
外国人だけが知っている美しい日本~スイス人の私が愛する人と街と自然~
外国人目線で日本の魅力を教えてくれる一冊。ラーメンや居酒屋が人気など、発見があります
日本を世界へ紹介する英語サイト「ジャパンガイド」(月間最大1000万PV!)の運営者さんが、日本人が気づかない日本の魅力を教えてくれる一冊。
筆者さんはスイス人男性で、奥さまは日本人です。日本各地を旅してリアルな情報を発信している方だけに、日本の観光事情に詳しいのはもちろん、海外の方が面白がるポイントと私たちが想像しているポイントの違いが実感できて面白いですね。奈良の観光に携わる方にもぜひ読んで欲しい内容でした。
説明文:「京都・美山の茅葺き民家、エキゾチック・ジャパンそのものの宮島の佇まい、その年最初の紅葉を味わえる北海道大雪山、白石川堤の一目千本桜―月間1000万PVを誇る「ジャパンガイド」の運営者として、「ビジット・ジャパン大使」として、日本を愛する一個人として語る―日本人の知らない日本の魅力。」
スイス生まれの筆者さんは、サムライすら知らないほど日本に関する知識がなかったそうですが、学生時代にカナダへ留学した先で、長髪ジーンズ姿の日本人を見かけ、カルチャーショックを受けたとか。そこで日本人の女性と知り合い、後に結婚。海外で日本の観光ガイドサイトを運営していましたが、日本へ移住し、サイト運営を職業として生活できるようになったそうです。
日本へ来て驚いたことは、山手線の正確さ、落とし物が紛失せずに見つかること、サービスの良さ。神社仏閣やお城に感動し、ますます日本贔屓になっていたとか。
日本人はシャイだと言われますが、海外のようなフレンドリーな接客ではなく、フォーマルながら素晴らしい接客を行っていることも多いのだとか。大きな旅館などでは、英語の得意なスタッフが海外旅行者担当になっていて、海外風のフレンドリーな接客をしたりするところもあるようですが、こうしたことは望まれていないのだそうです。日本人のお客さまにするような、普通の接客をしていれば十分に通用するのだとか。
また、日本人には意外に思えますが、海外の方たちは定番ではない観光地を喜ぶ傾向にあります。トレイルを歩いて温泉へ入ったり、都会的なイメージの日本で、あえて西表島の大自然を満喫したり、SF映画のような軍艦島や、猫だらけの田代島へ渡ったり。
さらには、渋谷のスクランブル交差点の整然とした混雑具合に歓声を、入り組んだ日本の古い路地をあてもなく散策したり。また、紅葉や桜前線を追いかけるのも大人気のコンテンツとなっているのだそうです。こういった感覚は、日本に住んでいる者にとってはなかなか予想できないことでしょう。
食べ物にしても、人気なのはラーメンで、海外でもどんどんマニアが増え、日本に来て食べたいもののトップクラスとなっているのだとか。そして、いろんな日本食がリーズナブルに楽しめる「居酒屋」が人気だと言います。オリエンタルな雰囲気が味わえ、海外ではあまり意識されない「旬」の食材が食べられるなど、人気となるポイントがたくさんあるんですね。
私自身は英語も得意ではありませんし、海外からの旅行者さんと触れ合う機会もありませんので、こうした現状について感心しながら楽しく読了しました。
最近急に増えてきた、海外の方に「日本はすごい」と言わせていい気持ちにさせるような本とはまったく違いますので、ぜひ手にとってみてください!