日本酒ガールの関西ほろ酔い蔵さんぽ
関西の33の酒蔵を丁寧に取材し、やわらかいイラストと文章で紹介。読みやすくて実用的!
日本酒を愛する「日本酒ガール」が、関西の33の酒蔵を取材し、やわらかいイラストと文章で紹介した一冊。丁寧に酒蔵の取材を行っていて、思わず感心してしまいます。蔵めぐりの情報とともに、周辺の見どころなども紹介してあって、実用的にも使える内容でしょう。
説明文:「好きな酒は「日本酒」と答える女性が増えた。巷の居酒屋にも充実の銘柄が並ぶ。日本酒ファンには良い時代になりました。米と水。基本の原料はこれだけ。麹菌と酵母の力を借りて、日本酒は生まれる。本当にそれだけ?もうひとつ大事なものがあります。美味しく造ろうと日々努力する人たちです。一杯のお酒の誕生に伴う、数々のストーリー。造り手に思いを馳せながら飲めば今日からあなたも日本酒ガール。」
筆者の「日本酒ガール」こと松浦すみれさんは、酒の神をまつる松尾大社に巫女さんとしてお仕えしていたことから、次第に日本酒の魅力にはまり、各地の酒蔵探訪をするようになったのだとか。女性らしい視点で、初心者にも分かりやすくお酒の魅力、注意点などを紹介していて、とても好感が持てます。
本書では、「京都・伏見編」「京都・北部編」「滋賀編」「奈良編」「大阪編」「兵庫編」「和歌山編」というエリアごとに酒蔵を紹介しています。各蔵は見開き2ページずつ、片側はほぼイラストのみを使っていて、とても華やかですね。
奈良編では、奈良市・今西清兵衛商店さん、橿原市・喜多酒造さん、香芝市・大倉本家さん、桜井市・今西酒造さん、吉野町・美吉野醸造さんの五蔵が紹介されています。蔵で働く人々や、オススメのお酒など、ポイントを抑えた内容で、蔵めぐりにでかけたくなりますね。
また、試飲や蔵見学が可能かどうか(事前予約すれば可能なところが多い)の情報もあり、「実際に行ける」ということに気づく方も多いでしょう。
また、奈良の項目では、「『菩提泉』誕生と復活の物語」「酒の祭りを訪ねて 奈良・正暦寺『菩提もと清酒祭』」といった読み物記事も掲載されています。なかなか読み応えがありました。
これ一冊で情報十分までは言いませんが、酒蔵めぐりをしてみようと考えている方へ入門編としては最適でしょう。日本酒に興味を持ち始めた方は、ぜひ手にとってみてください!