モノが少ないと快適に働ける: 書類の山から解放されるミニマリズム的整理術
「快適最小限」を目指すミニマリズム的仕事術。ものすごく腑に落ちて何度も読み直しました
仕事環境や道具、生活スタイルまで、無駄を削ぎ落として快適に動くことを追求している方の整理術。本当に必要なツールだけで仕事することを、筆者は「ミニマリズム」と呼び、「必要最小限」ではなく「快適最小限」を目指しています。
私自身、ネット偏重の特殊な自営業者で、もともとシンプルな仕事スタイルをしています。ライフハック的、仕事術的な本もたまに読みますが、たいていは悩みのポイントがずれていて役に立たないのですが、本書の著者さん(文具のコンサルタント業など)とやや近いのか、かなり共感できましたし、すでに何点か手法を取り入れています。
説明文:「紙類の流れをつくる、デスクのコックピット化、ミニマリズム的時間管理ほか、仕事がはかどる日々の習慣。」
●第一章 書類、ノート、名刺など紙類の流れをつくる
●第二章 デスク環境のミニマリズム
●第三章 ミニマリズム的時間管理
●第四章 ミニマリズム的プライベートライフ
第一章は、たまりやすい書類の整理術。現在使うもの、スキャンして廃棄するもの、保存するもの、廃棄するものに分けて管理しています。毎月1日を「スキャンの日」と決めていて、手帳を買ったらまず書き込むのだとか。こういう習慣付けをしてあると、無駄な書類の山から開放されるかもしれません。
冒頭に筆者のオフィスの写真が掲載されていますが、見事なほどシンプルです。用途ごとの机と椅子があり、パソコンの周りもすっきり。書類が散乱して気が散ったりしないようになっています。手帳の月間スケジュールのページを開いておけるよう、本立てなども定位置が決まっています。
また、文房具関連のお仕事をなさっているのに、使用する文具も快適最小限。「入れる場所が増えると自然と物が増える」これを避けるため、事務所にはあえて引き出しを作らなかったのだとか!同じような予備のペンが何本あっても、選ぶのに手間取るだけですから、ほんの数本あれば十分であり、効率的なのだとか。
数少ないツールを常に決まった場所に設置することを「デスクのコックピット化」と呼んでおり、必要なツールを探して意識を分散させないようにしています。ものすごく共感できるアイディアです!
また、発想を広げる作業には、必ず特定のノートとやや太め(0.7mm)のシャープペンシルを使うとか。そのツールを手にした途端に、アイディア出しに集中できるようなクセがつくんですね。また、太めのシャーペンを使うのは、字が弱々しいと出てきたアイディアも自信なさげにみえたりするから。個人的にかなり腑に落ちる意見でした。
スケジュール管理には、・マンスリーのみの手帳・TODO全集・工程表・時計式TODO管理付せん、この4種類を使用しているそうです。
スケジュール管理はマンスリーページのみで行い、アポイント以外のやることはすべてTODOに。本の執筆など作業工程の多い企画は工程表で管理。その日一日のやることは時計の文字盤型のTODOリストを使って管理し、時間が有限であることを意識しながら行うのだとか。
こうした方法は、すべてどこかの誰かがすでに提唱していたものばかりです。しかし、そのルールを細かくし、厳格に適用していくと、余計なことで悩む必要が減っていくんですね。とても窮屈そうでもありますが、こうすることで作業効率は格段にアップするでしょう。
基本的に私の好みに近い手法だったため、そのまま真似できるアイディアも多かったですし、エッセンスを取り入れたいという点も多く見つかりました。どなたにでも参考になるかどうかは分かりませんが、デスク仕事が多い自営業者であれば、なんらかのヒントになると思いますのでぜひ!