ねこと国芳
無類のネコ好き浮世絵師・歌川国芳の猫作品集。ゆるいネコたちの姿に癒されます!
ネコ好きで知られる浮世絵師・歌川国芳の猫作品を、76点も収録した作品。美人画の片隅に描かれる猫、風景に溶け込む猫、擬人化された猫、当て字の図柄にされた猫など、全部で352匹もの猫が登場します!
説明文:「猫好きのかゆいところに手が届く、国芳の猫の描写
有名な《其まゝ地口猫飼好五十三疋》にとどまらず、描きに描いた猫の絵の中から、めずらしい素描や、全編に渡って挿絵を描いた猫の冒険物語『朧月猫の草紙』、猫の役者が大勢登場する団扇絵、踊る妖怪猫、猫でできた当字、盆画に粗相をしてしまう子猫など、本邦初公開の作品を含む、たまらなく魅力的な猫たち352匹を紹介します。」
大胆な構図が特徴の歌川国芳ですが、本当に猫を描いた作品が多いんですね。江戸の町にも猫好きはたくさんいたのでしょう。基本的にはゆるーい表情や仕草で描かれていて、窓辺に腰掛けた美人の足の下で遊ばれている「当世商人日斗計 日九時」、お尻を高く突き上げて大あくびをしている「艶姿十六女仙 豊干禅師」など、まぁ可愛いです。
美人絵や役者絵がご禁制となった時代には、猫を人間に見立てた作品なども多数残していますが、この猫たちの生意気そうで不遜な表情もいいですね。
本書では、国芳が猫を描いた作品と、日本語と英語の解説を、基本的に見開き2ページずつで紹介しています。猫の部分だけの拡大図が入れられたり、見開きいっぱいに画像が掲載されたりと、アート作品集としてもよく出来ていますね。英語の解説も入っていますので、海外へのおみやげとしても十分に通用するでしょう。
また、この本についている「しおり紐」の先端は、国芳が描いたお座りした猫の絵が付けられています(画像3枚目に写っています)。凝ってて面白いですね!企画展の目録でもここまでやらないでしょう。
猫を描いた作品以外にも、ユニークな浮世絵を多数描いていますので、国芳の仕事全般を知りたい方は『もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)』(Amazon)辺りから読んでみるのもいいでしょう。