2015-03-04
幻獣標本採集誌
存在しない「幻獣」の標本をモチーフにしたアート作品集。手元に置きたくなる存在感!
存在しない「幻獣」の標本を模した作品を発表しているアーティスト・江本創さんの作品集。龍・悪魔・人面魚・河童・ツチノコ・恐竜・不思議な魚など、妄想の中の生き物を対象としているのですが、いかにも標本っぽい茶色をしていて、手を触れればバリバリと粉になってしまいそうな素材感があり、とてもリアルです。
説明文:「謎多きロシア人科学者、アレクサンドル・ヒロポンスキー博士の孫娘アナスタシアが祖父の衣鉢を継ぎ求めた、未確認生物の数々!驚異の蒐集の成果を、ここに開陳!」
この「ロシア人科学者が……」というギミックを用いていて、背景の冒頭に説明があります。この設定は効いているような、余分なような(笑)
2006年に発売された作品集を、2014年に新装版として発売しなおしたものだとか。見ているだけで楽しい本ですから、出版社の方もいい仕事をなさったと思います!
また、同時に2011年発売の『幻獣標本箱』の新装版も拝見しましたが、個人的にはこちらの方が好みでした。
龍や亀、魚などのモチーフに加えて、虫人間、龍の骨格、マンドレイク、冬蛙夏草など、不思議度合いが増しています。タイトル通り、不思議な標本箱を覗きこんでいるような楽しさがあり、ワクワクしながら拝見しました。興味のある方はぜひ!