
2016-09-22
マンガで楽しむ古典 万葉集
万葉集をわかりやすく解説。ボリュームたっぷりで読み応えあり!
奈良時代に編纂された現存最古の歌集「万葉集」について、歌の背景や読み手の状況などを、わかりやすい漫画を織り交ぜながら解説した一冊。明日香村・奈良県立万葉文化館の主任研究員の井上さやかさんが監修なさってます。
万葉集には約4,500首ほどの歌が収められていますが、本書では「愛の歌」「四季と暮らしの歌」「日本全国ゆかりの歌」のテーマにわけて、150首以上を紹介しています。
万葉歌は言葉遣いなどが難しく感じられるため、こうしたとっつきやすくする仕掛けをした本は多数出ていますが、本書はバランスがいいですね。歌の紹介、漫画、解説、背景、ミニ知識、関連する歌など、2~4ページ単位でテンポよく万葉歌が紹介されます。
しかも、約320ページという大ボリューム!気が向いた時にぱらぱらっとページをめくっていたのですが、なかなか読み終わらなかったほどです。とはいえ、決して頭から順番に読む必要も、最後まで通読する必要もありませんから、ページ数の割には気軽に向き合えるでしょう。
私も万葉集の解説本は何冊も読んでいますが、本書は初心者の方にもお勧めしたい内容だと思います。難しそうに思える万葉歌ですが、意外なほど俗っぽくて、現代人と考えていることはあまり変わりません。きっと身近に感じられるでしょう!