ワンダーJAPAN 20 (三才ムック vol.511)
日本の「異空間」探検マガジンがついに20号!内容充実です
日本各地に点在するB級スポット・珍スポットを紹介する雑誌『ワンダーJAPAN』。発売ペースを変えながら、ついに20号に到達しました。現在は年二回とゆったりしたことから、最新号はほぼ160ページ丸々捨てページ無しの充実度。今回も、珍奇な公園遊具、廃工場、廃橋、現在に残る赤線街跡、テーマパーク廃墟、地下の巨大建築物、珍寺、珍工場、珍博物館など盛りだくさんで、毎号のことですが、世の中には色んな視点があるんだと感心してしまいます。
今回の大特集は2種類。冒頭の「埼玉・東京ワンダー」では、関東近郊の物件が紹介されています。廃工場や廃病院、発電所跡、巨大な聖観音像が並ぶ鳥居観音、台湾道教の風変わりな建築が目につく聖天宮、(会津若松のものではない)さざえ堂など、圧巻ですね。
巻末の特集は「戦争遺跡」。30ページ以上にわたって、小笠原諸島や関東近郊の戦争遺構を紹介しています。終戦から長い年月が経ち、砲台など朽ち果てかけたものも多いのですが、いまだにこれだけの数が日本に遺っていて、ひっそりと眠っているのかと思うと、不思議な気分になります。
また、何気なく戦争遺跡の特集を見ていたら、突然、奈良県香芝市の「屯鶴峯(どんづるぼう)」が登場して驚きました。屯鶴峯とは、石灰石で形成された岩山で、天然記念物にも指定されています。その地下に、総延長2kmもある巨大な地下要塞が築かれていて、現在もそこに立ち入ることができるそうです(ただし、入り口はなかなか見つからないとか))。
名称は「屯鶴峯地下要塞」。陸軍の大正飛行場を中心とした、本土決戦用の防空システムの司令部として使用するために掘られた地下トンネルでしたが、使用されることなく終戦を迎えたようです。この計画が進んでいたら、二上山の周辺には高射砲台や燃料貯蔵施設などが作られ、軍の一大拠点になっていた可能性が高いとか。戦争の記憶がこんな身近に遺されているんですね。
そんなこんなを全て引っくるめての雑誌ですので、ちょっと変わったスポットに興味がある方は、ぜひ手にとって見て欲しい一冊です。
なお。このシリーズについては、以前に「身近な異空間!B級スポット満載の雑誌『ワンダーJAPAN』」という記事を書いていますので、合わせてご覧ください。