2015-07-12
田中一村作品集[増補改訂版]
奄美大島の風景を描き「日本のゴーギャン」と呼ばれた画家の大判画集。迫力あります!
奄美大島の風景などを描き、「南の琳派」「日本のゴーギャン」などと呼ばれた日本画家・田中一村(Wikipedia)の充実した作品集です。大形本で、収録点数は228点。ざっと調べた限り、田中一村のもっとも充実した内容の一冊でしょう。
私は『もっと知りたい田中一村―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)』(紹介記事)なども読んでいて、感想も詳しく書いていますので、ここでは簡単に済ませますが、不器用な生き方、蠱惑的とまで言える作品たちなど、本当に魅力的な方ですね。
説明文:「奄美に渡り「画く鬼」となった、孤高の日本画家・田中一村。あの奄美作品の煌めきは千葉時代の多くの作品の上に開花したものだった。新発見の作品群により、一村の画業の全貌が今明らかとなる。85年刊の新版。」
不遇だった千葉時代の作品も多数収録されていますので、一村がどんな画風に取り組んでいったのか、その遍歴がよく分かります。南国の植物を描いた一連の作品でも、本のサイズが大きいので本当に迫力がありますね。解説文も充実していて読み応えがあります。
田中一村の本の決定版といえるような内容ですので、興味のある方は図書館などで探してみるといいでしょう。