
2012-10-28
ぼおるぺん古事記 (二) 地の巻
ボールペンで描かれた可愛らしい古事記の世界。難解な古事記も親しみやすく!
漫画家こうの史代さんがボールペンで描いた、優しい雰囲気の古事記漫画の新刊。第一巻『ぼおるぺん 古事記 一』(Amazon)が大のお気に入りだったので、続編もまとめて購入しました。
いよいよオオクニヌシが主人公となり、出雲を舞台として、因幡の白莵・根の国訪問・妻問い・国譲りのエピソードまでの8話が収録されています。
以前にも書きましたが、とにかくボールペンで描かれた絵のタッチがいいんですよ。悪事を働くスサノヲにしても、どこか憎めない表情で愛らしく描かれています。セリフなどは現代文ではなく、原文のトーンを残していますので、やや読みづらさもありますが、それを補って余りある絵の力ですね。
古事記編纂1300年イヤーの今年、古事記関連の本がたくさん出版されています。しかし、文章で古事記の世界に入ろうとしても、難解だったり退屈だったりで、なかなか集中できない方も多いようです。そんな方にこそ、このシリーズをオススメしたいですね。ややクセはありますが、登場人物みんなが好きになれますから、古事記の世界が親しみやすく感じられると思います。
第三巻となる「海の巻」も間もなく発売になるようです。WEBマガジン「ウエブ平凡」( http://goo.gl/SgBp1 )で連載されていたものの単行本化のため、作品の一部はここでも読めるようになっていますので、興味のある方は覗いてみてください。