鳥居大図鑑
全国57の美しい鳥居、変わった鳥居を紹介。観察・分類することの楽しさよ!
神社などの入口に建つ「鳥居」に注目し、全国の57の神社の美しい鳥居、変わった鳥居などを紹介した一冊。何の気なしにくくぐってきた鳥居ですが、細部まで観察することでここまで世界が広がるとは!マニアックで楽しい一冊でした。
「内容紹介」より
鳥居とは、神社の神域の入口を表す建築物です(起源は諸説あり)。形には、大まかに3系統あるとか。
[1] 神明系鳥居(笠木に反り増しがなく、鳥木がないシンプルな鳥居)
[2] 明神系鳥居(鳥居の上部は笠木だけではなく、その下に鳥木がある。最もポピュラーな形)
[3] 明神系から発展(両部鳥居・三輪鳥居・山王鳥居などのバリエーション)
全国的に有名な鳥居といえば、三重県・伊勢神宮のシンプルな唯一神明鳥居、京都府・伏見稲荷大社の千本鳥居、広島県・厳島神社の海上に建つ大鳥居などが思い浮かびます。本書にはそれらとともに、全国の有名な神社のものが紹介され、それぞれ詳細な解説がつけられています。
鳥居の見方といってもなかなかピンときませんが、歴史やディテール、扁額の付き方など、細かなチェックポイントがあることが理解できて面白いですね。
奈良県からは、桜井市・大神神社(三ツ鳥居・拝殿前の標柱・日本最大の金属製鳥居である一の鳥居)、奈良市・春日大社(一之鳥居など)が紹介されています。古代祭祀の形態を残すとされる大神神社は、鳥居的な視点からでも独特な存在であることがはっきりとわかります。
また、全国のかなり風変わりな鳥居も紹介されていて、いつか見てみたいですね。
●東京都・港区の「烏森神社」。カラフルな御朱印で有名な神社。鳥居は1971年に建築家・郡菊夫さんによってデザインされた、不思議な形状のモダンなもの。
●佐賀県藤津郡の「大魚神社」の海中鳥居。海の奥へと4基の鳥居が立ち並んでいる。朱塗りが美しい木製で30年ごとに建て替えられているとか。
●長崎県・対馬市の「和多都美神社」。海中から本殿へ向かって5基あり、2基は海中に建ち、地上の2基は正三角形に組み合わせられた三柱鳥居。珍しい!
専門用語も多く出てきますが、見ているだけでも楽しいですね。新しい世界が開けました!