砂をかけ合い五穀豊穣を祈願『砂かけ祭り』@廣瀬神社(河合町)
河合町の古社『廣瀬神社』で、毎年2月11日(祝)に催される奇祭「砂かけ祭り」。田人・牛といった役の方たちと、砂を雨に見立てて盛大にかけ合って五穀豊穣を祈願するという、とても変わったお祭りです。全身砂まみれになりますが、これが楽しいんです!今年も堪能してきました!
毎年「2月11日(祝)」に開催されます
河合町川合の『廣瀬神社(ひろせじんじゃ)』(Wikipedia)。
佐保川・飛鳥川・曽我川などの河川が合流する重要な地に祀られた古社で、水の神・五穀豊穣の神を祀ります。風の神を祀る三郷町の『龍田大社』とともに、篤く信仰されてきました。
そんな歴史ある古社が、一年でもっとも盛り上がるのが、J毎年「2月11日」(祝)に催される奇祭「砂かけ祭り」の日です。五穀豊穣を願う「御田植祭」の一種で、境内に敷き詰められた砂を雨に見立て、盛大にかけ合うというもの。雨の少なかった大和盆地では、たくさんの雨が降ることが祈願されていたのです。
私は2014年に初めて参加したのですが、大人も子供も入り混じって砂を掛けあうのが楽しすぎて、最初から最後まで大笑いしていました。全身が砂まみれになりますが、とてもおおらかで陽気なお祭りなのです!
河合町の河川の合流地点に鎮座する『廣瀬神社(ひろせじんじゃ)』(または廣瀬大社)。崇神天皇9年(紀元前89年)の創建と伝わる古社ですが、2月11日「砂かけ祭り」の日は熱く盛り上がります!この日は無料バスが運行されますし、隣接する「株式会社ヒラノテクシード」さんが駐車場を無料開放してくれるため、車でも便利です
砂をかけ合う「庭上の儀」は14時から。この砂かけ祭りをモチーフに誕生した河合町「すな丸」を中心に、広陵町「かぐやちゃん」、王寺町「雪丸」らがそろって記念撮影に応じていました
参道にはたくさんの屋台も出ていて、軽食やスナックなどが食べられます。オススメは「古代米ごはん」と「豚汁」。いずれもかなりのボリュームがあってそれぞれ「150円」です!汗ばむような陽気の一日でしたが、温かな豚汁が染みました
ポンチョやゴーグルで砂への備えを
「砂かけ祭り」の詳しい内容は、以前の記事で書いていますので、簡単に内容のおさらいを。
[1]拝殿前の広場に4本の青竹を立て、注連縄を張って、そこを田んぼに見立てます。
[2]主役の「田人」と「牛」が登場。手にした農具、鋤(すき)・鍬(くわ)・犂(からすき)・馬杷(まぐわ)などを使用し、苗代作り・田作り・田植えの所作を行います
[3]太鼓の合図で、田人と牛、そして参拝者が砂をかけ合います
[4]次の太鼓の合図で終了。1回5分ほどで、田人たちは一旦退場します
[5]これを、鋤・鍬が2回ずつ、犂・馬杷が3回ずつ、計10回繰り返します(以前は計12回行っていましたが、負担が大きすぎるため減らしたのだとか)。15時半ごろ終了。
基本的に、「田人」と「牛」役(地元の消防団員の皆さん)が大暴れしながら砂を撒き散らし、参拝者は彼らに砂をかけ返します。参拝者同士が砂をかけ合うものではありませんが、四方八方から砂が飛んできますし、境内の端にいても田人に狙われたりします。安全な場所はありません。砂をかぶる覚悟で参加してください。
●田んぼに見立てて四角く区切ったエリアで始まりますが、その中にとどまっているは最初だけ。田人や牛は境内の中を自由に歩き回り、盛大に砂を撒き散らしていきます。
●前半はかなり混雑しますが、あまりにも激しく砂が飛び散るため、早々に退散する方がたくさんいます。計10ラウンドほど繰り返しますが、3ラウンド目くらいからかなり人は少なくなります。また、登場する田人や牛の人数も増えたりしますので、参加して楽しみたい方は混雑していても慌てずに待ちましょう。
●砂を掛け合いたい方は、100円ショップのポンチョや雨合羽、さらに水泳用ゴーグルなどがあればベターです。砂をかぶるだけですから、開き直ってノーガードで挑むのもありでしょう。私は普段着で砂まみれになるのを覚悟して参加しました。
●写真撮影が目的の方も多数いらっしゃいますが、砂対策は万全に。境内の端から狙おうと思っても、砂は撒き散らされます。隠れる場所はありません。私はスマホ(iPhone)で撮影しました。ケーブルとイヤホンの穴を塞いでおけば砂はほぼ入りませんので、比較的安全です。(※自己責任でお願いします)
大量に砂が飛び交う年は豊作に!
14時になると、拝殿前のスペースで「庭上の儀」が始まります。白い衣装の「田人」、黒い衣装の「牛」役の方たちが登場して、田んぼに見立てて四角く区切られた中を、田を耕すように一周します。最初は牛が登場しないので人数が少ないなど、回によって少し違いがあります
神殿に向かって一礼し、準備が整ったらスタート!盛大に砂のかけ合いが始まります!ちなみに、この砂はお祭りの直前に敷き詰められたものなので、普段から砂場のようになっているわけではありません
田人たちは、手に持った鋤や鍬などを使って、盛大に高く砂を巻き上げたり、参拝者に向かってかけたり。参拝者も砂をぶつけていいことになっていますので、直撃するとこんな画像になります
盛大に砂が飛び散ります
田人に向けてスマホを構えていたら……
砂が直撃!この日はやや砂が水分を含んで重めだったので、それなりに衝撃がありました。とはいえ、砂をかけられながらみんなゲラゲラと笑ってますが(笑)
砂が飛び散るため、境内に安全な場所はありません。即席のステージが組んであり、カメラマンにも開放されていましたが、そこを狙って砂をまいたりしていました
隅でおとなしくしていても田人や牛はやってきます。彼らが砂を撒かなくても、彼らをめがけて砂が飛んできますから、その周辺が砂まみれになります
ちなみに、この日は「なら万葉プロレス」(Twitter・Facebook)の河合町出身のレスラー、ジンジャー・廣瀬さん(白いマスク)たちもPRにいらっしゃってました。3月6日(日)13時から、橿原神宮前駅近くの「GrandSquare」で興行があるそうです。観戦無料!(チラシはこちら)
身体が大きなマスクマンのため、どこにいても目立ちます。地元の子供たちからの大量の砂を浴びてました(笑)
砂をかけ合うバトルを連続写真で
牛さんと地元のお子さんたちの、砂が飛び散る激しいバトルを連続画像で!
田人も負けずに砂を飛ばします。盛大に砂が舞えば舞うほど、その年は豊作になるとされていますから、派手にどんどん砂をかけ合うのが正しいのです!
縁起物の「松苗」を手に入れましょう!
太鼓が連続して鳴らされると、砂をかけ合う儀式は終了です。砂はきれいに掃き清められます
巫女さんたちが稲に見立てた松葉「松苗」を並べていきます。この松葉を手に入れるとその年は無病息災で過ごせるとされるため、スタートの合図とともにみながなだれ込み、壮絶な奪い合いになります
さらに、中央に櫓が持ちだされ、まずは「松苗」の束が、次に縁起物の薄切りのお餅「田餅」がまかれます
松苗の束、しっかりゲットできました!
砂かけ祭りが終わった直後の拝殿の階段。神社の建物でさえこのくらい砂まみれなのですから、他はもっとすごいことになってます(笑)
■廣瀬大社(廣瀬神社)
HP: http://www.hirosetaisya.com/
住所: 奈良県北葛城郡河合町川合99
電話: 0745-56-2065
主祭神: 若宇加能売命(わかうかのめのみこと)
創建: 伝・崇神天皇9年(紀元前89年)
拝観料: 境内無料
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR関西本線「法隆寺駅」から徒歩約30分(最寄りのバス停は「城古」「城古東」)
■廣瀬神社の砂かけ祭り(御田植祭)
開催日: 毎年2月11日(祝)
※2月11日の砂かけ祭り当日は、隣接する「株式会社ヒラノテクシード」さんが駐車場を無料開放してくださっています。台数に余裕はありますが、それでも満車になるようですから、お気をつけください。
※砂かけ祭り当日は、巡回バスも運行されます。「河合町ホームページ」などを参照してください
■関連する記事