2014-02-18
金魚養画場
金魚モチーフの樹脂作品で知られる深堀隆介さんの作品集。独自技法で泳ぎだしそうな金魚は見事!
金魚をテーマにした油彩画や樹脂作品を発表し続けるアーティスト「深堀隆介」さんの作品集です。
升や桶にリアルな金魚が入った立体作品が大きな話題になりましたが、これはこの方のオリジナル。容器に流し込んだ樹脂にアクリル絵の具で金魚を描き、それを何層にも重ねて立体感を出していく手法です。これが本物と見間違うほどリアルで、とにかく素敵ですね!
説明文:「容器に流し込んだ樹脂に金魚を描き、それを何層にも重ねることで立体感、生命感を閉じ込めるオリジナル技法の作品をはじめ、絵画や着物、パフォーマンスなど、10年にわたる活動を一挙公開。岡本太郎現代芸術大賞展入選など、国内外で今もっとも注目を浴びているアーティスト。夏の風物詩として、すべての日本人の心に刻まれた美しさが、現代アートでよみがえる。」
この方の作品は、金魚の優雅さ、それを緻密に写しとったリアルさ、リアルがゆえの薄気味悪さなどが入り混じって、とても不思議な印象を受けます。本物の水槽を覗きこんでいるような、しかしどこか非現実的なような。そんな奇妙さがいいですね。
この写真集の冒頭で、金魚養殖の発祥の地・大和郡山市についても触れられています。万葉集に収められた大津皇子の歌「百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠るなむ」という歌を紹介し、「今は無くなってしまった磐余の池が日本最初の金魚養殖池だったとしたら…」などと想像しているとか。奈良県民としてはなお親近感が湧きますね(笑)
アート作品として素晴らしいものですから、金魚好きな方はもちろん、色んな方に見て欲しいですね!