にっぽん全国 百年食堂
椎名誠さんが全国の百年近く続く大衆食堂をめぐった一冊。肩の力を抜いて気軽に読めます
北海道から沖縄まで、椎名誠さんが日本全国の百年近く続いている大衆食堂をめぐる企画本。和食・洋食・中華・ジャンクフードなどの種類は問わず、とにかく何代も続いているお店だけを食べ歩くという、想像するだけで大変そうな企画内容です。
説明文:「「めし」「定食」好きでおなじみの著者が、日本各地で100年ほど続いている大衆食堂を訪ね歩き、その魅力を綴ります。お店と味わい深い料理とのショッキングな出会いと魅力、親父さん女将さん看板娘との面白&温かいエピソード、めしや食堂のシーナ流ウンチク、旅の騒動などを、肩の力を抜いて描く珍道中記。椎名テイスト&椎名ワールドが炸裂します。」
全国へ取材へ行き、その土地の百年近く続くお店2軒で食事するというスタイルで、4年も掛けて42店舗を周っています。この取材の何が大変というと、「百年続いたからといって、そのお店のお料理が美味しいとは限らないこと」でしょう。とりあえず歴史があるのが最優先ですから、味はいたって普通だったりするんです。取材者として難しい対象ですね(笑)
どのお店でも、お店のおすすめメニューを中心にわしわしと食べまくるのですが、特に味について丁寧にコメントをするのではなく、食事しながらお店の方たちにお話を聞いていくことがメインです。
どこも老舗意識は薄く、「成り行きでここまでやって来ました」と愚痴をこぼされたりすることも多いのだとか。跡取りが見つからないところも少なくなく、自分が出来なくなったらサラッと閉店するというところも多いようです。仕方ないこととはいえ、惜しいですね。
街の大衆食堂はたくさんありますが、全国を回った椎名さんが発見した「長続きの公式」は、「土地のヒトの安心する味」を提供することだとか。その土地の人たちが好む味を変わらず守り、決して東京で流行っている味などになびかないことが重要のようです。
また、長く続いているだけではなく、美味しくて流行っているお店を見分ける方法としては、「第二駐車場がある店は可能性大」「厨房が広く清潔で使用人が沢山いて活気がある」の2点だとか。
シーナさんの他のこの系統の著書と同様に、読んでも特に役立つ情報があるわけではありません。しかし、男ならこういう下らない企画を好きな方は多いでしょう。気軽にニコニコしながら読めて、読後にはかなり元気になっています!私もいつかこんな企画をやってみたいですね!