2018-04-28

邪馬台国の居館?『纒向遺跡 辻地区』大型建物の柱を復元 @桜井市

邪馬台国の居館?『纒向遺跡 辻地区』大型建物の柱を復元 @桜井市

邪馬台国の有力候補地である、桜井市の『纒向遺跡』。中心となる「辻地区」で、大型建物など3棟の跡に柱計65本が立つなど、新たに整備されました。南北19.2m×東西12.4mと推測される、当時の国内最大の建物遺構がより分かりやすく、想像しやすくなりました。古代の風景に思いを馳せてみてください!


3棟の建物の存在が“見える化”

邪馬台国の有力候補地である、桜井市の『纒向遺跡(まきむくいせき)』。古墳時代前期を中心とする時期の大規模な集落遺跡として知られており、日本最初の「都市」とも考えられています。

その中心となるJR桜井線・巻向駅の近くにある「纒向遺跡辻地区」では、3世紀代の遺構(複数の掘立柱建物跡、約2,700個もの桃の種)のほか、4世紀代の大規模な区画溝、5世紀末頃の石貼り溝など、この地域の首長居館との関連性が推定される遺構も見つかっています。


この大発見があった際、私たちは現地を拝見しました。「ここが邪馬台国の中心部であり、卑弥呼がいた可能性がある」と考えると、歴史の大きな流れの中に足を踏み入れたような、ちょっと不思議な気分になったことを覚えています。

その後、遺跡は埋め戻され、静かな空き地のような状態になっていましたが、2018年4月、建物遺構の位置を分かりやすく示した杉の柱が立てられ、遺構を説明する陶板も設置されました。(詳細:史跡纒向遺跡辻地区の整備をおこないました│桜井市


纒向遺跡 辻地区@桜井市-01

整備された『纒向遺跡 辻地区』の様子。以前は単なる空き地ようでしたが、「史蹟 纒向遺跡」の石碑、大型建物など3棟の跡に柱計65本が立つなど、かつての様子がイメージしやすくなりました

纒向遺跡 辻地区@桜井市-02
2009年に見た、発掘直後の様子(現地説明会の数日前でした)。建物の柱跡を示す黄色いパイプは埋め戻された際に撤去されていました。今でも足元にはこんな遺構が眠っているかと思うと感動します!

纒向遺跡 辻地区@桜井市-03
「纒向遺跡居館域の調査」と題した説明もあります。発掘時の写真を用いて、その特徴などを解説しています。現地ではとくに表示はありませんでしたが、大量の桃の種が見つかって話題となった大型土坑跡も建物跡のすぐ隣りにありますので、注目してみてください

纒向遺跡 辻地区@桜井市-04
復元した柱は、建物3棟分で計65本。すべて桜井木材協同組合さんから寄贈されたものです。保存剤を加圧注入し、耐久性を高めてあるそうです。遺跡の復元には、ふるさと寄付金を充て、さらにガバメントクラウドファンディングを行って資金を集めました


当時の国内最大の建物遺構「建物D」も

纒向遺跡 辻地区@桜井市-05
もっとも大型の「建物D」。すぐ東側をJR桜井線が走っています。南北19.2m×東西12.4m、床面積約238平方メートルの、当時としては国内最大の建物遺構となるとか

纒向遺跡 辻地区@桜井市-06
●建物の西側が4世紀の溝によって壊されており東西2間×南北4間しか見つかっていないが、東西も4間であったと推測。
●建物の方位は、B・Cと同じく真北に対して4~5度、西へ振れていた。
●柱は直径約32cm。南北方向の柱間には円形の柱穴があり、床を支える直径約15cmの束柱が立てられていた。
●建物の下には、柱を安定させるために基壇上の盛り土があった

纒向遺跡 辻地区@桜井市-07
その隣の「建物C」。
●復元された建物は東西1間(約5.2m)×南北3間(約8m)、床面積約41.6平方メートル。
●建物の方位は、B・Dと同じく真北に対して4~5度、西へ振れていた。
●柱穴は楕円形が多く、直径70~80cmと大きめだったが、使用された柱は建物Bと同じ直径約20cmのものと推測される。

纒向遺跡 辻地区@桜井市-08
そのお隣の「建物B」
●東西2間(約4.8m)×南北3間(約5.2m)、床面積約25平方メートル。
●建物の方位は、C・Dと同じく真北に対して4~5度、西へ振れていた。
●柱穴は円形で、直径50~60cm。使用された柱は直径約20cmと推測される。
●囲んでいた柱列との間が近いことから、高床の建物の可能性も。

纒向遺跡 辻地区@桜井市-10
西側から全体を見たところ。JR桜井線が走っているあたりには、復元されていませんが「建物E」がありました。3世紀後半以降のものですが、B~Dの3つの建物群とは建築時期や方位が違っているとか。歴史が何層にも重なっています

纒向遺跡 辻地区@桜井市-11
なお、『纒向遺跡 辻地区』に隣接して、いかにも駐車スペースという土地もありましたが、チェーンが張ってあり私有地のような印象でした。近くに駐車スペースはありませんので、できれば電車で訪れるのがいいでしょう。



■史跡 纒向遺跡(辻地区)

場所: 奈良県桜井市辻
アクセス: JR桜井線「巻向駅」下車すぐ

※実際に現地を拝見したのは「2018年4月20日」でした。
※比較的近い位置に、卑弥呼のお墓と目される「箸墓古墳」、リニューアルした「唐古・鍵遺跡史跡公園」などもあります。あわせてどうぞ。


■参考にさせていただきました

史跡纒向遺跡辻地区の整備をおこないました/桜井市ホームページ
纒向遺跡 - Wikipedia
【毎日新聞】纒向遺跡:位置はっきり 桜井市、柱立てる整備完成 /奈良
【朝日新聞デジタル】奈良)纒向遺跡 古代都市 進む「見える化」


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