2012-07-30

平山郁夫 (別冊太陽 日本のこころ)

シルクロードに魅せられた偉大な日本画家。入門書としても最適です

シルクロードの風景を描いた作品などで知られる日本画家・故平山郁夫さん。奈良には、薬師寺の玄奘三蔵院の壁画でお馴染みですし、最近はNHKで特集番組が放送されるなどしたため、個人的に作品集など探していました。

少し前に、講談社カルチャーブックスの『平山郁夫・絹の道から大和へ―私の仕事と人生』などを読みましたが、自伝的な要素の強い一冊でした。やや収録点数が少ないため他の本を探したところ、さすがは別冊太陽。こちらは約100点の作品が、仏教画・シルクロード・日本の風景などのテーマごとに紹介されています。

また、平山郁夫さんの人となりも余すところ無く紹介されていて、とても興味深いですね。広島での被爆体験や、玄奘三蔵を足跡を追いかける旅を始めたきっかけなど、丁寧に解説されています。薬師寺の玄奘三蔵院伽藍に奉納された「大唐西域壁画」についても詳しく触れられていて、薬師寺から依頼を受けて画料を受け取って描くのではなく、制作費を負担し、薬師寺とともに施主となったのだとか。作品の完成は、1991年の落慶法要には間に合わず、依頼主でもある元管主の故高田好胤氏にお見せできなかったとか。様々なドラマが秘められていたんですね。

ユネスコ親善大使として私財を投げうって文化財保護の活動を行った同氏だけに、西域をテーマにして描いたものでは、破壊されたバーミアン大石仏などを描いた作品が心に残ります。また、初期の幻想的な仏教画や、奈良や京都などの古都を描いた作品など、どのシリーズも日本画らしい繊細な美しさがあります。「平山郁夫さんって名前しか知らない」というような方にもぜひ手にとって欲しい一冊ですね。


『<$MTEntryTitle$>』より

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