四時から飲み: ぶらり隠れ酒散歩 (とんぼの本)
林家正蔵さんが夕方4時から飲める店を教える一冊。魅惑的!日本酒が飲みたくなります!
江戸っ子落語家・林家正蔵さんが、まだ明るい4時から飲める店を教えるという、とても魅力的な一冊。雑誌『東京人』の連載記事「四時からの悦楽」をまとめたものだとか。
東京からはるか遠くに暮らしているので、「こんな本を読んでも役に立たないから」と、何度も手にとっては棚に戻していましたが、やっぱり面白かった!食いしん坊にはたまりませんね。
説明文:「後ろめたさも味のうち。日暮れ前に飲む酒のウマイこと!食通で知られる江戸っ子落語家が、教えたくないけどこっそり教えちゃうとっておきの名店30。」
噺家さんという稼業は、夕方から不意に時間が空くことも多く、明るい時間に酒を飲み始めたりすることも少なくないのだとか。「四時飲み」では、以下のような大まかなルールを設けています。
一.後ろめたさを友とし、堂々と胸を張らずにこそこそっとのれんをくぐる。
一.財布をいためない店を捜す。基本3000円以内。但し時にはごほうびもあり。
一.基本は一人酒。多くても三人連れまで。大人数の宴会はご法度。
一.良い店は、あまり人に教えない。
酒飲みにとってはたまらないですね!エリアは、谷根千・銀座・浅草・赤羽など。純粋な飲み屋さん、食堂、焼き鳥屋、蕎麦屋など、「中休みして17時から開く」というような店ではなく、ちゃんと16時から呑める店ばかりを紹介しています。
「50を過ぎると立ち呑みはつらく、千ベロ(※千円でベロベロに酔うこと)は少々品がない。朝飲みは身上をつぶすし、ランチビールは気どりすぎ。後ろめたさと飲みたい気分をふるいにかけたら『四時飲み』がコロリと目の前に転がりでた。(中略)四時から飲みだせば夕飯前にはいい気分。早寝はできるし、二日酔いにもならない。(本書の前書きより)」
こんな前口上もいいですね!私が東京に住んでいたら、この本を片手に下町を巡っていると思います。ただ、飲む量は控えめで、食べることがメインであること。「これは3000円で済まないでしょ?」というお店も混ざることは注意が必要ですね。
また、小唄の稽古をしてみたり、噺家さんの日常生活が少しだけ垣間見れるのも楽しいです。正直なところ、林家正蔵さんはテレビの中でしかお見かけしたことがなく、単なるタレントさんとして見ていましたが、この本で親近感が激増しました(笑)