2015-11-17

名所江戸百景がずらり『浮世絵版画 美の大世界』@奈良県立美術館

名所江戸百景がずらり『浮世絵版画 美の大世界』@奈良県立美術館

奈良県立美術館の企画展『ー錦絵誕生250年ー浮世絵版画 美の大世界』を拝見してきました(2015年10月10日(土)~12月6日(日))。東洲斎写楽・葛飾北斎・歌川豊国の作品など205点が展示され、歌川広重の連作「名所江戸百景」は前期と後期に分けて全118点が並ぶという豪華さ!ほとんどが自前の館蔵品ですからすごいコレクションです。見応え十分でした!


全体の半分くらいは写真撮影も可能です

奈良市登大路町の「奈良県立美術館」(Facebook)では、この秋、『ー錦絵誕生250年ー浮世絵版画 美の大世界』という企画展を開催しています(2015年10月10日(土)~12月6日(日))。

タイトルにもあるように、多色刷りの浮世絵版画「錦絵(にしきえ)」が誕生してから今年が250年にあたるため、それを記念した企画です。鮮やかな浮世絵の世界が存分に味わえる素晴らしい内容でした。

有名な東洲斎写楽や葛飾北斎の作品など205点が展示され、歌川広重の連作「名所江戸百景」(Wikipedia)は、前期と後期に分けて、全118点を並べるという豪華なもの!もうすでに後期に入っていたため、全作品を見るチャンスは逃してしまいましたが、シリーズの60点近くがずらりとそろっていて圧巻でした!


浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-01

奈良市登大路町の『奈良県立美術館』。秋の観光シーズンには、県を挙げての「奈良県大芸術祭」が開催され、その一環として気合が入った企画展『ー錦絵誕生250年ー浮世絵版画 美の大世界』を開催中です(12月6日まで)

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-02
奈良県の美術館で江戸時代の浮世絵を見るというと、ちょっと不思議な感じもしますが、意外にも充実したコレクションを誇ります。今回の企画展も、ほとんどが奈良県立美術館が自前で所蔵する館蔵品。名所江戸百景も、3点のみ「和泉市久保惣記念美術館」から借り受けていますが、それ以外はすべて館蔵品です。数々の浮世絵コレクターの所蔵品の寄贈を受けたり、収集に努めたりしたからこその充実ぶりで(Wikipedia)、奈良県民が誇ってもいいレベルでしょう

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-03
館蔵品が多いこともあり、今回の企画展では一部で写真撮影が許可されています(フラッシュは厳禁)。第6展示室までありますが、第3~5展示室を除いて撮影できます。写真が残っていると、どんな作品を見たのか思い出しやすくて助かります


北斎や写楽など有名絵師の作品が多数

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-04
展示作品をいくつかご紹介していきます。最初の「序」の部屋では、いきなり葛飾北斎の作品が登場します。「富嶽三十六景」の中の「江都駿河町三井見世略図」。両側に三井越後屋呉服店(三越の全身)が見え、その屋根を修理中。凧が上がり、中央に富士山という、なんとも贅沢な作品です

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-05
同じく葛飾北斎「富嶽三十六景」から「相州七里ヶ浜」。全体を濃淡の藍色で表現した「藍摺り」という技法が用いられています

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-06
2代歌川豊国の「名勝八景 大山夜雨 従前不動頂上之図」。激しい雨の表現がモダンデザインを感じさせます。かっこいい!

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-07
美人画や役者絵なども見られます。中央の作品は、歌川豊国の「中村大吉の文蔵女房おしづ」。その他にも、役者が亡くなった時に描かれる「死絵(しにえ)」など、ユニークな作品が見られました

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-08
菊川英山という方の「風流美人近江八景 矢橋の帰帆」という作品。美人画を得意とした江戸の絵師だとか。柄on柄on柄。それが美しい!

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-09
3代歌川豊国の「七五三祝いの図」。この作品も着物の文様が本当に美しくて、まじまじと見入ってしまいました。法被姿の男性や最後尾の丁稚さんなどの柄もきれいです

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-10
こちらは大坂の浮世絵師、春好斎北英(しゅんこうさいほくえい)という方の「中村松江の汐汲小ふじ」という作品。着物の柄なども美しく、よく版画でこんな細かく描けるなと感心していたら……

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-11
裾の白い布の部分は、凹凸の文様が入っているんです!画集ではこうした点になかなか気づきませんから、本物ならではの気付きがありますね!

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-12
手前が歌川芳虎の「東都名所八景之内 吉原日本堤夜雨」。奥が歌川広重の「六十余州名所図会 信濃更科田毎月鏡台山」。こうした風景画や北斎の化け物屋敷の絵、喜多川歌麿の絵本、歌川豊国の芝居小屋を描いた作品など、バラエティ豊か。いろんなタイプの錦絵が楽しめます


後半は歌川広重「名所江戸百景」が一挙に!

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-13
歌川広重の「名所江戸百景(めいしょえどひゃっけい)」は、さすがに写真撮影が不可のため、手元にある東京芸術大学大学美術館で2007年に開催された「歌川広重《名所江戸百景》のすべて」の図録から簡単にご紹介します

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-14
「名所江戸百景」(Wikipedia)は、1856年~58年にかけて制作された名所絵シリーズです。広重が死の直前まで制作を続け、二代広重の作品なども加えた全118枚あります。向かって右から「両ごく回向院元柳橋」と「水道橋駿河台」。大胆な構図が特徴で、ゴッホなど海外の作家へも多大な影響を与えました

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-15
展覧会のポスターにも登場していた「深川洲崎十万坪」と「佃しま住吉の祭」。真ん中にどーんとのぼりを描くなんて、あまり褒められない構図ですがかっこいいんですよね。お祭りのシーンなども多く描かれていますが、現代では意味が分かりづらいものも少なくありません。会場にいらっしゃるガイドさんから無料で解説していただけますので、ぜひ説明を聞きながら周ってみるといいでしょう。私たちもお願いしましたが、よく理解できました

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-16
「王子不動之瀧」と、有名な「大はしあたけの夕立」。実際に間近で拝見すると、雨の描き方の巧みさなどがよく理解できます。版の木目が見える作品などもあって面白いんですよね

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-17
「神田紺屋町」と「四ツ谷内藤新宿」。馬の尻と馬糞が手前に大きく描かれる作品なんて、常識では考えられませんよね(笑)。後期展示だけでも全作品の半分が並んでいますから、見応えは十分でした!前期には行けなかったのが悔やまれます……


「木版摺り体験」も楽しかったです

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-18
展示のラストに「木版摺り体験」というワークショップコーナーがあり、体験させていただきました。所要時間10分ほどとのことでしたが、閉館時間に近かったので他に人もおらず、ささっと5分ほどで楽しめます

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-19
使う版木は2枚。まずは、赤い絵の具と糊を点々とおいていき、刷毛で全体にならします。そして所定の位置に紙をセッティングして曲がらないように重ねます。最初はなかなか緊張します

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-20
2枚目の版木に紙を重ねているところ。今回は二色刷りのシンプルなものなので、多少ずれても影響はありませんが、細密に書き込まれた作品の多色刷り錦絵ともなると、とんでもなく難しいんでしょうね

浮世絵版画 美の大世界@奈良県立美術館-21
夫婦それぞれの作品がこちら。意外と上手くできてます!ちなみに、この隈取の柄は、職員さんが適当に作ったものではなく、1932年に6代目尾上梅幸が描いた「押隈(おしぐま)」という作品が元になっているとか。さすがちゃんとしてます!



■ー錦絵誕生250年ー浮世絵版画 美の大世界

HP: http://www.pref.nara.jp/40606.htm
Facebook: https://www.facebook.com/narakenmuseum/

会場: 奈良県立美術館(奈良県奈良市登大路町10-6)
会期 2015年10月10日(土)~12月6日(日)
開館時間: 9:00 - 17:00
観覧料: 一般400円、大学・高校生250円、中学・小学生150円










  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ