蔵王さまと行者さま
吉野・金峯山寺さんの絵本シリーズ第1弾。続編「蛙飛び」ともに大人が読んでも楽しめます
奈良・吉野の世界遺産のお寺「金峯山寺」監修の絵本シリーズ第1弾。開祖となる役小角(役行者)の誕生から、山岳修行、蔵王権現さまの出現などを描いていいます。お子さん向けの絵本ですから、ストーリーは簡略化されていてとても分かりやすいですね。仏教や山岳宗教への興味を持たせるには最適でしょう。
また、松田大児さんの絵も味があって素晴らしいですね。巻末には役行者さまと金剛蔵王権現さまについての、詳しいテキスト解説もありますから、大人の方もぜひ手にとって欲しいと思います。
説明文:「修験道のご本尊「金剛蔵王権現さま」がお出ましになるまでの不思議を描いた絵本です。」
子宝に恵まれず悩んでいた、葛城山の麓に住む真影麿(まかげまろ)・刀良売(とらめ)の夫婦。ある夜、山の向こうから飛んできた金剛杵がお腹に入る夢を見て子供を授かり、生まれたのが役小角です。
山岳修行によって法力を得て、千日修行を続けていると、まずはお釈迦さまが現れますが「乱れた世を正すため、もっと違った姿でお出ましください」と小角はお願いします。すると観音さまが現れますが「もっと強いお姿で」、弥勒さまが現れると「もっと厳しいお姿で」と祈りを続け、千日目の日、厳しく恐ろしいお姿の「金剛蔵王権現」が出現なさいました。
このエピソードをシンプルにまとめてありますので、絵本で読むと不思議な迫力がありますね。とても興味深かったです。
さらに、シリーズ第2弾『蛙飛び』も同時に読みました。
荒くれ者の行者が、大鷲によって断崖絶壁の頂上に連れ去られます。遠くに通りがかった僧に助けを乞うと、蛙に姿を変えられて岸壁を降りて来られました。金峯山寺の僧たちの祈りが捧げられ、人間の姿に戻って改心します。毎年7月に行われる「蛙飛び」行事のもととなったお話ですね。
こちらもストーリー展開もすごければ、絵もすごい!カエルのどアップのページや表紙なんて大迫力です。
なお、こちらはまだ読んでいませんが、第3弾『鬼と行者さま』も発売になっていますので、探してみたいと思います!