分解してみました
分解した機械部品を並べて、または落として撮影した不思議な写真集。機械部品って美しい!
現代と過去の機械製品を、丁寧に分解して並べて写真を撮る。さらに、そのパーツ類を高いところから落として、もとの製品の姿に近い姿に撮影する。この2つの写真を対比して並べた、なんとも不思議な写真集です。
掲載されている製品は50種。それぞれに分解したパーツ数も掲載されており、その総数は「21,959個」にもおよぶとか(基板などはそのまま。どこまで分解するかは筆者さんのさじ加減次第のようです)。
説明文:「本書では、デザインの代表作ともいえる製品を分解し、ひとつひとつの部品を並べて撮影した。掲載されている製品は全部で50種で、分解された部品総数は、21,959 個にもおよぶ。テクノロジーの進化は、もののサイズを小さくしたが、同時に、その構造を複雑にした。小さいものが、少ない部品で作られているとは限らない。普段使っているものの機能や構造・複雑性にあらためて気付かされると同時に、すべての部品が規則正しく並べられている美しさに、目を奪われること必至の写真集。」
ハードディスクやスマホ、パソコン、携帯ゲーム器などの現代のもの、また懐中時計やタイプライター、レコードプレイヤー、アコーディオン、グランドピアノなどの古い道具など。現代社会の象徴ともいえる便利な道具たちは、生活の一部として溶け込んでいます。
たくさんのパーツが組み立てられているものですから、それをパーツに分解して並べる楽しさ・美しさは、比較的思いつきやすいでしょう。しかし、それを宙に浮いているように撮影するのは、素晴らしいアイディアですね。パーツが壊れないまま破裂したかのような、不思議な世界観です。
分解できるパーツ、できないパーツがあるため、現代の製品はかえってパーツ数が少なくなる傾向にあるようです。造形もシンプルで、それほど意外性はありません。
しかし、少し古い製品、たとえばタイプライターやアコーディオンなどになると、パーツ単体からして美しい曲線を描いていて、本当に見事ですね。美しい機械(や道具)は、部品までも美しいのかもしれません。
図書館で見つけて何気なく手にとった写真集ですが、かなり面白かったです!