2016-10-15
古代天皇誌
神武~桓武天皇まで、古代の天皇を解説。やや駆け足で消化不良感も
奈良県立図書情報館長の千田稔さんのご著書です。産経新聞奈良版の連載記事をまとめたもので、初代・神武天皇から、平安遷都を行った桓武天皇まで、50代の天皇について語っています。
説明文:「【日本創生と大和の天皇】『日本書紀』『続日本紀』の記述を中心に、古代の天皇ひとりひとりについて多彩な見地からひもといていく。天皇の伝説・伝承と、関連する地名、史実を織り交ぜ、考古学的資料も紹介しつつ描かれる、神武から桓武まで、欠史8代を含む50代の天皇像。御陵多数を含む写真(モノクロ)100点を収録。」
実在が疑われている2代~9代(欠史八代)はまとめて書かれていますが(それもわずか2ページです)、40名以上の古代の天皇について、日本書紀や続日本紀の記述からその事績などを解説していくのですから、かなりやや駆け足気味で、不完全燃焼な感はありました。
同じように紙上での連載記事をまとめた『古事記の奈良大和路』(紹介記事)も拝読してますが、連載のつぎはぎを感じさせないような内容で、こちらは読み物としてとても面白かったのです。
しかし、本書は短い章の中でも細切れな印象があったりして、やや集中しづらい感がありました。ちょっと残念ですね。
とはいえ、私がまったく知らなかった見方が多数指摘されていたり、独自の説を展開なさっていたり、最後まで楽しく読了しました。内容はそれなりの難易度ですが、比較的軽めの読みやすい文体ですので、興味のあるかたはどうぞ!