気がつけばチェーン店ばかりでメシを食べている
男性ライターがチェーン店について思うままに。時間の経過が感じられて妙な味わい深さに
男性ライターが身近なチェーン店について思うままに書き連ねたエッセイ。『月刊散歩の達人』誌に連載していた「絶頂チェーン店」シリーズを一冊にまとめたもの。
決して真剣に食べ歩いたり、強みや弱みを考察したりするわけではなく、筆者の記憶だったり、好きなメニューだったり、思いつくまま書き連ねています。それがとても軽快で、楽しい雑文になっていますね。
説明文:「ウマいか?→まあ、フツー。安い?→まあ、そこそこ。早い?→まあ、確かに。吉野家、ココイチから野郎ラーメン、カラオケパセラまで35軒のチェーン店が俺を魅了して止まない理由。」
本書では、計36のチェーン店が取り上げられています。
吉野家・山田うどん・CoCo壱番屋・びっくりドンキー・餃子の王将・サイゼリヤ・かっぱ寿司・マクドナルド・やよい軒・牛角・くるまやラーメン・ビッグボーイ・日高屋・築地銀だこ・バーミヤン・てんや・どん亭・リンガーハット・東京チカラめし、などなど。
関東のみで展開しているお店もありますが、どれも名前を知っているような有名店ばかりです。私も若い頃にはお世話になりましたし、意外と嫌いではありませんでしたので、どれも楽しく読めました。
2007年、筆者が32歳のときにこの連載が始まり、中断をはさみながらも足掛け8年続いたとか。若い頃は、好きでも嫌いでもなく、普通に通っていたチェーン店も、結婚や子供が誕生したりすると足が遠のいたりするものです。また、体が老化していくにしたがって、独身男性が好むガッツリ系が食べられなくなったり、さまざまな変化が押し寄せてきます。
このエッセイ集の中に、そんな一人の男性の年輪が垣間見えて、同じ中年男性として共感できました(笑)
また、筆者さんの文章が、荒削りながら勢いがあって、とっても楽しいんですよね。私も文章を書く機会が多いのですが、こういうタッチで書いたことがないので、思わず感心してしまいました。
……などなど、いろんなことを考えながら読みましたが、面白いですよ!気軽に手に取れて、楽しめる一冊です。