2008-12-18

ラーメンバトル優勝!東京進出の『和らーめん いふり』

和らーめん いふり-「熟玉醤油らーめん」

北葛城郡広陵町にある『和らーめん いふり』さん。化学調味料を一切使用せず、牛・豚・鶏の骨すらも使わず、和だしの味わいを味あわせてくれるラーメンで、奈良のラーメン好きの間では話題になっているお店です。

そんな同店が、何と「ラーメンコンテスト」に優勝して、来春には立川「ラーメンスクエア」に出店が決定したというじゃありませんか!さっそくその話題のラーメンをいただくために再訪してきました!

ちなみに、重大なことなので冒頭に書いておきますが、いふりさんは「来年の2月末から3月末ごろ」を目途として、今の広陵町のお店を畳んで、完全に立川に移転するのだそうです。このラーメンがココで食べられるのも、あと数ヶ月のみですので、ぜひ急いで来店してみてください!

※ 2009/03/20 追記

『和らーめん いふり』さんは、2009年2月28日(土)をもって閉店。2009年春より、東京・立川の「ラーメンスクエア」へ移転されます

トライアウト優勝!立川に出店決定!

実は、まだいふりさんがオープン間もない時、そしてこのブログをスタートさせて間もない時に、私たちもお邪魔して「塩らーめん」をいただいたのですが・・・、正直、全く口に合いませんでした。

とても上品な塩らーめんで、厳選した素材を使って丁寧に作ってあることはよく分かったのですが、使用している天然塩「ぬちマース」の強さが勝ってしまって、かなり強い苦味が感じられたのです。和だしを味わう以前に、私たちはこの苦味が全くダメで、二人で酷評しながら自宅に戻ったものでした。

まだこの頃は、今は当然のようにやっている「二人で別の味のラーメンを頼んでみる」という決まりごともなかったため、二人揃って同じものを食べてしまったのも、悔やまれるところでした。

ネット上ではかなり評判の高いお店ですし、かといって、二人揃って口に合わないというのも珍しいことなので、「いつかは再訪して、もう一度塩らーめんの味を確かめてみよう」と思い続けていたのです。


そして、つい先日のこと。よく拝見している関西のラーメン情報ブログ「求夢洞」さんで、こんなニュースを見つけて驚いたのです!


 ■立川に来春出店!“ラーメンバトル”優勝者の実力とは - 東京ウォーカー

そんな激戦を制して、来春の出店権をもぎ取ったのは、奈良県で「和らーめんいふり」を経営する木下貴道氏。登場が4人中4番目で、ラーメンも化学調味料を一切使わず、動物性の骨類も使用しないというものだったため「(味があっさりしていて)不利なのでは?」と周囲を心配させたが、和ダシを使った一杯はしっかりとした味わいで「本当においしい」(小林氏)、「4杯目なのに(おいしくて)全部食べました」(北島氏)と審査員も舌を巻く完成度の高いものだった。

最後に大崎氏は「これまで経験したことのないお客の数をこなさなければならないようになると思うが、質を落とさずに頑張ってほしい」と激励した。木下氏は東京でも和素材にこだわり、和ダシで作ったラーメンを作るという。「大崎氏から質を落とさないように、との言葉があったが?」と聞くと「質を落とさない自信はあります」とひと言。調味料一切不使用の「ラーメンゼロ」(目黒区)の大人気などを受け「化学調味料」を使わないラーメン店はさらに増えそうな気配。近い将来、名店入りする店となるだろうか?


ちなみに、この優勝者には、東京・立川に来春登場する「ラーメンスクエア」への出店権が与えられるとのこと!コレってスゴイことじゃありませんかっ!!

私たちが酷評したお店が、こうして専門家からも高い評価を受けたというのも、「あぁ、私たちの舌がバカだった・・・」と恥ずべきことなのかもしれませんが、、、、、

でも、ちょっと引っ掛かることもあるんです。


★「塩らーめんの店」という認識だから塩を食べたのに、今回のコンテストには「熟玉醤油らーめん」で勝負していること


実は、よーく考えてみると、私たちが「いふり=塩の店」と思っていたのは、オープン間もない頃に同店が取材され、堂々と塩らーめんが紹介されていた「あまから手帖」の記事による印象でした。その後、ホームページでメニューなどを確認すると、メニューの紹介順は「塩・醤油・みそ・つけめん」の順番でしたから、単純に塩で勝負しているお店だとしか思えません。


そこで今回は2つの目的を持って再訪してみました。

・トライアウトに勝ち残った「醤油らーめん」はどこまで美味しいのか?
・「塩らーめん」から感じた苦味は、本当に間違いではなかったのか?

いきなりテキストだらけで申し訳ないですが、店長さんとの会話の部分なども含めて、再訪記としてアップしたいと思います。


店長さんとこんな会話がありました

この日は平日の夕方ということもあって、先客が帰ったばかりの店内は、私たちだけの静かなもの。「ラーメントライアウト優勝」の一報を聞きつけて、ラーメンファンが集結しているかと思っていたのですが、やや拍子抜けでした。

店内に入って券売機の前に立ってみると、来店した目的ははっきりしているはずなのに、「醤油はいいとしても、あの塩をもう一度食べるなら、ネットで評判だった味噌を頼んでもいいんじゃない?」と、またあれこれ悩んでしまいました。そのくらい、あの時の塩の印象は、強く記憶に残っているんですよね。

しかし、味噌を頼んでしまったのでは、あのときのリベンジにはなりません。明らかに気乗りしていない表情の相方を説き伏せて、「醤油らーめん(@730円)」と「塩らーめん(@700円)」の食券を購入しました。


食券を出しながらカウンター席に座り、店長に「写真撮影してもいいですか?」と伺ったところ、ちょっと予想外に会話になったのです。


▲私「スミマセン、店内の写真を撮影してもいいですか?ラーメンのブログをやっているので、そこでご紹介したいんですけど」

●店長「・・・そうですか。それじゃ『美味しいと思ってもらえなかったらボツにしていただく』っていうのはどうですか?」


伺ってみると、画像まで付いて「ここは美味しくない!」と紹介されるとさすがに凹むので、出来ればそれは勘弁して欲しいとのこと・・・。

そのまんまこのブログのことを名指しされているも同然ですので、さすがに私も焦ったのですが(店長、どーもスミマセン!)、今回は2回目の訪問でしたし、いふりさんも今が大事な時期なんでしょうから、その条件をそのまま受け入れました。

(初めてのお店だったら、店内撮影は諦めて、画像ナシで正直な感想を書いていたと思います。多少遠慮はするものの、美味しくないものを美味しいと書くワケにもいきませんし、そんなことをコントロールされる筋合いはありませんからね)


『和らーめん いふり』(再訪)-01

ほぼ1年ぶりに『和らーめん いふり』さんにお邪魔しました。相変らずシックな店構えで、高級感が感じられますね

『和らーめん いふり』(再訪)-02
店前には堂々と「(東京)ラーメントライアウト優勝。来春より立川(東京)に入店します」との文字が。奈良の片田舎にオープンして1年ちょっとでこの快挙!すごいですね!


「塩らーめん」リベンジはまた次回!

そんな話の流れで、私たちが以前に塩らーめんを食べて苦味が気になってしまったので、それを再確認に来たこともカミングアウトすることになってしまいました。お店側から見れば、「気にいらなかったラーメンを再度注文してくる客」なんて、きっとややこしいヤツだと思われたでしょうね。ちょっと申し訳ない気分になりました(笑)

すると、店長さんが調理の手を止めて、、、、、


●店長「ウチで人気なのは、コンテストにも出した『熟玉醤油らーめん』と『熟玉コクみそらーめん』なんです。出来ればそちらを食べてみませんか?ちょっと料金は上がってしまいますが・・・」


と言われたんです。コチラとしても、自慢のラーメンで勝負してもらう分には、全く異論はありません。すぐに差額をお支払いして、注文を変更していただきました。

しかし、まだちょっと納得がいかない部分があったので、、、、


▲私「でも、ここって塩らーめんがウリのお店じゃないんですか?どこかの雑誌でそんな記事を読んだことがあったんですけど?」

●店長「塩らーめんの方が、写真にインパクトがあるんですよ(笑)」


そういうことだったのかっ!!
こうして、塩らーめんへのリベンジは、次回以降へ持ち越しとなりました(笑)


『和らーめん いふり』(再訪)-03

いふりさんのラーメンは、化学調味料を使用していないだけではなく、牛・豚・鶏の骨も使用していません。香りのいい「和だし」の味わいを活かした、ヘルシーなオリジナルラーメンが食べられます

『和らーめん いふり』(再訪)-04
最初に券売機で食券を購入するシステムです。ベンチにはメニューが置いてあるので、そこで十分に検討してから注文できます。ちなみに店内は「完全禁煙」なのも嬉しいところですね

『和らーめん いふり』(再訪)-05
とてもシックな店内。ご家族で経営されているそうですが、皆さんパリッと正装していて、フロア担当のお母さんもバーテンダー風のユニフォーム姿。細部までしっかりとこだわってます

『和らーめん いふり』(再訪)-06
いふりさんの厨房。まだ新しいのでピカピカですね。後姿なのが店長の木下さん。決してしゃべり過ぎることもなく、丁寧に私たちの質問にもお答えいただきました

『和らーめん いふり』(再訪)-07
いふりさんのメニュー。よーく見てみると、おすすめのベスト3の中に、塩らーめんはランクインしていないじゃありませんか!うーん、1年間ずっと勘違いしてました(笑)


コンテスト優勝作品「熟玉醤油らーめん」!

そんな会話の後、オススメの「熟玉醤油らーめん(@840円)」をいただいたのですが・・・、これが本当に美味しかったんですよ!

和の風味がフンワリと感じられて、一口目はとっても穏やかなんですが、決して物足りない感じはありません。上質な素材を集めて丁寧に作ったラーメンだということが伝わってくるような一杯でした。これだけ美味しいものを、牛・豚・鶏の骨も使用せずに作っているというのですから、驚きますね。

また、いふりさんのラーメンは麺も絶品です。先回食べた時も、この麺にはかなり惹かれたのですが、大好きな醤油らーめんに投入されることで、さらに美味しく感じられました。見た目はちょっとインスタント麺っぽく見えたりしますが、喉越しがよく、それでいてコシもしっかりしています。

元々、私は「醤油・縮れ麺」が大好きなタイプですので、やや褒めすぎの気もあるかもしれませんが、これなら毎日でも食べたいです。本当に、そのくらいサッパリと美味しい醤油ラーメンでした。


『和らーめん いふり』(再訪)-08

これがトライアウトにも勝ち残った「熟玉醤油らーめん(@840円)」。煮卵は名古屋コーチンを、チャーシューもトロトロです。上品な和だしと、古式天然醸造「丸中醤油」を使ったスープは、一瞬「うどんっぽい?」と感じますが、これが本当に美味しかった!

『和らーめん いふり』(再訪)-09
もちろん、スープは最後まで飽きることなく、全部飲み干しました!雑炊風にして食べている余裕もなく、一気に飲めちゃいましたね(笑)


「熟玉コクみそらーめん」は意外なピリ辛

一方、相方が食べた「熟玉コクみそらーめん(@940円)」ですが、コチラもかなりの完成度だと思います。味噌ラーメンというと、味噌の味が強くなりすぎて、煮詰めた豚汁を飲んでいるような気分になるところも多いのですが、ここの味噌はしっかりとダシと調和していますね。

しかし、これはちょっと意外だったのですが、唐辛子が入っていて、ややピリ辛に仕上がっているんですね。味噌ももっとアッサリした味わいになっているものと思い込んでいたので、ちょっと驚きでした。個人的には、この辛味はいいアクセントになっていると思いましたが、相方には全体的に塩分がきつめに感じられたようで、最後の方は口の中がしんどくなったとか。

私の希望としては、しっかりと和だしの風味を感じられるように、まだまだ味噌の比率を薄めてもらってもいいのかも・・・と思います。和だしが上品で美味しいだけに、あまり味噌の味が強すぎない方が楽しめるのでは、と思いました。

しかし、このスープの締めに雑炊を食べたら・・・、これはかなり美味しいでしょうね。次回に試してみたいと思います!


『和らーめん いふり』(再訪)-10

コチラがオススメその2の「熟玉コクみそらーめん(@940円)」。味噌は味が強いため、かなり難しいと思うのですが、とてもまろやかで美味しい味わいでした。ややピリ辛になっていて、そこが好みが分かれるかも?

『和らーめん いふり』(再訪)-11
麺は「二段熟成麺」の細麺で、縮れが強めのもの。見たところ、茹で時間は30秒くらいのようでした。ルックスはインスタント麺のような印象ですが、喉越しもいいし、かなり好みのタイプです。スープがサッパリしているので、このタイプの麺が相性がいいんでしょうね

『和らーめん いふり』(再訪)-12
名古屋コーチンの味玉も、本当にトロトロで美味!全体的にとても上品な味わいのため、味玉の穏やかな風味でもしっかりしたアクセントになってくれます


あと数ヶ月で奈良店は閉店になります!

結局のところ、以前は酷評していた私も、しっかり手の平を返して絶賛せざるを得ませんでした。

そのくらいここの「熟玉醤油らーめん(@840円)」は完成度が高いと思います。ラーメンとしてはかなり異質なタイプなため、単純な比較は出来ませんが、奈良の醤油ラーメンの中でもトップクラスでしょう(まだ「塩らーめん」に関しては疑ってますが(笑))。


しかし、そんな『和らーめん いふり』さんも、立川への出店を機に「H21年2月末から3月末の間に閉店する予定です。」とのことです。一瞬「2月末から3月末の間は閉店して、また再開するのかな?」などと思ったのですが、残念ながら完全閉店となってしまうそうです。

店長にお話を伺ったところ(私の意訳も混ざってますが)、

●店長「自分はここでスタートした人間だし、やっとお客さんにも来てもらえるようになって、本当に感謝してます。でも、やはり2店舗を運営する力はまだ無いので、これからは立川に全力投球したいと思ってます。」

とのことでした。

奈良生まれの美味しいラーメンとして頑張ってもらえるように、心の底から応援したいと思います!

また、トライアウトに勝ち残った「熟玉醤油らーめん」を、奈良県内で食べられるのも残りあとわずかです。話のタネにでも、ぜひ今のうちに一度食してみてください!



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■和らーめん いふり

HP: http://www.waramen-ifuri.ecnet.jp/
住所: 奈良県北葛城郡広陵町馬見中5-1-26
電話: 0745-55-7081
定休日: 水曜日
営業時間: 平日 11:30-14:30、18:00-22:00(土・日・祝日 11:30-15:00、18:00-22:00)
駐車場: 8台分(隣接店舗と共同)
アクセス: 近鉄大阪線「五位堂駅」から徒歩15分


和らーめん いふり (ラーメン / 香芝、五位堂、近鉄下田)
★★★★★ 5.0






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