2014-04-22
浮世絵美人解体新書
浮世絵の美人画に絞り、ややこしい解説抜きでただただ美人たちを眺める楽しい一冊です
浮世絵の大きなジャンルである「美人画」に絞り、どんな美人が描かれてきたのかを気楽に眺められる一冊。ややこしい歴史的な背景や、技術的な解説などは抜きにして、どんな美人が描かれて来たのかを俯瞰できる、とても楽しい内容でした。
説明文:「浮世絵本は数あれど、美人画に特化した本はそうそうありません。世界的にも珍しい男だらけの大都市・江戸で誕生した浮世絵は「美人が見たい」という渇望からスタートし発展していきます。美人画を通して見えてくるもの、それは日本人の嗜好つまり好みです。そして、それは現代のアイドルブームにもつながる源流といっても過言ではありません。肩の力を抜いて「世界選抜」の名画を鑑賞し、絵に描かれた背景を知れば、浮世絵の新しい愉しみ方が見えてきます。」
本書では、「ブロマイド・ヌード・ファッション・ニューハーフ・手タレ」というテーマごとに、美人画のみを次々に紹介していきます。菱川師宣や鳥居清信、鈴木春信・喜多川歌麿・葛飾北斎・伊東深水・月岡芳年など、さまざまな時代の絵師の作品が並びますが、難しい解説は一切ありません。巻末にも作者の一覧などはありません。
もとの浮世絵の全体を写した図と、美人の顔をアップにした大きめの図、そして大きなフォントでキャッチーなコピーが添えられて、次から次へとテンポ良く作品が紹介されています。一から浮世絵を学ぶには完全に不向きですが、美人画を楽しむためには最適な構成ですね。
こういう古典作品を気軽に親しめる本は大好きです。ぜひ探してみてください!