3Dプリンター完全マスター (NIKKEI TRENDY BOOKS)
手軽に立体造形物が作れる「3Dプリンター」の状況を解説した一冊。技術革新が起こりそう
手軽に立体造形物が作れることから、新たな産業革命のきっかけになるとさえ期待されている「3Dプリンター」について、現在の状況を解説した一冊。日経トレンディ誌による編集のため、どうやったら個人で活用できるかというノウハウ本ではなく、この技術が普及したらどのような変化が起きるか、という観点でまとめられています。
説明文:「新産業革命の起爆剤となるともいわれる3Dプリンター。数万円の家庭用製品の登場で関心も高まるなか、3Dプリンターの現在・未来を検証します。3Dプリンターとはどんなものなのか、どんなビジネスや商品造りが可能なのか、ものづくりの主役は本当に交代するのか、私たちの生活にどんな変化をもたらすのか――米国取材も敢行、国内サプライヤーの主役たちを、徹底取材して、3Dプリンターの現在・未来がわかる保存版です。」
3Dプリンターは現在、数十万円程度のエンドユーザー向け機種も登場してきており、近い将来には現在のプリンターのように一家に一台の時代がやってくると言われています。これさえあれば、写真のような2Dデータを紙に印刷するような感覚で、人物やペットなどの立体データを3Dフィギュアのように作れるようになるんですね。
産業的な応用範囲はまさに無限大で、フィギュアはもちろん、建物も完成模型、工業製品のモック、結婚記念に二人の姿を立体化など、価格低下にともないいくらでも利用場面は思い浮かびますね。実際にビジネスは動いていて、ハイエンドな機械を時間貸ししてくれる業者も続々と増えていますし、本体もより低価格化が進んでいます。
本書では、こうした状況についての解説と、一部機種の使用感レポートなど、3Dプリンターについて総合的にとらえた内容となっています。これさえあればすぐに活用できるというようなものではありませんが、全体像を把握するのにはいいでしょう。こういった概略を解説する本が発売されること自体が、その分野に期待が集まっている証拠でもありますね。
私も、図書館の新刊棚で見つけて何気なく借りてきただけですが、その活用法について色々と考えさせられました。それほど複雑な形で無ければ、すでに3Dデータは簡単に作れるようですし、一般のクリエイターが絵葉書を印刷する程度の気軽さで、立体造形物を作成できるんですから、色んな妄想が広がってきますね。興味のある方はどうぞ!