今も残る巨大寺院『根来寺』@和歌山-その2(光明殿)
和歌山の『根来寺(ねごろでら)』へお邪魔してきたレポートの2回目です(全3回)。ここでは、根来寺の開山の祖「覚鑁上人」を祀っている「光明殿(正式には「光明真言殿」)」と、国の名勝にも指定されている庭園などを見ています。
■今も残る巨大寺院『根来寺』@和歌山
<1.大塔編> │ <2.光明殿編> │ <3.不動堂編>
覚鑁上人を祀る「光明真言殿」
根来寺の「光明真言殿(通称:光明殿)」は、根来寺開山の祖である覚鑁上人と、縁の深い紀州徳川家の位牌などを祀るお堂です。1827年に再建されたもののため、建築物としては簡素で力強いタイプですね。
中に入ってみると、「左甚五郎作(伝)」とされる大黒様がいらっしゃったり、豪華な衝立があったりと、なかなか風情がありました。寺務所と繋がっているため、その部分から目を背けておけば、レトロな雰囲気が堪能できるいい建物でした。
根来寺の「光明真言殿」。1827年の再建で、県指定の文化財。覚鑁上人を祀っていて、根来寺の復興に尽力した紀州徳川家の位牌も祀ってあるそうです
光明真言殿を別角度から。江戸時代の建物らしく、簡素で力強い雰囲気です
光明真言殿の控え室的な座敷にあった、何と左甚五郎作(伝)とされる大黒様がいらしゃいました。味のある顔をしていますが、鼻が欠けていたりと、状態はイマイチ・・・
建物の一角にあった半跏思惟像。背後の建具や生け花と一緒になって、とてもいい雰囲気でした
和室部分には、豪華な衝立が。一部が窓になっているのが格調高いですね
落ち着く「名勝庭園」が見どころです
この光明殿の見どころは、やはり庭園でしょう。それほど規模の大きなものではありませんが、枯山水式のものと、池を設けたものと、2つのパターンが並んで作ってあります。
それほど人が押し寄せて騒々しくなったりすることも無いと思いますので(桜のシーズンは除く)、のんびりと眺めるにはいいですね。ただし、地べたに座り込んでじっくり見る・・・というタイプではありませんので、京都のお庭などと比較すると、ちょっと長居しずらいかもしれません。
渡り廊下の先には、庭園が。3つの庭園が組み合わさったもので、国の名勝に指定されています
枯山水式の庭園です。大きなソテツと、白砂が見事。これだけ晴れているととても気持ちよく拝見できました
本坊方面から光明真言殿を見たところ。半円形の窓がいいですね。それほど広いわけではありませんが、静かで落ち着くお庭でした
本坊方面を見たところ。枯山水のお庭の奥には「池泉式蓬莱庭園」という池の部分が見えます。赤い絨毯もキレイに映えますね
池泉式蓬莱庭園の様子。コントラストが強すぎて、何だかよく分かりませんが、岩の配置など、とても見事なものでした
根来塗の立派な台も見ておきましょう
光明殿の中心部分から向かって左手にも、「聖天堂」などの建物が並んでいます。
受付の方に教えていただいたのですが、ここで使われているうるし塗りの台は、この地方独特の「根来塗」のものなのだとか。調べてみると、根来塗とは、朱塗りの下に黒い漆が塗ってあり、使い込んでいくと下の黒色が模様のように浮かび上がってくるという特徴があるそうです。「使えば使うほど味が出る」というのであれば、お寺などで使用されるのに相応しいものなのかもしれません。ぜひじっくりと見ておいてください。
あと、お堂の前に並べられていたり、受付で販売されていたりと、妙に「達磨」が目立っていったのですが、何か理由があるのかと伺ってみたところ、「特にありません」とのこと。肩透かしでした(笑)
光明真言殿のお堂部分。根来寺を開いた「覚鑁上人」が祀られています。改めて見ても、見事な作りですね。とってもお堂らしいお堂でした
光明殿の続きにある「聖天堂」の内部。大根がお供えしてあり、もちろん聖天様(歓喜天)がご本尊です
このお供えの台になっているのが「根来塗」のもの。朱塗りの下に黒い層があり、使い込むうちに下地が見えてきて味が出るのだとか
聖天堂の前に広がる「聖天池」。正直なところ、それほど特徴の無い渋い池でした
光明殿で日向ぼっこしている猫。かなり気持ち良さそうで、近寄っても無反応でした
根来寺の各所で見かけた達磨。何か由来があるのかと聞いてみたのですが、「特にありません」とのことでした(笑)
根来寺「光明殿」のご朱印です
■根来寺(一乗山)
HP: http://www.negoroji.org/
住所: 和歌山県岩出市根来2286
電話: 0736-62-1144
宗派: 新義真言宗 総本山
本尊: 大日如来
創建: 1130年
開基: 覚鑁(かくばん)上人
拝観料: 500円(大塔・名勝庭園などを含む)境内無料
拝観時間: 4月-10月 9:10-16:30、11月-3月 9:10-16:00
駐車場: 無料駐車場あり
アクセス: JR「紀伊駅」から、「粉河駅前ゆき」もしくは「近畿大学ゆき」にて
「根来」下車、徒歩20分