「古代史」ミステリーツアー (だいわ文庫)
古事記・邪馬台国・蘇我氏など、古代史を17のテーマで解説。分かりやすい内容です
縄文時代から古事記、邪馬台国、大和王朝など、古代史の17のテーマについて、ルートマップ付きで解説した一冊。古代史研究者の瀧音能之さんが監修したもので、論争になっているものも各論を平たく紹介しており、ぶっ飛んだ新説などが提示されるような内容ではありません。初心者さんにも読みやすい内容でしょう。
じつは、蘇我氏により殺害された崇峻天皇の本当の墓と目される、桜井市・天王山古墳の写真を提供させていただいたため(P103)、編集者さんからご献本いただきました。2015年9月の発売でしばらく本棚に積んでおきましたが、読み始めたら面白くて、あっという間に読み終えました。
説明文:「宮都跡、神社寺院、古墳、神話の伝承地、出土した土偶や青銅器―。17の「謎」をテーマにした旅から、古代日本のミステリアスな魅力と全貌が浮かび上がる!」
本書では、17の項目ごとにまずはマップが掲載され、各地を順番に巡る、という構成になっています。例えば、ルート7「蘇我氏の盛衰」では、関連する土地として蘇我都比子神社・島庄遺跡・天王山古墳・石舞台古墳・甘樫丘が登場。場所とともにエピソードや現在の学説などを紹介しています。
●東北地方の縄文人 ●邪馬台国─九州編 ●邪馬台国─大和編 ●幻の古代出雲王国 ●日本神話と出雲 ●古代豪族の姿 ●聖徳太子の謎 ●大化改新の虚実 ●古代最大の内乱 ●太陽信仰の源流 ●『万葉集』の謎 ●宮廷内の紆余曲折 ●仏教寺院を巡る謎 ●天孫降臨の裏事情 ●天皇家の物語 ●九州王国の実像
項目名だけではやや分かりづらいものもありますが、縄文から日本神話、葛城市の盛衰、聖徳太子、壬申の乱、磐井の乱など、主なトピックはしっかり抑えています。図や表も豊富で分かりやすいですね。いろんな説が見られますので、初心者の方もぜひ!