2014-05-12

超絶技巧 美術館 (BT BOOKS)

必要以上にリアル、必要以上に精緻。現代の超絶技巧アーティストを紹介した楽しい一冊

絵画・木彫・金工・漆芸・フィギュアなど、本物そっくりだったり、想像を絶する細かさだったり、まさに「超絶技巧」と呼ぶべきアート作品を、明治学院大学教授の山下裕二さんが案内する一冊。2012年10月の雜誌『美術手帖』の内容に大幅に加筆して単行本化したものです。

本書では、主に現代作家さんの作品が集められていますが、世の中にはすごいアーティストさんがたくさんいらしゃいますね。驚きの連続でした!


説明文:「日本美術が生んだ究極の技、集結!!まずは作品と出会って、「なんだこれは!」とびっくりしてください。」


本書は3章に分かれていて、「Part1 鑑賞編」では予備知識なしで作品鑑賞を、「Part2 技巧編」ではアーティストさんたちへのインタビューなど、「Part3 歴史編」では京都の美術館(清水三年坂美術館など)を訪れ、さらに超絶技巧の系譜を解説します。

私は個人的に「なんでも鑑定団」や「ぶらぶら美術・博物館」「日曜美術館」などのテレビ番組を見ていますので、安藤緑山の象牙細工や、明珍の自在置物、安本亀八の生人形など、江戸時代以降の工芸なども好んで観ています。それらの存在を知った時のインパクトはとても大きかったのですが、現代にもそれに比類するほどの方たちがいらっしゃるんですね。

本書で紹介されている中で一番驚いたのは、白黒写真と見紛うような精緻な絵を、絹に水墨で描いてしまう山口英紀さんの作品ですね。こんな手法があるのかという大きな驚きがあります。また、一木からリアリティあふれる造形物を掘り出してしまう前原冬樹さん、鹿の角と骨で精密な造形を生み出す橋本雅也さん、画超細密な絵を描く池田学さんや安藤正子さんなど、どれも衝撃的です。

また、「バガボンド」で知られる漫画家・井上雄彦さんも、アーティストとして紹介されています。もう漫画という枠組みから飛び出してしまっていますね。ファンとしては嬉しい限りです。

細かな知識が無くても、見ているだけで楽しい作品ばかりですから、ぜひ手にとってみてください!


【超絶技巧 美術館 (BT BOOKS)】の関連記事

  • 『イラストレーター 安西水丸』~急逝した安西水丸さんの作品集。独特のタッチ、とても好きです!~
  • 『「失われた名画」の展覧会』~失われてしまった西洋の名画たちを集めたユニークな美術本~
  • 『浮世絵に見る 江戸の食卓』~浮世絵に描かれた「食」の場面から見る江戸の暮らし。江戸が身近に感じられます~
  • 『かわいい絵巻』~絵巻物の「かわいい」を集めた一冊。真剣なのにゆるいものなど、日本人の伝統ですね!~
  • 『北斎娘・応為栄女集』~映画『百日紅』でも描かれた葛飾北斎の娘・お栄の作品集。夜の闇の描き方が見事です!~
  • 『分解してみました』~分解した機械部品を並べて、または落として撮影した不思議な写真集。機械部品って美しい!~
  • 『田中一村作品集[増補改訂版]』~奄美大島の風景を描き「日本のゴーギャン」と呼ばれた画家の大判画集。迫力あります!~
  • 『もっと知りたい田中一村―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)』~奄美大島を愛し「南の琳派」「日本のゴーギャン」と呼ばれた画家の作品を分かりやすく解説~
  • 『小林清親 東京名所図 (謎解き浮世絵叢書)』~「最後の浮世絵師」と呼ばれた小林清親の作品集。この時代独特の美しい風景が見事です!~
  • 『かわいい仏像 たのしい地獄絵』~快著「日本の素朴絵」の続編。不思議な仏像と素朴な地獄絵。愛らしいヘタウマの宝庫!~
  • 『百日紅 (上) (ちくま文庫) 』~葛飾北斎の娘・お栄を主人公に描く江戸風情。傑作!間もなく公開されるアニメ映画も期待!~
  • 『幻獣標本採集誌』~存在しない「幻獣」の標本をモチーフにしたアート作品集。手元に置きたくなる存在感!~






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ