2014-06-02
明治の細密工芸: 驚異の超絶技巧! (別冊太陽 日本のこころ 217)
陶器や漆など、明治期の素晴らしい細密工芸品たち。写真大きめでじっくり観察できます!
明治維新によって職を失った職人たちが、超絶技法を用いて、海外の人々の耳目を集める細密工芸品を作り上げました。陶器や漆など、美術品と工芸品の間に位置するようなものたちを、明治学院大学教授・山下裕二先生の監修で紹介した一冊です。
別冊太陽の1冊だけに、写真も大きくて見やすく、細やかな細工の細部まで観られます。感動しますね!
説明文:「時は明治時代。幕府の仕事を失った職人たち。殖産興業を急ぐ政府。双方の力が合わさり明治工芸は隆盛を極める。本書では七宝、陶磁器、染織、金工などの名品約180点を紹介。」
掲載されたジャンルは、七宝・自在置物・漆芸・印籠・染織・金工・陶磁器・細密工芸・根付・竹工木工など。輸出向けの華やかなデザインのものも多いため、国内では忘れ去られたようなものもありますが、どれも素晴らしいですね。渋いばかりが日本の工芸ではないということが伝わってきます。
特に、鮮やかな輝きを放つ七宝や、虫眼鏡でじっと覗き込みたいほど細かい細工を施した漆芸品、手にとってなめらかな動きを確かめたくなる自在置物など、今では技法すら失われたものまで含めて、日本の職人技のすごさが改めて実感できます。見ているだけでため息が出ますね。
内容としては、同じ山下先生が監修した『超絶技巧 美術館 (BT BOOKS)』(紹介記事)と関連しています。こちらは現代の細密技法を用いるアーティストを中心に紹介していますので、合わせてどうぞ!