日本の10大新宗教 (幻冬舎新書)
主だった10の新宗教について、その歴史や特徴を解説した一冊。入門書には最適です
いわゆる「新宗教」と呼ばれる日本の教団の中から、主だったもの10余りを挙げて、その歴史や特徴を解説していった一冊です。新宗教については、思いがけないところで勧誘を受けたりと、人生の間でそれなりに接触はありましたが、何となくタブー視される傾向が強く、私もあまり知識はありませんでした。この本はとても理解しやすく解説してあって、入り口としては良かったと思います。
説明文:「多くの日本人は新宗教をずっと脅威と好奇の眼差しで見てきた。しかし、そもそも新宗教とはいかなる存在なのか。「宗教」の概念が初めてできた明治以後それがいつどう成立したか案外、知られていない。超巨大組織・創価学会に次ぐ教団はどこか、新宗教は高校野球をどう利用してきたか、などの疑問に答えつつ、代表的教団の教祖誕生から死と組織分裂、社会問題化した事件と弾圧までの物語をひもときながら、日本人の精神と宗教観を浮かび上がらせた画期的な書。」
本書で取り上げられた新宗教は以下のものです。
●天理教 ●大本 ●生長の家 ●天照皇大神宮教と璽宇 ●立正佼成会と霊友会 ●創価学会 ●世界救世教、神慈秀明会と真光系教団 ●PL教団 ●真如苑 ●GLA(ジー・エル・エー総合本部)
冒頭から、私が住む奈良県内の天理市を発祥とする「天理教」が取り上げられています。この中ではPL教団も山を隔ててすぐ近く、という印象ですし、本書では取り上げられていませんが、辯天宗なども近場に施設があります。三重県の美しい美術館「MIHO MUSEUM」の母体は神慈秀明会です。
これだけ身近な存在でありながら、その実態についてはほぼ何も知らないのが不思議なくらいかもしれません。
一般的な新宗教はいくつかのタイプに分けられるようですが、教祖の死にともなって分裂することが多いといった共通点もあるのだとか。本書では、各項目ごとにその分裂した経緯などもまとめて紹介されていますから、(まだ複雑ではあるものの)比較的理解しやすいですね。
オウム真理教の事件以来、新宗教に対する風当たりはますます強まっています。それらを信仰するかしないかは別として、こういった世界があることを少し掘り下げて知っておくと、余計な偏見が取り除けるかもしれませんね。興味がある方はどうぞ。