2008-03-10

建物も仏像も楽しい!見どころ満載『興福寺』

興福寺

奈良を代表する大寺院『興福寺』に行ってきました。

興福寺の境内は拝観料も掛かりませんので、これまでにも何度も訪れていますし、国宝が満載の「国宝館」も大好きな場所ですので、何度も何度も足を運んでいます。今回は時間の関係で国宝館を除き、「東金堂」を中心に見て周ったのですが、、、、やっぱり興福寺は見どころ満載で楽しいお寺でした!


まずは興福寺の歴史から

まず簡単に興福寺の歴史をおさらいしておきますが、その起源は飛鳥に始まるそうで、少し意外な感じがしますね。

法相宗の大本山として知られる興福寺。その前身は飛鳥の「厩坂寺」であり、さらにさかのぼると天智朝の山背国「山階寺」が起源となります。

その山階寺は、天智8年(669)に藤原鎌足が重い病気を患った際に、夫人である鏡大王が夫の回復を祈願して、釈迦三尊、四天王などの諸仏を安置するために造営したものと伝えられており、この名称は後世においても興福寺の別称として使われています。

その後、壬申の乱(672)ののち、飛鳥に都が戻った際に、山階寺も移建され、その地名を取って厩坂寺とされました。さらに、平城遷都の際、和銅3年(710)藤原不比等の計画によって移されるとともに、「興福寺」と名付けられたのです。

このため、2010年の「平城遷都1300年祭」は興福寺にとっても記念すべき年に当たり、現在「中金堂」の再建工事などが進められています。

また、この後の興福寺は藤原家との強い関係を背景として強大な権力を持つようになり、奈良全域を配下に収めるほどの勢力を誇りました。このため後の兵乱などで幾度と無く戦火に巻き込まれています。明治時代の廃仏毀釈によって、興福寺の僧侶は全て春日大社の神官にさせられるなど、衰退していた時期もありましたが、大事な文化財の数々は無事なまま、日本を代表する寺院として見事に復活を遂げています。

それにしても、こんなことを調べるたびに思うことですが、1181年の「南都焼討(平清盛が平重衡らに命じて東大寺・興福寺などに火を放った事件)」は愚策ですよね。タイムマシンがあったら真っ先に誰かに書き換えて欲しい歴史の一つです。

まぁその当時は興福寺などは「わが世の春」とばかりに、思いっきりブイブイ言わせてた時代でしょうから、ある程度は必然性があったことかもしれませんが。。。。(このネタには特にオチはありません(笑))

興福寺-中金堂再建予定地-01
興福寺の境内整備計画を記した看板。中金堂の再建だけではなく、「北円堂」の回廊や、南大門の再建など、様々な計画があることが分かります

興福寺-中金堂再建予定地-02
奥に見えるのが「仮金堂」。2010年に着工予定の「中金堂」の再建までの仮住まいだそうです。手前の石段は回廊になる予定。平城遷都1300年祭に向けて頑張ってます


仏像界のスターが勢揃いの「国宝館」

興福寺といえば、まず真っ先に「国宝館」でしょう。旧・食堂の跡地に建てられた鉄筋コンクリートの建物なんですが、ここの中はまさに国宝の宝庫!

・有名な「阿修羅像」を中心とした「八部衆立像(国宝)」
・ちょっと地味なお坊さんたち「十大弟子立像(国宝)」
・ユーモラスな表情の「木造天燈鬼・龍燈鬼立像(国宝)」
・旧山田寺の仏頭だけの仏様「銅造仏頭(国宝)」
・中央に鎮座する5.2mの巨像「千手観音立像(国宝)」

いちいち(国宝)なんて書いているのが馬鹿馬鹿しく思えるほどの国宝ラッシュですからね。今回は時間が無くて入館しませんでしたが、奈良観光へ来たらここはまずは外せません。大人の入館料が「@500円」ですが、国宝一体あたりで換算したら@20円くらいになるんじゃないかと思うほどの豪華さです。

ぜひ巨大な千手観音さまの迫力に圧倒されてください!

興福寺-国宝館-01
奈良を代表する大寺院『興福寺』の宝物が、驚くほど大量に収められている「国宝館」。1959年、旧・食堂の跡地に、その姿を模して鉄筋コンクリートで造られました。その名の通り館内は国宝が満載!

興福寺-国宝館-02
国宝館前の掲示板。「阿修羅像」を中心に、仏像界のスターたちがズラリと揃っています。何度入っても圧倒されますね

興福寺-国宝館-03
これは五重塔の前にあったJR東海の観光ポスター。やっぱり主役は阿修羅像で、何度見てもいい表情をしてますね


かなり濃密な仏像空間「東金堂」

さすがに「国宝館」ほどの華々しさはありませんが、隣接する「東金堂」もかなりの濃度です。ここのご本尊の薬師三尊像は重要文化財なんですが、文殊菩薩坐像・維摩居士坐像・十二神将立像・四天王立像などなど、国宝がズラッと立ち並んでいます。ここだけで18体の国宝仏像がある計算ですね!

東金堂にに安置されている仏像は、制作年代は白鳳時代~鎌倉時代まで様々なんですが、どれも素晴しいものばかり。ちょっと小ぶりの十二神将立像や、一木造の迫力ある四天王立像など、他のお寺に収められたものと比較しても、かなりの人気上位に入ってくるような仏様だと思います。

また、東金堂の建物自体も、室町時代に再建された国宝ですが、ぜひここの軒下の組木の部分に注目してみてください。「三手先斗きょう(さんてさきときょう」という複雑な組み方をしてあって、お隣の「五重塔」ともどもとてもカッコイイですから!必見です!

興福寺-東金堂-01
興福寺の「東金堂(国宝)」と、隣接している「五重塔(国宝)」。東金堂は726年の造営の後、何度も焼失を繰り返し、今のものは1415年の再建です

興福寺-東金堂-02
東金堂は「三手先斗きょう」という組木(木を組んで屋根を前に張り出させる仕組み)で造られています。軒の裏側も2段構えになっていて、とてもクール!

興福寺-東金堂-03
東金堂を正面から見上げた図

興福寺-東金堂-04
東金堂にかかっていた幕は鹿の絵柄でした。春日大社と繋がりが深いためか?


興福寺のシンボル「五重塔」

そして、興福寺のシンボルでもあり、古都奈良のシンボルともなっているのが「五重塔(国宝)」です。猿沢池ごしに五重塔を眺めた図などは、奈良を代表する風景だといえるでしょう。

興福寺は境内は無料で入れるため、五重塔も近寄って無料で眺められます。普段はその全景を収めようとしてやや引き気味に見てしまうのですが、ちゃんと間近に近づいてみると、それはそれで面白いんですよね。

まず、私はこの日まで全く気付かなかったのですが、この五重塔の須弥壇にはちゃんと仏様が安置されているんだそうです。しかも、4面それぞれに三尊像がいらっしゃるそうなんですよ!残念ながら拝見することはできませんが、そう思いながら見てみると、また少し変わった印象があると思います。

また、五重塔の建築部分をじっくりと見てみてもやはり面白いですね。水煙や軒下、軒の裏側などの造形を見ていると、あまりの複雑さと美しさに驚かされてしまうのです。興福寺へ言った際には、遠めで記念撮影するだけではなく、ぜひ近くに寄ってマジマジと見てみてください!

興福寺-五重塔-01
興福寺の、そして奈良のシンボルでもある「五重塔(国宝)」。730年、光明皇后の発願で創建されたもので、現存のものは1426年の再建。木造の塔としては京都・東寺に次ぐ日本2番目の高さなんだそうです

興福寺-五重塔-02
興福寺・五重塔の初層部分。遠めから眺めることが多いのですが、建物の細部をじっくり見てみてもかなりスゴイんです

興福寺-五重塔-03
興福寺・五重塔も、東金堂と同様に「三手先斗きょう」という組木になっています。まるで精密なパズルのよう。これが5層にわたって続いているのですから圧巻ですね

興福寺-五重塔-04
この角度からこの部分だけを切り取ってみると、シンメトリーの連続に眩暈がしてきそうになりますね(笑)


西国三十三箇所の札所「南円堂」

興福寺の南側にある朱色が鮮やかなお堂が「南円堂(重文)」です。ここは西国三十三箇所の札所ではありますが、普段は開扉していません。ご本尊の「不空羂索観音坐像(国宝)」や「四天王立像(国宝)」を拝むことができるのは、年たった一度「10月17日のみ」です。

このため、普段はそれほど立ち寄る機会も無いのですが、次は必ず秋の特別公開の日に合わせて来て、ご本尊(不空羂索観音の坐像!他で見たことがありません)に会いに来てみたいと思います。

興福寺-南円堂-01
「南円堂(重文)」は、813年に藤原冬嗣が創建したもので、現在のものは1789年の再建。ご本尊は3メートルを越す「不空羂索観音坐像(国宝)」で、10月17日の一日だけ開扉するそうです

興福寺-南円堂-02
興福寺・南円堂は、西国三十三箇所巡りの九番札所にもなっていて、この日も多数の参拝客が訪れていました。皆さん、熱心ですね

興福寺-南円堂-03
南円堂は朱塗りが鮮やかに残っていて、とてもきれいです。屋根の上の獅子は何故か逆立ちしてますね(笑)

興福寺-南円堂-04
一見地味な手水舎ですが、しっかりと南円堂の文字が彫られていますし、龍もなかなかの造形です


やや地味なポジションの「北円堂」

興福寺の北側にやや離れて立っている「北円堂(国宝)」は、普段は建物に近寄ることもできず、柵越しに眺めることしかできないため、いつもガランと静まった印象があります。

この北円堂は、現存する建物としては興福寺の中でも最も古いものなのだそうです。内部には無著・世親菩薩像などの国宝が安置されていますが、公開されるのは春と秋の年2回だけ。タイミングが合えば南円堂の開扉日の「10月17日」に来てみたいですね。今からカレンダーに印をつけておいた方がいいかもしれません(笑)

興福寺-北円堂-01
興福寺「北円堂(国宝)」。721年に長屋王の指揮によって創建され、現在の建物は1208年の再建。法隆寺・夢殿と同じく、平面が八角形の「八角円堂」となります

興福寺-北円堂-02
北円堂には、薬師如来像や無著・世親菩薩像などの国宝が安置されていますが、普段は公開されていません。春と秋の特別公開のタイミングを待つしかありません


結論は・・・、やっぱり興福寺はイイ!

全国的には「奈良を代表するお寺」と聞かれれば、圧倒的に「東大寺」となると思いますが、ぜひ興福寺の良さも多くの方に知って欲しいものですね。確かに大仏さんほどのキャッチーな仏さまはいないですし、鹿の数もやや少なめかもしれませんが、国宝クラスの宝物の質と量で、決して東大寺に劣ることはないでしょう。

奈良県民の方でも、たまにフラッと立ち寄って、改めてじっくりと見てみると、その魅力が再発見できると思います。そのくらいの価値のあるお寺ですので、ぜひぜひしっかりと見てあげてください。

また、興福寺のホームページでは、所蔵する宝物を検索して画像を眺めたりする、とても便利なシステムを用意してくれています。コチラもぜひご覧ください。

興福寺-ご朱印
興福寺の東金堂でいただいたご朱印です。若い女性の方がサラサラっと書いてくださったのですが、日付の部分が簡略化されてる?


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■画像の一覧は【Flickr】でどうぞ。



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■興福寺

HP: http://www.kohfukuji.com/
住所: 奈良県奈良市登大路町48
電話: 0742-22-7755
宗派: 法相宗大本山
本尊: 釈迦如来(国宝)
創建: 669年
開基: 藤原不比等
拝観料: 境内-無料、国宝館-500円、東金堂-300円
拝観時間: 9:00 - 17:00
駐車場: 有料駐車場アリ
アクセス: 近鉄奈良線「近鉄奈良駅」より徒歩7分

※西国三十三箇所霊場の第九番札所(南円堂)
※南都七大寺の一つ










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