2014-03-20
M.C. Escher M.C.エッシャー (アイコン・シリーズ)
だまし絵で知られるエッシャーの作品集。不思議で多様な版画作品はまとめて観ると面白い!
だまし絵で知られるオランダの版画家、マウリッツ・エッシャーの作品集です。平面の中に不可思議な世界を描き出した作品は有名ですから、単なるトリッキーな作風の方かと思ったら、まとめて観ると面白いですね。作家本人についても詳しいことはほとんど知らなかったので、とても興味深かったです。
説明文:「オランダ生まれの画家M.C.エッシャーは、計算された幾何学的なイメージの不可思議な世界を精巧な版画技術によって作り出した。初期の作品から、無限の空間、多面体、相対性、不可能な建物などカテゴリー別に紹介。」
エッシャーの絵でもっとも有名なのは、二つの手がお互いを書きあっている『描く手』、永遠に続くループ状の階段が交錯した『上昇と下降』などでしょう。こうした不思議な空間を二次元に描き出した作品群は、今見てもわくわくしますね。また、同じ絵柄(魚やトカゲが多い)をタイル状に描いて画面を埋めていくパターンの作品など、ある意味では偏執的な傾向も感じさせます。
本書では、これらの代表的な作品とともに、本人からの序文・簡単な伝記が紹介されています。エッシャーのような作家が生前にどのような扱いを受けていたのかはまったく知りませんでしたが、ちゃんと有名な人気アーティストだったんですね。死後評価された……といったパターンじゃなかったことに、ちょっとだけホッとしました(笑)
また、この作品集には初期の版画作品も何点か掲載されています。自然や建物をモチーフにしていますが、それはそれでとても味のある作品なんですよね。
この本は190ページ近くある充実した作品集ですが、いつかもっと分厚い全集的なものも探して読んでみたいと思います。