
五月女ケイ子のレッツ!!古事記
脱力系イラストと独自の世界観。摩訶不思議な古事記の世界を親しみやすく面白く!良書です
ゆるいテイストで大人気のイラストレーター・五月女ケイ子さんが手がけた古事記本。脱力系のイラストと独自の解釈を駆使して、不可思議な古事記の世界を、より親しみやすく、より笑える世界に変換して楽しませてくれる良書です。
発売は2008年夏。古事記編纂1300年の記念イヤーに乗じて出版されたものではなく、この手の本の先鞭をつけた一冊ですね。とっくに読んだものだと思い込んでましたが、どうも初めてだったようです。かなり面白いので、もっと早くご紹介したかったです!
説明文:「ケイ子が古事記を描きました!古典なんてお堅くて……なんて思っているそこのあなた!あの、大人気イラストレーターが、他の本とはひと味もふた味も違う神々を描きました。五月女ワールド全開の「古事記」をご堪能あれ!!」
古事記には難解な表現も多いですから、やや取っ付きづらいイメージがあるものです。時にはSF的だったり、グロテスクだったり、辻褄が合わなかったり。そういった点を好奇心に満ちた現代人による自由な解釈で、楽しく紹介してくれています。
ヤマタノオロチ退治に向かうスサノヲが(岩鬼的な)葉っぱをくわえていたり、オオナムジが眼鏡男子だったり(呼び名はオオちゃん)、タケミナカタが学ランにリーゼントの不良の姿で描かれていたり、世界観を伝えながらもかなり遊んでいます。
例えば大学生くらいの子から「古事記に興味が出てきたんですけど、どれから読めばいいですか?」と聞かれたら、まずこの本を勧めるかもしれません。誤った知識を植え付ける可能性もありますが、エンターテイメント性に富んだ古事記の神々のストーリーは、このくらいぶっ飛んだ表現でも十分に耐えられますからね。
ストーリーを丁寧に追っているものではありませんし、お勉強にはなりませんが、ゆるーく古事記の世界に触れてみたいという方はぜひどうぞ!