2014-03-24

南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史

ラブドールの歴史をたどった真面目な一冊。(※アダルトではありませんが18禁で)

ダッチワイフ(最近ではラブドール)と呼ばれる性具について、その歴史や製造方法、製作者やマニアへのインタビューなどを交えて考察する一冊。Amazonなどでも18禁扱いを受けていますが、内容はとても真面目で、決してエロ本ではありません。普段は日の目を見ないマイナー産業にスポットを当てた良書です。

(※いずれにしても、こどもが読むような内容ではありません)

説明文:「南極観測隊のための特殊用途人形、「南極1号」は実在したか!?ダッチワイフづくりに賭けた男たちが挑んだもうひとつのプロジェクトX。綿密な取材により、その進化と変遷をあますところなく描いた異色のノンフィクション。カラー写真8ページ付き。エロ本ではありません!!みんなに読んでもらいたい、まじめな本です!」


本書の項目は「ダッチワイフの履歴書」「素材革命─風船からシリコンへ」「開発者の苦闘と喜び」「ダッチワイフの主人公たち」。繰り返しますが、いたって真面目です。

旧日本軍が開発した「擬似女体」から、膨らました風船のようなものへ、そしてシリコンへと進化していく過程などが語られます。口を開けた間抜けな風貌から、60~70年代のサブカルシーンによく登場したりしていましたね。

また、都市伝説風の「南極1号は実在したか」という項目も興味深かったです。南極越冬隊がイグルー(イヌイットの簡易住居)の中に「ベンテンさん」と呼ばれる性処理目的の人形を置いたのは事実だったとか。しかし、あまりの寒さで使用する者は一人もいなかったのだとか。

そんな歴史ネタから、1体数十万円もする現代の精巧なラブドールの紹介、その作り手のこだわりなど、徹底的に濃い内容です。なかなか不思議な世界ですので、物好きな方はぜひ!


『<$MTEntryTitle$>』より

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