2011-06-18

天皇陵めぐりのお供に『御陵印(ごりょういん)』を

天皇陵めぐりのお供に『御陵印(ごりょういん)』を

日本各地にある天皇御陵には、それぞれ『御陵印』という、独自の印が用意されています。一般的にはほとんど知られていないと思いますが、全国5ヶ所の陵墓監区事務所で無料でいただける、「天皇陵の御朱印」のようなものだと思えば分かりやすいでしょう。奈良県では橿原市の神武天皇陵内にありますので、私もいただいてきました。


天皇陵「参拝記念スタンプ」のようなものです

『御陵印(ごりょういん。陵印・皇陵印とも)』とは、天皇御陵に参拝した記念としていただける記念の印のこと。以前は天皇陵それぞれに設置したあったそうですが、現在では、全国5ヶ所の「陵墓監区事務所」にまとめて置いてあります。



●多摩陵墓監区事務所(東京都八王子市、武蔵陵墓地内)
山形県、新潟県、栃木県、東京都、神奈川県、長野県内の陵墓を管理する。

●桃山陵墓監区事務所(京都府京都市伏見区、伏見桃山陵内)
岡山県、広島県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、宮崎県、鹿児島県内と兵庫県、京都府、大阪府の一部の陵墓を管理する。

●月輪(つきのわ)陵墓監区事務所(京都府京都市東山区、泉涌寺内)
富山県、石川県、滋賀県、鳥取県、島根県内と京都府、兵庫県の一部の陵墓を管理する。

●畝傍(うねび)陵墓監区事務所(奈良県橿原市、神武天皇陵内)
奈良県、三重県、岐阜県、愛知県、静岡県内の陵墓を管理する。

●古市陵墓監区事務所(大阪府羽曳野市、応神天皇陵内)
和歌山県、香川県、徳島県、愛媛県、高知県内と大阪府、兵庫県の一部の陵墓を管理する。


関東の多摩と、京都に2ヶ所(桃山と月輪)、大阪(古市)と奈良(畝傍)にあり、全ての御陵印を集めようと思えば、この5ヶ所を回れば手に入ります。天皇陵に参拝した証としていただくのがベストだと思いますが、この方式だとずいぶん手軽ですね。

なお、語弊のある言い方かもしれませんが、御陵印とは「参拝記念スタンプ」のような性格のものですから、無料でいただけます。お寺や神社でいただく「御朱印」のように、どなたかに押してもらうのではなく、自分でインクをつけてペタペタと押す形になりますので、その点も気軽かもしれません。

ちなみに、昭和天皇が124代ですから、それと同じ数だけの御陵があり、御陵印も同数になりそうなものですが、北朝の天皇を加えたり、重祚(同じ方が再度即位すること)があったり、天皇の合葬があったりするため「計93個」になるのだそうです。

以下のサイトで詳しく解説されていましたので、興味のある方はぜひご覧ください。

旧御陵印の回顧と新御陵印を集める現在の旅


「畝傍陵墓監区事務所」は神武天皇陵内です

奈良県内の御陵印は、橿原市の「宮内庁書陵部 畝傍陵墓監区事務所」で管理されています。橿原神宮内の「神武天皇陵」のすぐ近くですから、初代天皇の御陵をお詣りして、御陵印の収集を始めるには最適な場所でしょう。

この建物に入ると、すぐ左手に一式置いてありますので、中にいらっしゃる職員の方に「御陵印をいただきに来ました」と一声おかけしておけば、あとは自分で用意した御朱印帳やお軸にペタペタと印を押していくだけです。

なお、こちらはもちろん公的な機関ですから、土日祝日は閉まっていそうなものです。しかし、私も土曜日に伺ったのですが、ちゃんと職員の方がいらっしゃいました。お話によると、「本来はお休みですけど、誰かしらいることが多いです」とのこと。出来れば平日に、週末に行かれる方は事前に電話で確認した方がいいかもしれませんね。


御陵印@畝傍陵墓監区事務所-02

奈良県内の御陵印は、橿原市の「宮内庁書陵部 畝傍陵墓監区事務所」で管理されています。その場所は、橿原神宮内にある「神武天皇陵」の東側(この写真の向かって右側50mほど)にあります。まずは初代天皇の御陵にお詣りしておきましょう

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-03
神武天皇陵へのメインの参道から150mほど北側に、「神武天皇陵参拝者用駐車場」があります。普通車6台分ほどで、料金も無料です。ここから参道を進むと、100mほど先に畝傍陵墓監区事務所の建物と、その裏手に神武天皇陵が見えてきます

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-04
「宮内庁書陵部 畝傍陵墓監区事務所」の看板

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-05
畝傍陵墓監区事務所の建物。この裏手は神武天皇陵です。御陵印をいただくには、見えている玄関からではなく、向かって左手にある入口から入ります。事務所にいらっしゃる職員の方に「御陵印をいただきに来ました」と一声かければ、あとはセルフ式です


奈良は橿原神宮の畝傍陵墓監区になります

畝傍陵墓監区では、奈良県を中心に、三重・愛知・静岡・岐阜の5県にある、84箇所・102陵墓を管理しています。御陵印があるのは、そのうちの30箇所になります。ケースを開けると、その全ての御陵印がズラリと並んでいて、なかなか壮観でした!

ここにある30の御陵印は全て無料で押せますし、もちろん一気に全種類押しても構いません。先に全ての印を押してからお参りするのもいいでしょうし、お参りしたところだけいただくのもいいでしょう。

ただし、御陵印はちゃんと即位順に並んでいますが、その監区ごとに分かれていますので、完全に順番通りに押したい方は注意が必要です。

例えば、初代・神武天皇陵から第13代・成務天皇陵までは畝傍監区ですが、第14代・仲哀天皇陵から第19代・允恭天皇陵までは、大阪にあるため古市監区になります。そして、第20代・安康天皇陵からまた畝傍監区に戻るなど、間違えやすくなっていますのでご注意ください。


御陵印@畝傍陵墓監区事務所-06

御陵印のセット一式。御朱印帳やお軸などは自分で用意しておきましょう(御朱印帳は橿原神宮でも販売されています)。インクや朱肉が3種類も用意してあるのがさすがですね!

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-07
ケースを開けたところ。畝傍陵墓監区では、奈良県を中心に、三重・愛知・静岡・岐阜の5県に所在する、84箇所・102陵墓を管理しています。そのうち、御陵印があるのは30箇所。料金などはかかりませんし、一気にこの30の印を全て押すこともできます

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-09
第1代・神武天皇陵から、第10代・崇神天皇陵、第40代・天武天皇陵と第42代・持統天皇陵(合葬)、さらには吉野に祀られた後醍醐天皇陵まで、奈良県内に点在する天皇陵の印が管理されています(見づらい画像でスミマセン!)

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-08
印にはそれぞれネーム入りシール(?)が貼ってあるので、迷う心配はありません

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-10
事務所には、「陵墓のしおり」として、畝傍・古市・月輪・桃山それぞれのパンフレットが置いてありました。しかし、1ヶ所だけ関東のためか多摩のパンフレットは見当たらず…

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-11
自分でペタペタと印を押したら完了!曲がらないように、にじまないように印を押すのもなかなか大変で、意外と時間がかかります。また、監区をまたがってでも順番に押したい場合は、特に注意が必要です。第13代・成務天皇陵までは畝傍監区、第14代・仲哀天皇陵から第19代・允恭天皇陵までは古市監区、第20代・安康天皇陵からはまた畝傍監区など、間違えやすくなっています


美しい御陵印。ぜひ集めてみてください

自宅に戻ってから、改めて御陵印を眺めてみましたが、やはり独特の美しさがありますね。

この日、私は今までお詣りした、そして近々お詣りしようと思っている、初代・神武天皇陵から第9代・開化天皇陵までの御陵印をいただきました。天皇陵めぐりはどちらかというと地味な趣味ですから、こんな楽しみ方があってもいいですね。

御陵印を集める目的はひとそれぞれだと思いますが、興味がある方はぜひチャレンジしてみてください。


御陵印@畝傍陵墓監区事務所-12

この日いただいた御陵印と陵墓のしおり(畝傍監区編)。しおりの内容は、有名な天皇陵のみが掲載されていて、それほど詳しいものではありません。監区内の全ての天皇陵所在地が網羅されていたら便利ですが、ちょっと残念ですね

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-13
この日、私は御朱印帳に、1ページ1つずつの御陵印を押しました。決まったルールがあるわけではありませんので、1ページに2つ押してもいいのかもしれません。また、墨が裏ににじむこともありませんから、御朱印帳は両面使えます

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-14
第3代・安寧(あんねい)天皇と、第4代・懿徳(いとく)天皇の御陵印。安寧天皇陵の正式な名称は「畝傍山西南御陰井上陵(うねびやまのひつじさるのみほどのいのえのみささぎ)」ですから、印は「天皇名と御陵名」が記されているようです

御陵印@畝傍陵墓監区事務所-15
これは第7代・孝靈(こうれい)天皇と、第8代・孝元(こうげん)天皇の御陵印。畝傍監区の30の御陵印を全て押すこともできたのですが、この日は実際にお詣りに行った+行く予定の第9代・開化天皇陵までの印をいただいてきました(初代+欠史八代)。残りはまたのお楽しみです!



より大きな地図で 畝傍陵墓監区事務所 を表示


■宮内庁書陵部 畝傍陵墓監区事務所

住所: 奈良県橿原市大久保町71-1(神武天皇陵内)
電話: 07442-2-3338
参拝時間: 8:30 - 17:00
駐車場: あり


■参考にさせていただきました!

-天皇陵-
天皇陵めぐり
旧御陵印の回顧と新御陵印を集める現在の旅


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