2018-08-10

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館

五條市北山町の「五條文化博物館」で開催中の夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」(7月21日~9月24日)。金メッキを施した美しいかぶと「蒙古鉢形眉庇付胄」などが里帰り展示されています。博物館から車で約4分の距離に「五條猫塚古墳」がありますので、展示を見てから本物の古墳を見に行くとより楽しめます!


安藤忠雄さん設計の「ごじょうばうむ」

五條市北山町の「五條市立五條文化博物館」。「五條の歴史と文化」をテーマにした常設展示では、古代から近代まで、五條市の歴史をわかりやすく展示しています。

建物自体も、建築家・安藤忠雄さんが設計したユニークなもの。コンクリート打ちっぱなしの円筒形の建物で、バウムクーヘンを切り取ったような形から「ごじょうばうむ」の愛称がつけられています。


夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-01

五條市の「五條市立五條文化博物館」。金剛山地の南麓、県道30号線(山麓線)沿いに建っています。標高約300mの高台に位置し、周囲の景観と調和するように半地下式に建てられています

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-02
建物正面のつづら折りの石段を上がって、3階から入場します

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-03
最上階の通路部分

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-04
3階に受付があります。外壁は亜鉛引き鉄板で覆われており、内壁は安藤さんらしい打ちっぱなしになっています。内部の常設展示は「撮影可・SNSへのアップは不可」とのこと。興味深い展示も多いだけに残念ですね

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-05
建物の中心部にある「円形広場」。円筒形の建物はばっさりとカットされ、まさにバウムクーヘンのようです。


豪華な「蒙古鉢形眉庇付胄」の本物が!

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-07

この日は、3階の特別展示室で「夏季特別展 五條猫塚古墳発掘60年」(2018年7月21日~9月24日)が開催されていました。

五條市西河内町にある「五條猫塚古墳」(Wikipedia)は、古墳時代中期(5世紀代)に造られた方墳です。1957年の開墾の際に、竪穴式石室の内外から金銅製の武具、鉄製の武器などの副葬品が出土し、近内古墳群を代表する首長墓であることが明らかになりました。

五條猫塚古墳の出土品として、もっとも有名なのが「蒙古鉢形眉庇付胄(もうこはちがたまびさしつきかぶと)」でしょう(参考サイト:蒙古鉢形眉庇付胄(奈良県五条猫塚古墳出土)|奈良国立博物館)。

鉄板の一部に鍍金(金メッキ)銅板をはった冑で、今でも美しく輝いています。モンゴルで使用される兜にも似た形で、かなりユニークですね。(※この冑は、常設展示のコーナーに復元品があり、実際に頭にかぶれるようになっていますので、あわせてぜひ!)

さらに、この他の出土品である「珠文鏡」や「埴製枕(焼き物の枕)」、鉄製の工具・漁具などが里帰り展示されており、こちらも興味深く拝見しました。

また、常設展示の内容も、五條市に関連する榮山寺八角堂・人物画像鏡(国宝)・五條新町・天誅組など、歴史好きな方にとっては楽しいものが見られます。こちらもぜひご期待ください!


のどかな「五條猫塚古墳」も訪れました

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-08
五條文化博物館で出土品を見た後は、やはり古墳も訪れたいもの。博物館から五條猫塚古墳(五條市西河内町388番)まで、車でわずか4分ほど(徒歩で約34分)の距離ですので、ぜひ行ってみてください。

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-09
五條猫塚古墳(方墳)は、京奈和自動車道のすぐ脇にあり、のどかな田んぼの真ん中にあります。高台にあり東側の見晴らしが良く、とても気持ちのいい眺めでした

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-10
五條猫塚古墳の説明看板。
・築造年代は5世紀中葉と考えられる。
・一辺約32m、高さ約5mの二段築成の方墳。周囲には幅役15mの周濠の痕跡も。
・石室内からは、珠文鏡・ガラス小玉・鉄鉾・鉄鏃・金銅装眉庇付胄・三角板革綴単甲・埴製枕など、石室の近くから金銅製龍文透彫帯金具・門蒙古鉢形眉庇付胄などが出土した。
・大陸との繋がりを示す豪華な副葬品などから、被葬者は大陸と密接な関係をもち、鉄器生産などにかかわる集団を統括した人物と考えられる。

夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」@五條文化博物館-11
五條猫塚古墳は、それほど大規模なものではなく、そんな豪華な副葬品が見つかったとは信じがたいほどです。この一帯は、紀ノ川を使って大和と大陸との交流拠点になっていたようですので、当時の最先端エリアとして賑わっていたのでしょう。古墳が築かれた5世紀のころ、発掘された昭和のころの様子などを想像してみると面白いですね



■五條市立五條文化博物館

HP: http://www.city.gojo.lg.jp/www/contents/1146132151542/
住所: 奈良県五條市北山町930番地の2
電話: 747-24-2011
休館日: 月曜日、祝日の翌日と年末年始
開館時間: 9:00~17:00
駐車場: 無料駐車場あり
入館料:一般 300円、高校生・大学生 200円、中学生以下 無料


■夏季特別展「五條猫塚古墳発掘60年」

HP: http://www.city.gojo.lg.jp/www/contents/1529992492130/index.html
会期: 2018年7月21日(土)~9月24日(月・祝)


■参考にさせていただきました

五条猫塚古墳 - Wikipedia
蒙古鉢形眉庇付胄(奈良県五条猫塚古墳出土)|奈良国立博物館
五條文化博物館は、こんなに楽しい! - tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」






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