2009-01-28

今も残る巨大寺院『根来寺』@和歌山-その3(不動堂)

根来寺「不動堂」@和歌山

和歌山の『根来寺(ねごろでら)』へ行ったレポートの3回目です。

実はこの日は、根来寺「不動堂」で「初会式(大般若転読)」という法要が営まれていて、秘仏の不動明王像が一般公開されていました。正直、かなり距離があったため、ほとんど見えなかったのですが、沢山の檀家さんたちが集まった厳かな法要で、とても素敵なものでした。



■今も残る巨大寺院『根来寺』@和歌山
<1.大塔編><2.光明殿編><3.不動堂編>


五大明王が勢ぞろいなんですが・・・

この1月28日は、不動堂の「初会式(大般若転読)」という法要が営まれる日でした。私たちも朝9時半頃に到着したのですが、もうその時間には参拝者でいっぱいです!やはりお年寄りの方が多かったようですが、若い方も沢山いらっしゃって、生きた仏教の姿を見られたような気がしました。

この「不動堂」は、1850年建立のもので、お堂の後ろ側が八角形になっているのが特徴的です。ここでは、年2回だけ公開される秘仏の「不動明王像」が祀られており、この日はそのご開帳日でした。

(こちらの不動明王像は、別名「錐鑽(きりもみ)不動」「身代不動」などとも呼ばれているそうです)

しかし・・・、ご本尊まではかなり距離があるため、お不動さんの姿はほとんど見えず・・・。その両隣には4体の異形の脇侍が控えていて、「五大明王」が勢ぞろいしているのは確認できるのですが、これもほとんど見えず・・・。かなり残念でした。


根来寺(不動堂)-01

根来寺の「不動堂」前。この日は法要があり、とても賑やかでした。朝早くから熱心な檀家の方々がいらっしゃっていました

根来寺(不動堂)-02
午前中からこの人出です!しっかりと地域に根付いた仏教の姿ですね

根来寺(不動堂)-03
お堂の奥の部分には、八角形の本堂が繋がっている、ちょっと変わった作りになっていました。この背後からもお不動さんが拝見できます

根来寺(不動堂)-04
人の数が多いのでお線香もこの本数!煙でモクモクになっていますね

根来寺(不動堂)-05
ここの絵馬は、木から「厄」の文字を型抜きする珍しいタイプでした。抜いた部分は別途奉納します

根来寺(不動堂)-06
不動堂の内部はこの混雑!入りきれなかった人は屋外の席に座っていたくらいでした


不動堂では「初会式」の法要が

法要は午前10時からスタート。ほら貝の音が遠くから聞こえてきて、僧侶の方たちがゆっくりと近づいてきます。その姿を見て畏敬の念を抱いたりもするものなんですが、朝の日差しの中を美しい法衣をまとった一団が通り過ぎるのを見ていると、とても非現実的な感じがありました。

お線香の煙や読経の声、信徒さんたちの祈りの声など、全てが合わさって独特の荘厳な雰囲気なんですよね。本当にいいものを見せていただきました!


根来寺(不動堂)-07

午前10時から法要がスタート。ほら貝の音が鳴り響いてきて、僧侶の方たちがやってきます

根来寺(不動堂)-08
僧侶の皆さんの列が厳かに通り過ぎていきます。よく見てみると、法衣もとてもキレイなものですね

根来寺(不動堂)-09
朝日とお線香の煙と、色んな色彩が混ざり合って、とても美しい光景でした

根来寺(不動堂)-10
すぐ近くの丘の上から見下ろしたところ。雰囲気がありますね

根来寺「不動堂」ご朱印
根来寺「不動堂」のご朱印です。お不動さんの別名である「身代わり不動」と書いてあります


修復が待たれる和風建築「一乗閣」

根来寺の境内には、突然、古風な建築物が見えてきます。これは「一乗閣」といい、旧和歌山県議会議事堂を移築してきたものなんだとか。明治末の1896年の建築で、過去には、夏目漱石がここで講演を行ったこともあったそうです。

とても風情のある和風建築なんですが、ほとんど手入れされていないようで、いたるところボロボロなんです・・・。立入禁止となっていて内部には入れませんが、いつかしっかりと修復されて、中を見学できるくらいまでになって欲しいものですね。


根来寺(一乗閣)-01

根来寺の境内にある「一乗閣」。1898年の建築で、旧和歌山県議会議事堂だとか。とっても味のある建物なんですが、現在は放置状態で、傷みまくってます

根来寺(一乗閣)-02
一乗閣の由来。昭和37年に移築されてきて以来、90年あまり風雪に耐えて・・・というくだりが泣かせますね

根来寺(一乗閣)-03
とっても希少な19世紀の和風建築物で、現在、保存の運動が行われているそうです。とてもいい建物ですので、どうにかして修復して欲しいものです


少し離れた「大門」もお忘れなく

根来寺を訪れた最後に、本堂などからは少し離れたところ(車なら1分くらいです)にある「大門」にも立ち寄ってみました。ここは道路を挟んだ地点にあるため、見逃しやすいスポットかもしれません。

この大門は、1850年に再建されたもので、堂々とした渋い門でした。周りには畑と数軒の民家しかないため、そんなところに突然巨大な門が登場する姿は、どこかシュールな感じすらしてしまいます。「必見」とまでは言いませんが、ぜひ立ち寄ってみてください。


根来寺(大門)-01

根来寺の境内から少し離れた場所にある「大門」。1850年の再建のもので、高さ17mほどの堂々たる門でした

根来寺(大門)-02
大門の両脇には、もちろん阿吽像が。周りに何もない場所にありますので、今となっては何を守っているのか分からない状態でした

根来寺(大門)-03
江戸時代末期のものだけに、かなりシンプルで簡素な作りです

根来寺(大門)-04
大門の目の前はこんな通りになっています。本堂からは少し離れますので、見落とさないように注意!



大きな地図で見る


■根来寺(一乗山)

HP: http://www.negoroji.org/
住所: 和歌山県岩出市根来2286
電話: 0736-62-1144
宗派: 新義真言宗 総本山
本尊: 大日如来
創建: 1130年
開基: 覚鑁(かくばん)上人
拝観料: 500円(大塔・名勝庭園などを含む)境内無料
拝観時間: 4月-10月 9:10-16:30、11月-3月 9:10-16:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR「紀伊駅」から、「粉河駅前ゆき」もしくは「近畿大学ゆき」にて
「根来」下車、徒歩20分






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