電子書籍を無名でも100万部売る方法
Kindleストアで小説をヒットさせるには?細かいテクニックが明かされたノウハウ本です
Amazonが運営する電子書籍ストア「Kindleストア」で、100万部を超える電子書籍を販売したインディーズ作家のノウハウ本です。
事業に成功している筆者は、オフラインで小説を自費出版し、決して安くない販促費を投入してきたにもかかわらず、まったく反応は無かったそうです。しかし、2010年から電子書籍を発売したところ、エンターテイメント小説やウェスタン小説など9冊の累計で100万部を超える大ヒットになったのだとか。ちょっとしたサクセスストーリーですね。
説明文:「キンドルストアで「爆発的ミリオンセラー」の著者だから書けた、超実践バイブル!特別な才能は必要ない。出版社を通す必要もない。次はあなたが100万部!
著者のジョン・ロックは、インディーズ作家としてアマゾン・キンドルで初めて電子書籍100万部を売った男である。もともと小説家ではないうえ、わずか2年でミリオンセラーを達成したことから世界的に注目されている。
本書は、執筆とマーケティングの両面からアプローチするが、肝となるのは、著者自身が数百万円をかけてトライ&エラーを繰り返し、ようやく辿りついた「マーケティングシステム」にある。このシステムの汎用性が高いということは、著者がキンドルで最もさえない・売れないジャンルだった「ウェスタン小説」のカテゴリーにおいてもベストセラーリスト入りしたことによって、実証済みである。(後略) 」
本書では、筆者の体験から、主に小説を販売することを念頭に置いて進められます。そのプロフェクトのプロセスはとてもシンプルです。
・読者対象を決定する ・原稿を完成させる ・売れる書籍コンテンツを書き上げる ・電子書籍化する ・ウェブサイトをつくる ・ブログをつくる ・「ブログインタビュー」を行う ・5つ星評価のレビューを得る ・次回作も必ず購入する熱いファン(生涯読者)25名のメーリングリストをつくる ・能動的なツイッターフォロワー100名を得る
これを徹底することによってベストセラーへ育てることが出来るのだとか。SNSを最大限に活用していたりするのは今風ですが、特に目新しさは感じられないかもしれません。しかし、筆者の解説は詳細で、この手順を丹念に積み重ねていることが分かります。
特に面白かったのは、ブログやツイッターへの投稿の書き方ですね。単なる宣伝ではなく、単なる馴れ合いでもない、自分の強い味方として仲間に引きこむ書き方と、情報を拡散されやすくする書き方など、細かいこともちゃんと考えられていることが分かります。その内容を完全に真似て、状況の違う今の日本に取り入れられるかどうかは微妙ですが、何らかのヒントにはなるでしょう。
ちなみに、筆者が目指したのは、最初から「偉大な作家」ではなく「インパクトのある作家」になることだったとか。この時代に、電子書籍を舞台に活動していても、なかなか偉大な作家として認められることは難しいですが、インパクトは感じさせることはできるはずです。
日本でも数年前に携帯小説がブームになりましたが、それと同様の波は、間もなくやってくるのかもしれません。電子書籍で小説を売りたい方は読んでおいてもいい内容かもしれませんね。