塔を拝見してきましたが、この世のものとは思えないような幽玄さでした。
二上山の古刹・當麻寺も雪に覆われました
全国的に大寒波に襲われたこの日、奈良県内でも過去4番目という大雪が降りました(参考記事)。朝起きてみたら家の周りも一面が真っ白で、私が奈良へ移ってきて10年近く経ちますが、これまでに見たこともない積雪量なのは間違いありません。
こんな日は大和の雪景色を観るチャンスでしょう。
ちなみに、私は生まれが新潟県ですし、冬の間はスノータイヤを履いていますので、数十センチくらいの雪では特に困りません。しかし、もらい事故が怖いですから遠出もできず、自宅から近い葛城市の『當麻寺(たいまでら)』へ撮影に行ってきました。
奈良県中部も、一冬に何度か雪は降りますが、雪の當麻寺へ訪れるのは6年ぶりだったようです。この時もかなりの積雪でしたが、今回はそれを遥かに上回る大雪でしたね。
平日午前中の當麻寺というと、普段は地元の方がお散歩しているくらいで静かなものですが、この日は雪景色を狙いにきたカメラ愛好家の方たちが何名もいらっしゃって、かえっていつもよりも賑やかなくらいでした(笑)
大雪の『當麻寺』境内。ご本尊である當麻曼荼羅が祀られた「本堂」(国宝)と、向こうに見える三重塔が「西塔」(国宝)。それを見守る中将姫像も雪をかぶっています
中将姫さまを横から。肩のところの雪がすごい!
本堂前の灯籠にもこれだけの雪が。積雪は30cmには達していないと思いますが、この辺りではまずお目にかかれない大雪でした
弥勒菩薩坐像と四天王像が安置される「金堂」。こんな雪を何度も経験してきたのでしょうね
屋根に積もった雪
本堂前の手水。龍の頭も柄杓も雪が覆っています
西南院から2つの三重塔(国宝)が見渡せます
この日は、先回の大雪の時と同じく、東塔・西塔の2つの三重塔が見渡せる塔頭『西南院(さいなんいん)』へお詣りしました。
西南院の庭園は、江戸初期に造られたものを後に改装した池泉廻遊式庭園で、美しい音が響く「水琴窟」などが設けられています。しかし、これだけの雪になると、どこに何があるのかも分かりづらいほどでした。
お庭の脇には小高い「みはらし台」があり、そこから東西の双塔が見渡せるのが最大のポイントです。雪に包まれた2つの古塔は、まるで水墨画のような凛とした美しさを感じました。紅葉の時期などにもとても美しいお庭ですが、雪景色も素晴らしいです!
當麻寺の塔頭「西南院(さいなんいん)」へ。足元はしっかりと除雪してありました
可憐な蝋梅(ろうばい)の花も、雪に埋もれてしまっています
西南院の庭園のみはらし台から眺める、雪の當麻寺双塔。雪の日にしか見られない、まるで水墨画のようなモノクロームの世界です
手前が平安時代の「西塔」、奥が白鳳時代の「東塔」。いずれも国宝です。2つの塔が現存しているのは、日本全国探してもここ當麻寺のみ。本当に貴重な建築物なのです
ちなみに、これは秋の紅葉シーズンに同じ場所から撮影したもの(2007年)。雪景色の時とはまったく印象が違いますね
當麻寺西南院のお庭は、池の周囲をぐるりと廻れる「池泉廻遊式庭園」です。正面の風情ある建物「書院」も、すっぽりと雪の中です
かろうじて見つかったカラフルな色彩。白黒の世界に鮮やかな赤と緑が映えます
■當麻寺(当麻寺)
住所: 奈良県葛城市當麻1263
中之坊: http://www.taimadera.org/
奥院: http://www.taimadera.or.jp/
西南院: http://taimadera-sainain.or.jp/
拝観時間: 9:00 - 17:00
拝観料: 伽藍三堂(本堂・金堂・講堂)500円、中之坊 500円、奥院 300円、西南院 300円、護念院 300円
駐車場: 有料駐車場あり
アクセス: 近鉄南大阪線「当麻寺駅」下車、徒歩15分ほど
※実際にお詣りしたのは「2014年2月14日」でした
■参考にさせていただきました
當麻寺 - Wikipedia
JR東海|うまし うるわし 奈良|キャンペーン|當麻寺篇
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