私の好きな料理の本
フードスタイリストが好きな(ややレトロな)料理本を紹介。こんな楽しみ方もいいですね!
フードスタイリストの高橋みどりさんが、ご自身の好きな料理の本を紹介していく一冊。紹介されている本はかなり古めで、内容もレトロ。探して見つかるとは限らないようなものがほとんどですが、どんな本だろうと想像するだけで楽しいですね。読みながらどこかで目にした内容だと思っていたら、雑誌「芸術新潮」の連載に加筆したものだとか。なるほど!
説明文:「くいしんぼうの味方72冊!! 写真にゴクリ、文章にうっとり、装丁にほれぼれ―手がけた料理本は100冊以上のフードスタイリストが、あのロングセラーから埋もれた名著まで、古今東西の食の本の世界をたっぷり案内。高山なおみさん、長尾智子さん、ホルトハウス房子さんなど、人気料理家やシェフたちのお気に入りの一冊も教えてもらいます。レシピ付き。」
毎回のテーマにそって、数々の料理関連の名著が紹介されていきますが、初回「料理すること、食べること」で真っ先に登場するのが、明治36年~37年に発売された村井弦斎『増補註釈 食道楽』全4巻。いきなり渋いです!この本は料理の楽しさや奥深さを、涙あり笑いあり色恋ありの小説仕立てにしたものだとか。明治時代にこんな本が出版されていたなんて驚きですね。
また本書では毎回、本に登場するレシピも再現して紹介されています。この『食道楽』からは、レモンのゼリーや蕪のスープとともに「赤茄子飯」というちょっと風変わりな名前のレシピも紹介されていました。実はこれ、赤茄子という名前ですがナスは使わず、トマトソースご飯のようなものなんですね。再現したいかはともかく、色んな発見があって面白いです。
この他にも、大正15年『家庭で出来る和洋菓子』、昭和47年~『世界の料理』全21巻、昭和24年『婦人新書 世界の馬鈴薯料理』東佐与子著、昭和45年『オムレツの本』、昭和50年『食卓のフォークロワ』などなど、興味深い本が多数紹介されています。
今でも手に入りそうな本で、特に読みたいと思ったのは、女優の高峰秀子さんの『台所のオーケストラ』昭和57年、沢村貞子さんの『わたしの献立日記』昭和63年などですね。素敵な料理を本で眺めるのも、とても楽しい時間ですから、ぜひ探してみたいと思います。