2012-11-19
柳宗悦民藝の旅―“手仕事の日本”を歩く (別冊太陽 太陽の地図帖 7)
柳宗悦氏が愛した「日本の手仕事」たち。写真を見ているだけでも魅了されます
日本中の民藝を再評価し、手仕事で作らえた日用品の美しさを世に知らしめた「柳宗悦(やなぎむねよし)」さん。氏が好んだ品々を、北から順番に50品ほど紹介しています。別冊太陽のさらに別冊となる「太陽の地図帖」シリーズですから、基本は『柳宗悦の世界 (別冊太陽)』と近いものですが、よりシンプルに分かりやすいですね。氏が愛した民藝品の美しさが誌面から伝わってきます。
個人的にも、盛岡の南部鉄瓶、小田原の箱根寄木細工、甲府の印伝、富山の八尾和紙、和歌山の棕櫚箒(しゅろぼうき)、大分の小鹿田焼など、ページをめくっていくごとに、素朴で美しい道具たちが現れて、とにかく楽しいですね。年を取るごとにこういったものが好きになっていくのは不思議なものだと思います(笑)
なお、奈良県から取り上げられているのは、古梅園さんの「墨」でした。ちなみに、奈良を拠点に活動する映画監督・河瀬直美さんの好きな道具についての短いエッセイも掲載されていますが、そこでは倉敷の西阿知花筵(にしあちはなむしろ)という「むしろ」を紹介しているのも、ちょっと意外で面白かったです。
こうした民藝品の紹介がメインですが、柳宗悦氏の業績・日本民藝館の紹介・掲載商品が購入できるお店の案内などもありますので、日本の伝統的な手仕事にちょっとだけ興味があるという方には最適ですね。100ページ以下のムック本ですから、ぜひ気軽に手にとってみてください。