2008-02-11

天理教の巨大な「神殿」へ行ってみました

天理教教会本部(神殿)

日本で唯一といえる宗教都市・天理市の中心にあるのが『天理教教会本部(神殿)』です。

「新宗教の本部」と聞くと、何となく敬遠したくなる方も多いと思いますが、私も同様でした。今回、ちょっと勇気を出して行ってみたのですが、これが想像以上の規模でした!本当に大きな神殿で、体感的にはこれまで行ったどの神社よりも巨大に感じられたほどでした。



■宗教都市「天理市」建築物ツアー
宗教都市「天理市」の建築物見学天理教の巨大な「神殿」へ行ってみました


天理教の神殿はとにかく巨大!

事前に何も調べずにお邪魔したため、どこから入ればいいのかすら分からない状態でした。適当に東側の駐車場に車を停めさせてもらったのですが、そこからが遠いの何の!しかも、それが全て教会の敷地内ですから、その広大さに驚かされました。

最初に目に付いた神殿も、相当に巨大です。後から知ったことなんですが、私たちが最初に見たのが「東礼拝場」でした。これ単独でも相当なサイズですが、同様のものが東西南北の4つあり(東西は大きく、南は中くらい、北は小さい)、それぞれが2階建ての回廊で結ばれています。そしてその中央には「かんろだい(いわゆるご本尊のようなもの)を取り囲むようにして建てられているのだそうです。

実際に周りを1周してみると、本当に広いんですよね。巨大な敷地をグルリと回廊が取り囲む様子は、どことなく大陸的な(中国的な)雰囲気すら感じました。木造建築ですので、この例えが正しいかどうかは分かりませんが、そのくらいのスケール感がありましたね。

私はそれなりに日本各地の有名神社にも行っていますが、このように神殿の周囲をグルリと1周できるところはそれほど多いワケではありません。周りを歩いた感じでは、これまでのどの神社よりも大きいと感じました(京都の伏見稲荷大社の山歩きは別格)。

ちなみに、その建築の際の様子などが、建築を請け負ったと思われる企業さんのページにアップされていました。

 天理教立教147年に竣工された東西礼拝場は、総檜づくりの荘厳な建造物です。昭和52年、神殿の東西礼拝堂普請がうちだされました。神殿には既に50~70年以前に建てられた壮麗な南北礼拝堂があり、東西の礼拝堂を建てることにより、四方からの礼拝がおこなえます。

 翌53年には木曽檜の御用材300本(大型トラック24台分、589m3)が運び込まれ、西礼拝場の基礎工事が開始されました。昭和56年には西礼拝場が完成し、東礼拝場の掘削工事が開始、昭和59年に神殿を囲む礼拝場四つが揃い、様々な式典が行われました。

株式会社 勝野木材HP「天理教教会本部」より


また、天理教関係の施設の概要などは「天理ミニガイド」ページからご覧ください。


天理教教会本部-01

巨大な天理教の本部ですが、正面がよく分からなかったため、東側から入りました。とにかく広い!そして大きい!

天理教教会本部-02
「これが正面だ!大きいな~」と話していたのですが・・・、後で気付いたのですがこれは「東礼拝場」でした・・・。これだけでも十分に巨大です!

天理教教会本部-03
提灯に描かれているのが天理教の紋。総檜作りの回廊の雰囲気と相まって、とてもいい雰囲気ですね

天理教教会本部-04
神殿と回廊で結ばれている「教祖殿」。現世では亡くなった教祖様が住まいとしているところなのだそうです

天理教教会本部-05
礼拝場をグルリと取り囲んでいる回廊。あまりの巨大さに、ここまで引きで撮影しても収まりきれません。周囲を1周するだけで、ちょっとした散歩になりましたね(笑)

天理教教会本部-06
これが正面となる「南礼拝場」。 巨大な東西南北の礼拝場が、中心にある「かんろだい」を取り囲み、四方からお祈りできるようになっているそうです(神殿内部は撮影不可)(※画像は恐らく東西のどちらかの礼拝場とのこと。コメント欄の「たつやさん」からご指摘いただきました。失礼しました!)


宗教が生活に根ざした独特の雰囲気

ようやく正面の「南門」へたどり着いてみると、ここからの眺めも独特です。天理教とは、神道に近い存在ではあるとされていますが、純粋な神道ではありません。このため、神社では鳥居が立つ位置にある「南門」も、明らかに鳥居とは違う形なのです。

ここから神殿側を眺めると、その壮大さに圧倒されますね。神殿の内部からは祈りの声が聞こえ、非常に厳かな雰囲気もあります。その一方で、門と神殿の間には、お好み焼きの屋台や履物屋さんなどが営業してるんですから不思議な感じです。天理高校の生徒さんたちは通学路のショートカットにズンズンと歩いていきますし、法被を着た信者さんたちも引っ切り無しに参拝に訪れます。

しかし、良く見てみると、誰もが神殿の敷地を出入りする時には小さく一礼しているのが分かります。信者さんですから当然といえば当然なんですが、今の無宗教化した世の中ではなかなか見られない光景でしょうね。若い信者さんの数も多く、「こんな世界があったのか!」と改めて驚きました。

新宗教の本部などなかなか入る機会もありませんし、どことなく怖さを感じてしまう方も多いと思います。しかし、天理教の神殿の壮大さは、見ておくだけの価値があると思います。

また、初めて天理教の本部へ行った方は、ぜひ南門からさらに南側の「天理参考館」方面を眺めてみてください。見慣れている方にはどうってことのない光景かもしれませんが、その規則正しい連続性を見ていると、どことなく悪夢っぽいイメージすら湧いてきます。ぜひご覧ください!

天理教教会本部-07
神殿の南側、高さ11mの「南門」。一見、鳥居っぽく見えますが、天理教は神道とは少し違った教義を持つため鳥居ではありません。独特ですね

天理教教会本部-08
南礼拝場。この写真ではガランとしているように見えますが、老若男女、多くの方が熱心にお祈りをしていました

天理教教会本部-09
西礼拝場と南礼拝場の間の回廊。2階建ての回廊が各礼拝場を繋いでいます。内部は信者さんが常に磨いているためピカピカなのだとか

天理教教会本部-10
南門から南側を見た図。正面にあるのが、博物館「天理参考館」、事務を行う「教庁」などが入る建物です。コの字型の建物と両脇に伸びる陸橋が、とても不思議な雰囲気ですね


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



大きな地図で見る


■天理教教会本部(神殿)

HP: http://www.tenrikyo.or.jp/ja/top.html
住所: 奈良県天理市三島町271
電話: 0743-63-1511
宗派: 天理教本部
創建: 1984年
開門時間: ??
拝観料: 無料
駐車場: 無料
アクセス: JR・近鉄「天理駅」から徒歩10分ほど

※天理教は「黒住教」「金光教」と、日本三大新宗教の一つに数えられています

※なお、私は決して天理教に入信しているワケではありません。また、宗教に否定的な意見を持つ者でもありません。日常生活の中に信仰が深く根ざしている生活には憧れすらありますが、ある特定の宗教に深く帰依してしまうと、趣味の神社仏閣巡りもやりにくくなってしまいますので、今のまま「緩めの仏教徒」というポジションをキープしていきたいと思っています。


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