フランシス・ベーコン BACON
偉大な現代アーティストの作品集。解説はやや難解ですが、収録点数も多く見やすいです
ねじれた肉塊のような人物図を描く独特な作風の、20世紀を代表する現代画家「フランシス・ベーコン」(1909~1992)(Wikipedia)の作品集です。
現代画家の画集は図書館などでも見つからないことが多く、もっとも手近にあったものを選びました。2007年に発売されたものですが、解説がややアカデミックすぎて、やや理解しづらい感も。これとは別に、「芸術新潮 2013年4月号」のベーコン特集を読み、この本は作品を見るようにしました。
2013年春に30年ぶりの回顧展が日本で開催され、話題になったばかりです(東京国立近代美術館 フランシス・ベーコン展)。残念ながらそれは拝見できませんでしたが、画集などからその世界観に惹かれています。
正規の美術教育を受けておらず、デッサンが下手だったり、ゲイであったり。とても不可思議な人物だったようです。その作品も独特で、人体を描いているはずなのに、極端にデフォルメされ、単なる肉塊のように描かれているものが多いです。
顔は判別できないながらも、明らかに口があり、それを大きく開けて叫んでいるのが伝わってくるのです。ムンクの「叫び」と比べても、地底から聞こえてくるような、心の底からの激しい叫びが感じられ、絶望的なまでの孤独感が伝わってきます。見る者を不安にさせるような、突き動かすような、とてつもないパワーがありますね。
ちなみに、少し前には「フランシス・ベーコンの絵画、約141億円で落札:朝日新聞デジタル」というニュースが話題になりましたね。ベーコンが好んで書いた三部作(トリプティック)形式の「ルシアン・フロイドの三習作」で、オークションの美術品としては、あのムンクの「叫び」を抜いて史上最高額となったそうです。この作品も本書に小さめに収録されていました。
どの画集を選ぶべきかは分かりませんが、ぜひ図書館などで探してみてください。圧倒されます!