2015-05-24
日本民藝館手帖
東京・駒場「日本民藝館」の所蔵品を紹介していく一冊。その理念と美しさを知る入門書に
東京・駒場にある「日本民藝館」の所蔵品を、解説とともに紹介していく一冊。掲載点数はそれほど多くありませんが、その成り立ち・特色などが把握しやすい内容です。決して平易で読みやすいとは言いませんが、民藝の入門書としては適度かもしれません。
説明文:「日本民藝館は、民芸運動の主唱者であった柳宗悦により、1936年(昭和11年)に駒場に創設された、日本各地の焼き物、染織、漆器、木竹工などを集めた美術館です。展示されている品々は、それまでの美術史が正当に評価してこなかった、無名の工人の作になる日用雑器、朝鮮王朝時代の美術工芸品、木喰の仏像などで、柳本人が日本各地を歩き回って蒐集したものです。」
民芸運動を提唱した、柳宗悦らによって収集された作品は多岐に及び、本書ではその分類ごとに点数を絞って紹介しています。
エリア別には、朝鮮・日本・沖縄・アイヌ・台湾・中国・西洋の項目に分かれており、それぞれの特徴的な作品が集められています。今見ても(または今見るからこそ)まったく古びない普遍的な美しさを持つ作品ばかりで、素晴らしい審美眼ですね。
さらに同人作家たち(バーナード・リーチ、濱田庄司、河井寛次郎、芹沢けい介、棟方志功)の作品、日本民藝館の建物や施設の紹介など、施設全体の紹介をするような内容にもなっています。
私はまだ日本民藝館には行ったことはありませんが、まずこの本を読み、軽く予習してから拝見したいですね。